皮質の解剖と機能

皮質内、皮質間相互作用の解剖学的知見を、わかりやすくまとめた総説が出ている。

Curr Biol. 2007 Jun 19;17(12):R443-9.
Structure and function of the cerebral cortex.
Shipp S.

個々の事実の元となる参考文献がつけられていないのは少しフラストレーションがたまるが、この総説の構成は以下の通り。

1.白質と灰白質の区別から、領野、コラムの区別、そして、層の区別について
2.皮質を構成している細胞種について
3.領野間の結合様式を大きくascendingとdescending pathwayとして区別
4.ascending pathwayの詳細
5.descending pathwayの詳細
6.運動系について
7.出力層5,6層について
8.皮質視床間ループの機能について
9.締め

総説中に図が3つ掲載されているが、どれもわかりやすくて良いし、これまでの知見が非常によくまとめられていると思った。

6層についてもしっかりまとめられている点が、特に良い。

まだまだわからないことは
1.抑制性細胞を含めた詳細な回路
2.一次視覚野以外の回路
3.種間の共通点と相違点(この点に関しては一切議論していない)
4.回路形成過程

といったところか。

もちろん、機能的な点も。

大脳皮質というと、コラムがあって、コラム内の細胞は機能的には似たものの集まりという認識を持ちがちだけど、この総説を読めば、同じコラム内のニューロンでも、出力先が全然違っていることが改めてよくわかる。

出力先が全然違うのに、コラム内の機能は同じと考えるのは、少なくとも自分の感覚からは逸脱している。出力だけでなく、入力元も違うわけだから、コラム内の細胞が同じ機能を担ってるとしたら、さらにおかしい気がする。