新皮質における回帰性回路

昨日のエントリーに続いて、皮質内回路に関する総説がでている。

Curr Biol. 2007 Jul 3;17(13):R496-500.
Recurrent neuronal circuits in the neocortex.
Douglas RJ, Martin KA.

この総説は一般論というよりも、DouglasとMartinの考えが主に書いてある。

まず冒頭、新皮質は処理速度の遅い素子の集まりだけど、システムとしては、省コスト、ハイスピードの計算を実現していることを強調している。

省エネに関しては、何が根拠かわからないが、脳は約20Wの電力しかを消費してないのに対し、脳と同じ計算機を現在の技術で作るとすると10MWも浪費するらしい。(熱でシステムが溶けるらしい。。。)

この総説では、新皮質内の回帰性回路(recurrent circuit)に注目して、以下の議論を展開している。

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その前に2点、新皮質内の回路の特徴を挙げている。

1.内部の結合が大半を占める
2.2/3層の結合が大きな割合を占める

これに関しては、論文中の図1にまとめられている。
この図は、この分野では必読論文である

 J Neurosci. 2004 Sep 29;24(39):8441-53.
A quantitative map of the circuit of cat primary visual cortex.
Binzegger T, Douglas RJ, Martin KA.

という論文から、興奮性結合のデータだけをまとめた図となっている。

2/3層の細胞のループの割合が大きいことに特に注目して、以下では、このポジティブフィードバックとシステム内のゲインコントロールについて、自説を展開している。

が、かなり抽象的でわかりにくい。

回帰性回路のポテンシャル、トップダウンシグナルの役割について議論しているが、かなり難解。


前者の議論はともかく、後者の議論でポインターニューロンなるものを謳っているが、2/3層のループの割合が大きいことはどこにいったのか?

前半のリアリスティックな話と、後者の抽象的な話のギャップがかなり大きく、超難解な総説となっている。