2008年の発売時に購入して以来、我が家の不動のセンターだった、パイオニアのSC-LX90がその座を明け渡す日がついに来ました。

SC-LX90はジェフ・ローランドのパワーアンプに全面的に使用されているICEpowerデバイスをパワー部に使用したことが、その突出したポジションを確立した第一の理由だったと思っています。クラスDアンプに分類されるICEpowerは他にもB&Wのサブウーファー、ウィルソン・オーディオのパワードスピーカーやマーチンローガンの静電型パワードスピーカーなど、ハイエンドのオーディオ製品での使用例も多く、88万円のプライスタグとはいえ、一体型のAVアンプでの使用は例外的で、匹敵する製品がなかなか出てこなかったことにもつながったのでしょう。デジタルアンプの実力をLX90で理解したパイオニアは、半額以下のLX8xシリーズではその後デジタルアンプの「ダイレクト エナジーHDアンプ」を採用し続けます。

LX90は音響補正機能のMCACCやハイレゾオーディオ対応などの進化はその後8代にわたって発売された下位機に追い越され、何よりも4Kどころか3Dにも対応しないHDMI1.3で進化を止めてしまったことで使用上の工夫を強いられましたが、それでも私はこれという代替機を見つけられずにいました。SC-LX90が、ジッターレスでSACDのマルチチャンネルを伝送するiLINKを装備した最後の製品だったということも、忘れてはならないでしょう。

3Dのブルーレイや4K放送の視聴くらいまではなんとか工夫をしてLX90を延命してきましたが、UHD BDや3D音響となるとこのアンプではもうお手上げです。ところがロスレスサラウンドの登場期の、各社の豪華絢爛なトップモデルの百花繚乱が懐かしくなるくらい、今は上級機受難の時代で、文句なしに代替できる機種がなかなか見つけられません。一時期真剣に導入を検討したTrinnov AudioのAltitude32は、インテルCPUを搭載したPCアーキテクチャをベースにし、AVインターフェースを装備したモデルで、Dolby AtmosやDTS:Xの対応も自由度が高く、ウーファーを含めた32チャンネルまでのスピーカーを自由に配置でき、例えば天井スピーカーを二列の5スピーカーずつといった設置も可能です。面白い製品とは思いましたが、400万円という価格と、イタリア製のソフトウェア主体の製品を買うリスクを考慮して、断念しました。

4Kの放送やパッケージメディア、ストリーミングサービスが本格化を迎える現在、AVセンターに共通して必要なのは、HDMI2.0と、HDCP2.2です。前者は4K@60Pの伝送を可能にし、後者はそれに伴う著作権保護技術をクリアします。今後は両方が必須と考えてよいでしょう。HDMI2.0は現在のフルスペックの2.0Aと、放送の4K@60pだと4:2:0まで、UHD BDの4K@24pだと4:2:2までの2.0Bの二種類がありますが、2.0Bでも現存のコンテンツはカバーできますが、2.0Aだと将来的にもより安心です。全部のHDMI入力端子をHDCP2.2対応にするマランツやヤマハのようなメーカーもあれば、限られた数の端子だけをHDCP2.2対応にしているメーカーもあり、注意が必要です。

検討の結果、マランツかヤマハの最新のAVプリを購入し、パワーアンプをそれに合わせて考えることにしました。現行製品の一体型では何を買ってもSC-LX90から最終的な音質で格落ちになってしまう恐れが拭えなかったからです。2chのアナログ系をアキュフェーズのセパレートでまとめている我が家では、AVアンプはHDMI接続のみとなり、その結果我が家のチョイスはヤマハCX-A5100でした。同時にヤマハの11chのパワーアンプMX-A5000も購入し、アキュフェーズのA級アンプで駆動するフロント以外のサラウンドスピーカーを任せることにしました。88万円だったSC-LX90から、合計でも58万円のCX-A5100 + MX-A5000ペアへの交換ということになります。こんなに安くなっちゃって大丈夫かな??

実際に設置してからはトラブル続きでした。ヤマハのプリ/パワーはトリガー端子をつないでおくことで双方を同時に電源オンできることになっているのですが、まず電源を入れるとパワーアンプ共々数秒で落ちてしまう。これは、プロジェクターのソニーVPL-VW1100ESへのトリガー出力も接続していたことが原因でした。また、4Kチューナーなどからの4K映像がプロジェクターから全く投影されない。これは、これまで使っていた、AIMとサエクのHDMIケーブルが原因でした。これらはハイスピードでEthernet対応ということだったので、4Kも行けるだろうと思っていたところ、NGでした。機器間のリンクさえもしません。一方で1080pの黎明期に購入して、その後物置き行きになっていたモンスターケーブルや、今Amazonで話題の激安のATS Directのケーブルは使えたので、4K対応のHDMIケーブルに関してはブランドや値段ではなく、実力重視で選択することをお勧めします。これらのトラブルに関しては、私はヤマハのアンプの故障かとも考えるほどでした。4K機器の導入で何か不具合があった際には、HDMIケーブルは真っ先に疑って良いものの一つです。
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UHD BDプレーヤーは色々と考えたのですが、結局無難なパナのDMR-UBZ1を導入。ただし新再生系のこけら落としはUHD BDでも3Dオーディオでもない「StarWars Force Awakens」のブルーレイでした。
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UHD BDも買い込んだので、今後合わせてインプレッションを書いていきたいと思っています。