感覚野の層と機能〜Ringach et al., Nature 1997〜

「感覚野の層と機能」はシリーズもの。(基本的にマニアックな内容を扱ってます。)

過去には、可塑性ネコ一次視覚野ラットバレル皮質の話を扱った。

今回紹介する論文は10年前の論文。

Nature. 1997 May 15;387(6630):281-4.
Dynamics of orientation tuning in macaque primary visual cortex.
Ringach DL, Hawken MJ, Shapley R.

マカクザル一次視覚野における方位選択性が、時間とともにどのように変化するか?その変化が層によってどう違うか?を細胞外記録によって調べている。

入力層である4C層以外の層(論文ではまとめて出力層と呼んでいる)では、良く反応する方位(prefered orientations)が時間とともに変化する傾向があり、複数の角度に高い応答性を示すことがわかった。

さらに、選択性の鋭さ、という点では、その出力層の細胞たちは時間とともにより鋭くなる傾向があったそうだ。

この現象は、昔から唱えられているいわゆるフィードフォワードモデルでは説明できない現象だということを主張している。

ちなみに、麻酔下実験を行い、層の決定は電極の先端位置を実験後に組織学的に調べている。方位選択性についてはreverse correlation法を使っている。
論文中Table 1によると、出力層の中にも違いがありそうで、2/3層の細胞で複数のピークを持つ細胞は40%弱と、5,6層と比較すると少ないようだ。

ちなみに、そのShapleyたちは、ごく最近、
J Neurosci. 2007 May 23;27(21):5706-18.
A dynamic nonlinearity and spatial phase specificity in macaque V1 neurons.
Williams PE, Shapley RM.
という論文を報告していて、2/3層の細胞の非線形性を主に解析している。2/3層の細胞は、1次の解析だけではだめとも言っている。。。つまり、平均値だけはダメということか?reverse correlation法だけではダメということ??