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米アマゾンで初の労組結成@京都新聞2022/4/2より
 【ニューヨーク共同】米アマゾン・コムのニューヨーク市スタテン島の倉庫従業員は1日、労働組合の結成を賛成多数で可決した。アマゾン従業員による労組結成は米国で初めて。アマゾンは組合結成に反対してきたが、待遇や労働環境の改善を求める声が強いことが示された。他の地域にも波及する可能性がある。


ネット通販でおなじみのアメリカアマゾン社で労働組合結成のニュースが入ってきました。日本人としては例えばソフトバンクや楽天の労働組合がニュースになる事が無く、と言うよりもこの2社に労働組合があるのかどうかも分からないので意外にびっくりするニュースかもしれません。ちなみにソフトバンクに関しては労働組合はある様でHPもあります。
ソフトバンク労働組合

アマゾン倉庫労働者の労組結成をめぐる動向@独立行政法人労働政策研究・研修機構2021/11より
NLRBが4月9日に発表した集計結果によると、従業員5876人のうち3041人が郵便で投票。賛成票を投じたのは738人にとどまり、反対票が1798人(投票者の59.1%)にのぼった(このほか無効76票、要再集計が505票)。賛成票は労組結成に必要な投票者の過半数に遠く及ばなかった。
アマゾン社は「組合は『従業員を脅迫したので勝った』と言うだろうが真実ではない。従業員は組合への加入に反対票を投じることを選択したのだ」との声明を発表した。現地報道によると、会社は従業員に最低でも時給15ドル(同州最低賃金の2倍)の賃金を支払い、健康(医療)保険にも加入。会社側は「こうした待遇を提供しているのに組合費を払う必要がどこにあるのか」と訴え、「(組合の)会費なしでやろう(Do it without dues)」をスローガンに、反対への投票を促した


そしてニュースになった事から察する方もいらっしゃるかもしれませんが、この組合結成までは結構紆余曲折があったようです。他の事業所になると思いますが、会社側が反対投票を促したこともあって否決されています。ただ会社側の言い分として「最低賃金の倍以上の賃金を支払い、医療保険も加入しているのだから組合などいらないでしょ」との事です。そしてアマゾンと言うとIT企業で高給取りのように思えますが、物流関係の施設を多く抱え、その従業員も多い為、こういった攻防が繰り広げられた側面があると思われます。とは言え労働組合は出来ました。

労働組合@厚生労働省より
 労働組合は「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」、すなわち、労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体です。
 日本国憲法第28条では、
   1. 労働者が労働組合を結成する権利(団結権)
   2. 労働者が使用者(会社)と団体交渉する権利(団体交渉権)
   3. 労働者が要求実現のために団体で行動する権利(団体行動権(争議権))

の労働三権を保障しています。


さて労働組合とは何でしょうか?上は厚生労働省のHPからその定義です。「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」であり、経営者側と交渉したり、ストライキなどの直接行動を行うなどして労働者の労働条件や給与の改善を図るための団体です。

36協定(新様式)の変更点・注意点を解説【2021年版】@労務SERCHより
6協定とは、時間外・休日労働に関する協定です。
労働基準法では、法定労働時間(1日8時間/1週40時間)と週1日を法定休日として定められています。その時間を超えての労働、または休日労働をさせる場合は、第36条に基づく労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります
労使間の協定締結だけでなく、労働基準監督署長に届け出てはじめて、有効となります。届出なしに従業員に時間外労働をさせた場合、労働基準法違反となります。
36協定を締結する場合、労働者の過半数で組織する労働組合、その労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者と使用者との書面による協定が必要です。


さて交渉と言うとメーカーなどの大企業が春に行う春闘を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、もう1つ重要なのは残業や休日出勤に関わる36協定です。これは必ずしも労働組合でなくてもよいのですが、労働者代表が使用者側と交渉して協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出る事で有効になるのですが、労働基準法を遵守するならこの協定なしに残業は出来ないです
そして交渉の結果結ぶ協定なので、例えば残業・休日出勤など時間外労働の上限を決めたり、割増残業代などの形で際限ない長時間労働に歯止めをかけることが可能になる訳です。
そして労働基準監督署長に提出するので最低でも労働基準法の最低条件以上の条件の協定が出来ます
逆に言えば際限なく長時間だったり手当が出なかったりする残業は違法の可能性が高いのですが、ブラック企業と呼ばれる企業を中心に堂々と違法行為を行ったから長時間労働が蔓延したと言えるわけです。

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表:業種別賃金と従事者における労働組合員比率及び女性就業者数(平成30年民間給与実態統計調査@国税庁 平成30年 労働力調査年報 平成30年労働組合基礎調査の概況より作成)

そしてその結果、労働組合の多い業種と少ない業種である程度分かりやすく賃金で差が出て来ています。給与・所得格差の問題と言うと非正規雇用の問題として語られがちですが、この労働組合の割合の大小と言うのも所得格差の小さくない要因となってるように思えないでしょうか?

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図:勤続年数別の平均給与(平成30年民間給与実態統計調査@国税庁より)

そして間接的な側面ではありますが、勤続年数が給与額に及ぼす影響を考えると労働組合があって労働環境がマシな企業の方が長く働きやすい分更に所得を伸ばしやすくなります。
そもそもの業種による給与・所得の差、そして労働環境による勤続年数の差そのダブルパンチで給与・所得の格差が広がった訳です。

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労働組合推定組織率@ 労働組合@wikipediaより
アマゾン倉庫労働者の労組結成をめぐる動向@独立行政法人労働政策研究・研修機構2021/11より
現地報道によると、会社は従業員に最低でも時給15ドル(同州最低賃金の2倍)の賃金を支払い、健康(医療)保険にも加入。会社側は「こうした待遇を提供しているのに組合費を払う必要がどこにあるのか」と訴え、「(組合の)会費なしでやろう(Do it without dues)」をスローガンに、反対への投票を促した


労働組合の反対票を促したアマゾンの「会社は従業員に最低でも時給15ドル(同州最低賃金の2倍)の賃金を支払い、健康(医療)保険にも加入。会社側は「こうした待遇を提供しているのに組合費を払う必要がどこにあるのか」」と言うのは張ったりではないと思います。実際現状医療保険も最低賃金の倍の給与も提供していると思います。しかしアマゾン自体比較的新しい企業で大きな経営的な低迷を経験していないと思われます。そしてそんな逆風の時に投資家達の要求が出てきたときにこの状況を維持できるでしょうか?日本の失われた20年間ではその直前のバブル期までに労働組合の組織率は25%までの落ち込み、90年代の経営的な逆風下労働者の権利が守れなかったというのが様々な悲劇を引き起こしたという面はあると思われます。そしてその逆風をもろに受けたのは労働組合の少ない業種への志向が高かった女性達ではないでしょうか

【上野千鶴子のジェンダーレス連載】「1985年に成立した男女雇用機会均等法から女性の分断が始まりました」|STORY@2022/3/28より
経営者は知恵者ですから、私たちはやられっぱなしです。
一方で、共犯関係にあったのが連合(日本労働組合総連合会)を初めとする労働組合です。自分たちの雇用保障さえ守れたらOKと思っているオジサン労働者団体は多いです。彼らは非正規の女性たちを組織化してきませんでした


そして日本の女性たちに不幸だったのは専門家たちが労働組合の様な彼女たちがうまく生き抜くための武器に関する知恵を提供するのではなくただひたすら「おじさんが悪い」と責任転嫁ばかり続けたことにあると思います
私は経営者の言葉に対抗してまで労組を結成したアマゾンの労働者たちはアメリカだけでなく日本、その他全世界の若者たちに問うているのだと思います。このまま「おじさんたちが悪い」と言って落ちぶれていくのか、それともおじさんたちと戦う武器を手に入れ強かに戦っていくのか、平成と言う時代を生きたおっさんとしては令和の若者がこの問いにどうこたえていくかに注目したいところです。