南伯地方の干ばつ深刻 252都市が非常事態

《節電・節水を呼びかける》

 フランスでは暑さで四〇名の死者が出た、米カリフォルニア州では雨不足が発電に支障を来たす。北半球は夏場のことだが、ブラジルは真冬に水銀柱は上がりっぱなし。南伯地方は雨不足で農業不作。二五二市が非常事態下におかれている。サンパウロ州も北部、西部方面で節水が始まった。

 《パラナー農作物に被害》

 非常事態下の二五二市のうち一九五市がサンタ・カタリーナ州。同州は今年三年連続の干ばつ。雨不足対策に連邦政府から一〇〇〇万レアルの予算交付が待たれている。国土統合省から代表がフロリアノーポリス市を訪れたが、手続き書類上の不備から予算交付が送れ、非常時対策担当官らを「緊急対策が必要なこのときに政府は官僚主義にばかりこだわる」と苛立たせている。同州ではいくつかの市で節水が始まった。

 南リオグランデ州ではバジエー、トウリンダーデ・ド・スール、アレグリアの三郡でも節水が行われている。同地方では過去一一年のうち八年は干ばつで痛めつけられている。一部では降雨が始まったが、非常事態はとかれていない。

 パラナー州では四二市が非常事態下にあるが、まだ節水はない。一両日中に寒気団が到着し、雨天に変わるのを待っている。

 南リオグランデ、サンタ・カタリーナ両州境のイター及びマシャジニヨ水力発電所は、全国電力システムオペレーター(ONS)の指令により発電量を抑えた。数か月つづく干ばつでダム水量が極端に減ったため。しかし、他発電施設との連携があり給電には問題ない。ここでも今月末の降雨に期待をつなぐ。

 サンパウロ州内では、リオ・ダス・ペドラス(サンパウロ市から一九〇km)で節水。

 タンコン・ダ・ウジーナでは貯水池の水量が通常の六割に減った。

 サルチニョ市(サンパウロ市から一七〇km)では、洗車や庭洗いには見つけ次第当局が罰金をかける。

 サンパウロ市及び周辺都市は幸い貯水量が六割以上で水不足の心配はない。

 パラナー州の農務局農業経済課(Deral)によると、干ばつによる減収のため、今農年度の州内農産物は合計一九億レアルの損失予想。

 小麦は前農年度の二二三万トンが今期は一七九万トンに減る。トウモロコシは九四〇万トンが七八五万トンに減る予想。

 サンパウロ州では干ばつ、高気温で一部に問題はあるものの、農村地帯ではフェイジョン、ポテト、トウモロコシ、、ぶどう等に潅水が順調だったので、収穫が始まっている。

 ピーナツ、ひまわりも収穫が始まり、レポーリオやベテラーバは収穫待ち。モコカ、ガルサ、フランカ方面のコーヒー収穫も順調。

 ミナスのセラード地帯は二〇日間ほど遅れて収穫開始。

braziln at 17:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)