わかば
少し前のことですが、世田谷区の区民センターで無料の区民講座が開かれるという記事が世田谷区の広報に掲載されていました。関心のあります内容でしたので、応募をしましたところ、最初は抽選に外れたのですが、間際になりましてキャンセルが出たようで出席できますとの通知が届きました。

講座が開催されます場所は、世田谷区内のS小学校の近くと書かれていました。S小学校の場所は知っていましたので当日は少し早めに出かけて目的の場所を探そうとしました。ところが、S小学校の近くに住んでいましたのは随分前のことで、また他の経路から電車ではなく徒歩で行こうとしましたので、肝心のS小学校をすぐに探すことができませんでした。

開始の時間が迫ってくる中で、焦っていますと、そこへ中学1年生くらいの少女が二人で歩いてくるのが見えました。この近くの方ならS小学校を知っているかも?と思い、「S小学校はどのあたりにありますでしょうか?」と聞きますと、「一緒にS小学校まで行きます」と言ってくださり、そのまま並んで3人で数分を歩きました。何故一緒にきてくださるんだろう?と少し思いましたが、S小学校の方面に用事があるのかな?と思い、そのまま彼女たちのあとを追いて行っていましたところ、最初の目的の区民センターが左側に登場したのでした。

目的地が分かった私は、「あっ!ここに来る予定でしたので、ここで大丈夫です。本当にありがとうございます!」とお礼を言いましたところ、「あ、区民センターに行かれるのだったのですね?」と明るく答えてくださり、なんとそのまま踵を返し、歩いてきた方向へお二人で歩いて行かれたのでした。

そのまま私は区民センターに入り、希望の講座を楽しく聴いて帰ったのですが、帰宅したあと思いましたことは、二人の少女はおそらくS小学校の卒業生で、久しぶりに母校を訪れたいと思って、私を道案内してくださったのでは?ということでした。そして、最初から「S小学校の近くの区民センターを探しているのです」何故言わなかったのだろうと反省したのでした。

そしてきっと一人ではなく、二人だったから、(私の想像が当たっていればですが)母校を訪ねてみたいと思ったのでは?と思いました。ここでお話が飛躍して申し訳ありませんが、ずっと以前にどこかの雑誌かなにかで、「一人よりは二人のほうが魅力的に見えるものなのだ」という文章を読んだことを思い出しました。誰が言った言葉かも分かりませんし、またそれが真実かどうかも分からないのですが、その文章が何か心にいつまでも残っていました。そして今回、当然のことなのですが、一人での行動範囲より二人での行動範囲は自然と拡がって行くのかもしれないと思ったのでした。

ともあれ、先日の二人の少女がしてくださったことは、優しい記憶として私の心の中にずっと残って行くような気がしています。ありがとうございました ♪