2009年02月03日
名門百貨店の倒産が告げるパラダイムシフト

写真:ここも昨年閉店となりました。@横浜松坂屋
丸井今井:民事再生法を申請 函館、旭川店は採算性検討へ@毎日新聞1/29
08年の年間全国コンビニ売上高、初めて百貨店を上回る@J-CAST NEWS1/20
バブル崩壊以降右肩下がりを続け、昨年にはコンビニ業界にも売り上げが抜かれてしまった百貨店業界ですが、北海道では地場の名門丸井今井の倒産と言うニュースが入ってきました。
どんどん崩れていく百貨店の価値@大西 宏のマーケティング・エッセンスより
百貨店でそれなりに健闘しているのは食品売り場ぐらいで、それ以外のビジネスは、売上の4割を占める衣料品だけでなく、ほとんどが衰退してきています。考えて見れば、百貨店はその業態の価値、あるいはそれぞれの百貨店の価値そのものがなになのかがどんどん見えなくなってきました。
衣料品は、ユニクロが快進撃ですが、ユニクロに限らず、今やほとんどの衣料品ブランドは製造と販売を一体にしたSPAに進化し、それぞれのブランドが郊外のショッピングセンターや百貨店以外の商業施設でもショップ展開をしているため、特に百貨店に行く必然性がありません。〜中略〜
百貨店は、衣料品に限らず、テナントにおんぶにだっこというのが実態で、独自の価値を生み出す力を失ったまま失速してきたというのが正直なところでしょう。都心の好立地という価値も、地方の場合は車で買い物に行くというのが一般であり、立地という価値も、郊外のショッピングセンターの登場で優位性を失いました。
プロのマーケッターである有名ブロガーさんの意見を見ると百貨店の自助努力の欠如によりユニクロなどのSPAや郊外型ショッピングセンターとの競争に敗れたと言う分析をなされていますが事はそれほど単純ではないような気がします。
デニーズ、ジャスコ「大量閉店」 ファミレス、スーパーはもうダメなのか@J-CASTニュース4/11より
ファミリーレストラン、総合スーパーが、原油高などによる消費低迷やニーズ変化の影響で苦戦している。ここ3年で、セブン&アイ・ホールディングスが「デニーズ」約130店舗を減らし、イオンが「ジャスコ」「マイカル」約100店舗を閉店か業態転換すると報じられた。ファミレス、スーパーといった既存店舗は、その役割を終えたのか。
郊外店舗の雄イオンが減益によりリストラにさらされ始めたのは昨年、確かにユニクロは頑張っているのですが、やはり全体的に百貨店がとく意図する分野へのお金の流れそのものが急激に減少していると言う感が否めません。
東京に「しまラー」増殖中 あのカリスマモデルも愛用@J-CASTニュース1/31
1人2万円の定額給付金、女子中高生は何に使う?@BuisinessMedia誠より
総額2兆円規模の定額給付金を盛り込んだ第2次補正予算が成立したが、女子中高生は定額給付金がもらえたら何に使おうと考えているのだろうか。中高生ともに最も多かったのは「預貯金」(中学生29.0%、高校生36.3%)と、消費に対して消極的な姿勢がうかがえた。次いで「好きなモノを買う」(中学生15.0%、高校生9.2%)、「服を買う」(中学生9.7%、高校生8.6%)とトップ3は同じ結果となった。
実際百貨店がメインターゲットにしているであろう若い女性に関する記事を集めてみると低価格のカジュアルウェアである「しまむら」や「ユニクロ」への志向が高くなっていたり女子中高生が定額給付金を貰ったら貯金する等、若い女性がファッション関係を中心とした消費から距離を開け始めている様子が見て取れます。
女性の非婚化は何を物語るか より
一方非婚化が進んだここ最近の女性の収入動向はどうでしょうか?
年収 2002 シェア 2006 シェア 成長率(単位:千人)
〜300万円 63.8% 66.1% 8.5%増加
300~1000万円 35.5% 33.0% 2.6%減少
1000万円以上 0.8% 0.9% 28.1%増加
全体では就労者が増加し、特に年収1000万円以上の層が3割増と激増し確かにこの2点を見れば女性は社会進出した、強くなったと言えそうです。しかし年収1000万円以上の層は全体から見れば僅か1%弱しかなく、中間層といえる年収300万円〜1000万円の層は2.6%減少、年収300万円未満の層は8.5%増加となっていて年収300万円未満の層が全体の2/3を占める事態となっています。〜中略〜
注目したいのはやはり年収300万円以上の層が減少し300万円未満の層が激増していることです。言うなれば新規参入した若い独身女性の年収は減少し多くの女性が年収300万円未満と言う状況にあり、所謂自立とは縁遠い状況にある独身女性が増えていることです。
何故彼女たちは消費から距離を開け始めたのでしょうか?それを考える際に重要だと思うのは彼女たちから見た大人の女性たちの経済状況ではないでしょうか?上の引用は過去に書いた記事からのものですが女性の就労を促進する策がどんどん打たれているのに実は就労者そのものは増えているものの2/3が年収300万円以下でかつその割合が増加している状況が見て取れます。
その一方で婚活、草食男子と言う言葉が良く聞かれるように男性との交際も減ってきている事を考えるとかつてアッシー、メッシーなんて言葉に代表されるような男性が手間やお金を使ってくれるようなケースも減っている・・・。となれば「無駄な消費を抑えて貯金して将来に備えよう」となるのは至極当然のような気がします。
まとめると百貨店がターゲットとしている様な若い女性たちがどんどん貧困化していて、こう言った若い女性向けの商売が年々崩壊している・・・。
北海道の名門百貨店の倒産はそんなパラダイムシフトを告げているのかもしれません。


