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写真:今回は俎上に上がりませんでしたが@金沢駅

JR西日本の発表と深刻なJRの所謂ローカル線問題
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ローカル線に関する課題認識と情報開示について@JR西日本2022/4/11より
会社発足から 35 年間、地域の皆様にご協力いただきながら、輸送改善や観光誘発といったご利用促進策を進めてまいりました。一方、この間に沿線人口の減少・少子高齢化、道路整備や、道路を中心としたまちづくりの進展など、ローカル線を取り巻く環境は大きく変化しております。 そうした中で、鉄道は自動車に比べてきめ細かな移動ニーズにお応えできないこともあり、線区によっては地域のお役に立てておらず、厳しいご利用状況となっています。特に今回お示ししている線区については、大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないと考えております。これらの線区はCO2排出の面でも、現状のご利用実態では必ずしも鉄道の優位性を発揮できていない状況にあります。~中略~
地域の皆様と課題を共有させていただき、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画し、地域のまちづくりや線区の特性・移動ニーズをふまえて、鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたいと考えています。 JR西日本、ローカル17路線の年間赤字248億円@日経新聞2022/4/11


コロナにおいて、大都市および長距離輸送を中心に乗客が激減し、公共交通崩壊が叫ばれる中JR西日本が利用の少ない所謂ローカル線の問題について課題認識及び輸送人員や経営状況などの現状の情報を公開しました。
収支率:0.5%(芸備線東城~備後落合)~29.4%(播但線和田山~寺前)
営業係数:340(播但線和田山~寺前)~25416(芸備線東城~備後落合)
2017~2019収支:-2.0億円(芸備線備中神代~東城、小野田線)~-34.5億円(山陰線出雲市~益田)
平均輸送人員:11人(芸備線東城~備後落合)~1246人(岩徳線)
2019/1987比:2%(芸備線東城~備後落合)~姫新線(津山~中国勝山60%)
減価償却費をはじめ具体的な詳細が分からないので数字を独り歩きさせるのは避けたいところですが、ものすごい数字が並んでいます。輸送密度(平均輸送人員)11人、営業係数25416、収支率0.5%、年間赤字額34.5億円(2017~2019収支)、日経新聞の記事にある年間赤字248億円、大きな数字が並びます。

※経営状態に関しては以下の分析表も参考になりますのでどうぞ
分析表@RACDA

コロナの打撃が突きつける鉄道と言うインフラを維持する責任の所在問題
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画像:コロナ前(2019年3月期)、コロナ期(2021年3月期)の収支(JR西日本決算短信より)

JR西日本の決算を見ると(1000万円未満は切り捨て)
2019年3月期:売上高1兆5293億円、営業利益1969億円、経常利益1832億円
2021年3月期:売上高8981億円、営業利益-2455億円、経常利益-2573億円
コロナ前の2019年3月期の営業利益1969億円、経常利益1832億円であればこのローカル線をJRが支え続けるという選択肢がとれたかもしれません。しかしコロナ期である2021年3月期、売上は4割以上減少の8981億円、営業赤字2455億円、経常赤字2573億円と言う数字、そしてコロナ前に戻れるか懐疑的な状況下でこのローカル線の赤字の問題が顕在化したと言ってよいでしょう。

ローカル線に関する課題認識と情報開示について@JR西日本2022/4/11より
会社発足から 35 年間、地域の皆様にご協力いただきながら、輸送改善や観光誘発といったご利用促進策を進めてまいりました。一方、この間に沿線人口の減少・少子高齢化、道路整備や、道路を中心としたまちづくりの進展など、ローカル線を取り巻く環境は大きく変化しております。 そうした中で、鉄道は自動車に比べてきめ細かな移動ニーズにお応えできないこともあり、線区によっては地域のお役に立てておらず、厳しいご利用状況となっています。特に今回お示ししている線区については、大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないと考えております。これらの線区はCO2排出の面でも、現状のご利用実態では必ずしも鉄道の優位性を発揮できていない状況にあります。~中略~
地域の皆様と課題を共有させていただき、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画し、地域のまちづくりや線区の特性・移動ニーズをふまえて、鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたいと考えています。


そしてJR西日本のプレスリリースを読んでいきましょう
・沿線人口の減少・少子高齢化、道路整備や、道路を中心としたまちづくりの進展
・CO2排出の面でも、現状のご利用実態では必ずしも鉄道の優位性を発揮できていない
・地域の皆様と課題を共有させていただき、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画
・鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたい

前2つがこの状況の背景、そして後ろ2つがその上で存続を望むなら地域にやってほしい事となるのでしょう。

道路統計年報2020 道路の現況@国土交通省より作成
国道内容    平成元年 平成30年
高速自動車国道 4407㎞→9021㎞
一般国道実延長 46805km→55874㎞
一般国道改良済 40641㎞→51910㎞


まず鉄道がインフラであるならあまりにも公的な投資が道路に偏っている事が挙げられます。上は国土交通省の道路統計年報より平成元年から30年までの30年間を見ると道路に関しては実に高速道路4600㎞、一般国道の延伸9000㎞、一般国道の改良11300㎞、一方鉄道に関しては新幹線は東北・北海道327.7㎞、北陸新幹線345.5㎞、九州新幹線288.9㎞の僅か1000㎞程JR一般路線に関しては純粋な新線と言うと大阪の京橋~兵庫尼崎を結ぶJR東西線、京葉線の東京乗り入れくらいしか浮かびません、それに国鉄が計画した第3セクター路線を含めても北越急行線、智頭急行線、井原鉄道くらいしか浮かばず、それに私鉄系ですが成田新幹線絡みで成田空港アクセス鉄道を入れても300㎞未満と言った所になります。改良に関しては在来線特急の高速化では山形新幹線、秋田新幹線をはじめ少なくない数国費を導入しての高速化等投資が行われ、電化などの行われた路線は少なくないですが、それでも一般国道の改良の11300㎞に比べたら桁1つ少ない距離でかつ鉄道会社の負担も前提となった公的投資しか行われていません。
実際インフラと言うには道路に比べて公的な負担が2桁3桁少なく、SDGsと言われても輸送密度11人だったらCO2削減に反する、それがJR西日本の伝えたい現状の前提条件でしょう。

地域公共交通計画等の作成と運用の手引き@国土交通省より
地域の移動手段を確保するために、住民などの移動ニーズにきめ細かく対応できる立場にある地方 公共団体が中心となって、交通事業者や住民などの地域の関係者と協議しながら、マスタープラン(ビジョン+事業体系を記載するもの)となる「地域公共交通計画」を作成することが必要となります。
地域公共交通計画は、「地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿」を明らかにする「マスタープラン」としての役割を果たすものです。国が定める「地域公共交通の活性化及び再生の推進に関する基本方針(以下、基本方針と呼びます。)」に基づき、地方公共団体が地域の移動に関する関係者を集めて「活性化再生法に基づく協議会(以下、法定協議会と呼びます。法定協議会については、入門編第3章で説明します)」を開催しつつ、交通事業者や地域の関係者等との個別協議を重ねることで作成していくものです。
地域公共交通計画においては、従来のバスやタクシーといった既存の公共交通サービスを最大限活 用した上で、必要に応じて自家用有償旅客運送やスクールバス、福祉輸送、病院・商業施設・宿泊施 設・企業などの既存の民間事業者による送迎サービス、物流サービス等の地域の多様な輸送資源につ いても最大限活用する取組を盛り込むことで、持続可能な地域旅客運送サービスの提供を確保するこ とを求めています。その際、交通系 IC カードや二次元コードの導入によるキャッシュレス化、Wi-Fi の整備といった最新の技術や、更には MaaS(マース:Mobility as a Service)、AI(人工知能: Artificial Intelligence)による配車、自動運転などの技術も最大限活用して生産性を向上しつつ、地 域の高齢者はもとより、外国人旅行者も含めた幅広い利用者にとって使いやすいサービスが提供され ることが必要です。
このように、地域公共交通計画は、地域の社会・経済の基盤となるものです。そのため、基本的に 全ての地方公共団体において、計画の作成や実施を「努力義務」として定めています。




続いて行政にやってほしい事として「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画とありますが、地域公共交通計画とは上の説明にありますように地域の行政機関が住民やJRの様な交通事業者など関係者と協議して地域の公共交通をどうしていくかと言うマスタープランの事になります。ただMaasや交通ICカードの話があるとはいえ、イオンバス等の企業の送迎バス等も出てくるように市町村内の地域の交通機関であり、JRの様な幹線交通をどこまでイメージしているかは未知数でもありますし、例えば広島市や岡山市などの大都市はともかくローカル線沿線の小都市では財政的どこまで対応できるかと言う問題もあります。とは言えそれでもJRとしてはこれまで一手に担っていた路線維持の責任を沿線の行政機関にも分担してもらうのと安定した支援を求めていると考えているのではと思われます

地方鉄道の活性化に向けて@国土交通省資料より
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JR只見線(只見~会津川口)の鉄道事業許可~豪雨被害からの運転再開に向けて、運行と施設保有を分離します~@国土交通省2021/11/29より
 この区間は、「平成23 年7月新潟・福島豪雨」で橋りょう流失等の甚大な被害を受けましたが、 沿線自治体の強い意思を踏まえ、平成29 年6月、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と福島県は、運行と鉄道施設等の保有を分離する上下分離方式を導入し、鉄道により復旧することで合意し、 現在、令和4年中の運転再開を目指して復旧工事が進められています。
 今回の許可は、上下分離方式の導入に必要な鉄道事業法上の手続として行われたJR東日本からの 第二種鉄道事業(運行)の許可申請、福島県からの第三種鉄道事業(鉄道施設等の保有)の許可申請 に対して、それぞれ行うものです。

 なお、許可書の交付については、下記のとおり行います。 〔参考〕 この区間の復旧工事については、平成3 0 年6月成立の改正鉄道軌道整備法により新たに対象となった黒字事業者の赤字路線の事例として、国の災害復旧補助制度が適用されており、上下分離方式の導入などの事業構造の変更等の要件を満たすことによる補助率の嵩上げ(通常4分の1→3 分の1)が行われている最初の事例になります。


そして上下分離に関しては鉄道施設の保有と運営を分離する事により、ローカル線でも大きな負担になる減価償却費などの施設保有に関わる負担を軽減する事で経営を改善するやり方です。JR西日本のエリアでは例はないですが、豪雨災害で路線が分断されていたJR東日本の只見線、福島県内の区間である只見~会津川口間でこのやり方で復旧され今年開業する事となっています。またその際に補助率の嵩上げも行われています。民間企業のJRよりも行政が絡んだ場合の方が国レベルの補助金が出やすいというのもメリットです。

知事達の反発から考えるJRの所謂ローカル線の立ち位置
自治体へ負担を求めるのは筋違い…丸山島根県知事 JR西日本の不採算線区問題@Response2022/4/14
「赤字だから切り捨てるのか」 兵庫・沿線自治体の首長ら憤り JR西、ローカル線収支初公表@神戸新聞2022/4/11
沿線自治体、維持求める声相次ぐ JR姫新、芸備、因美6区間@山陽新聞2022/4/11

実際問題沿線自治体からは反発が出て来ています。財政的な問題もありますが、JRの路線は基本的に幹線路線と言う建前で作られている為、純粋な財政的な問題は当然あるにしても問題が単純化しづらいというのが大きいと思われます

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ローカル線に関する課題認識と情報開示について@JR西日本2022/4/11より

まずJR西日本は輸送密度2000人未満の線区として17路線30区間を挙げていますがそのうち路線全体が上がっているのは小野田線、岩徳線、小浜線、越美北線、美祢線のわずか5路線しかなく、他の12線区に関しては確かに該当の区間の輸送密度は2000人未満ですが、別の区間で2000人を超えている区間があります。例えばこのローカル線問題で良く語られる芸備線ですが確かに東城~備後落合の輸送密度は11人ですが、驚くことに広島口の下深川~広島は輸送密度は8000人を超えています。また播但線和田山~寺前の様に電化・改良された区間の輸送密度が8000人を超えているのに非電化で据え置かれたため、停滞している区間もあります。輸送密度2000人未満のローカル線は単独で成り立っているのではなく、今はそれなりに利用されている路線もその利用の少ないローカル線から運ばれて来た乗客によって成り立っている側面もあるというのは忘れてはならないと思います
そして何よりそもそも地域行政が地域公共交通計画を作成しようにも困難な県境を跨ぐ区間も決して少なくなく1/3の下記10線区に上ります
小浜線 敦賀~東舞鶴 福井・京都
大糸線 南小谷~糸魚川 長野・新潟
山陰線 浜坂~鳥取 兵庫・鳥取
山陰線 益田~長門市 島根・山口
関西線 亀山~加茂 三重・京都
姫新線 上月~津山 兵庫・岡山
芸備線 備中神代~東城 岡山・広島
因美線 東津山~智頭 岡山・鳥取
木次線 出雲横田~備後落合 広島・島根
山口線 宮野~津和野 山口・島根
実際上下分離を実現した只見線の只見~会津川口間は全区間福島県内に収まる区間ですが、それでも2011年の豪雨で不通になってから2017年の上下分離の合意まで6年かかっています。新幹線の並行在来線が県毎に別の第3セクターで運営されることが多い事からも分かるように、県境を跨ぐ場合、明確な調停者がいない事から調整が難しく、まとまりづらいです。その事も地元の行政の反発を招いた理由と考えられます。

阪神大震災の迂回ルートから考えるJRの所謂ローカル線の存在意義
平成7年度運輸白書より
(ウ) JRの鉄道迂回ルート
 JR山陽新幹線新大阪~姫路区間及び東海道本線尼崎~神戸、山陽本線神戸~姫路区間が全面不通となったため、代替バス輸送と併せ1月23日以降、鉄道迂回ルートを設定し〔1-1-16図〕、列車運行による輸送手段を確保した
 これには、加古川線ルート(加古川線・福知山線を利用)、播但線ルート(播但線・山陰本線・福知山線を利用)が用いられた。加古川線ルートでは、姫路~新大阪(92km)については通常は山陽新幹線で約35分、在来線で約1時間40分のところを、距離149km、所要時間約2時間45分であった。
 播但線ルートでは、距離214km、所要時間約3時間20分であった。
 4月1日に東海道本線が、また8日には山陽新幹線が全線開通し、迂回ルートはその役目を終えた。
(ウ) 鉄道貨物に対する代替輸送
 鉄道貨物については、東海道本線が不通となったため、コンテナについてトラック、内航貨物船による代行輸送が行われた。さらに福知山線・山陰本線・伯備線経由による迂回ルートが2月11日に設定された。迂回ルートの輸送能力は、2月においては1日平均で通常の2%にすぎなかったが、別途代行輸送により通常の26%が輸送された
 また、不通区間の車扱列車については前述の迂回ルートを3月4日より利用したのに加え、播但線・山陰本線経由による迂回ルートを3月14日に設定した〔1-1-19図〕。


また阪神・東日本・熊本大震災などの災害で幹線鉄道が長期分断された際の代替ルートと言う側面も地域的には忘れてはなりません。特に山陰線・加古川線・播但線の3路線では実際に阪神大震災の際、旅客・貨物双方で代替ルートとして活用され、加古川線全線、播但線の一部(ただし今回公開された区間は該当せず)がその経験もあって電化されています。そして越美北線を除く16路線29区間すべてが多かれ少なかれ東海道・山陽・山陰・北陸等の大幹線の代替ルートになる可能性を持っています

アボイダブルコストルール@日本通運より
アボイダブルコストルールとは、「回避可能経費」のことで、JR貨物がJR旅客会社に支払う線路使用料のうち、貨物列車が走行しなければ回避できる経費(例えば摩耗によるレール交換費用など)のみJR貨物が負担するというルールです。


しかし特に貨物に関して正式名称西日本旅客鉄道で貨物の運営を行わないJR西日本にとって特に実費しかもらえない貨物輸送の為にコストを払ういわれはないと言う他なく、まして小規模な沿線自治体にとって、例えば東京や大阪などの大都会発着の貨物の長距離輸送の為に負担する謂れも当然ないはずでしょう。

深刻バス運転手不足 続行便出せない、人手不足倒産… 女性&若年層活用へ業界に変化も@乗りものニュース2019/6/8より
 バス運転手(乗務員)不足が深刻です。全国の路線バスで、運転手不足を理由に減便が相次いでいます。高速バスでも、週末に需要はあるのに続行便(2号車以降)を設定できず満席で発売を打ち切るとか、貸切バスでは、遠足シーズンなどに車両はあるのに運転手不足から受注を断るといった例が、多くの事業者で常態化しています。~中略~
バス運転手の平均年齢は49.8歳と、全産業平均(男子)を7歳も上回っています(2017年)。
第118回 トラックドライバーが10年後に27.8万人不足する?@日本生命2019/12/2より
 国土交通省「自動車輸送統計年報」によれば、国内の貨物輸送に占める自動車輸送の割合はトンベースでは9割、トンキロベース(※1)では約5割と大きな割合を占めています。近年、EC市場(電子商取引市場)の急激な発展等に伴い自動車輸送の需要が高まったことで、これらを担うトラックドライバーの不足が深刻な問題となっています。~中略~
 トラック運送業は、中高年層の男性に労働力を大きく依存するなか、ドライバーの高齢化が進んでいます。総務省「労働力調査」によれば、道路貨物運送業の就業者(トラックドライバー)において20~30代の占める割合は減少傾向にあり、2018年時点では3割未満である一方、50代以上は4割を超えています(図表2)。今後は高齢ドライバーの退職等が加わり、ドライバーの不足はさらに深刻化する可能性が高いと考えられます。公益社団法人鉄道貨物協会の試算によれば、2028年度にはドライバーが27.8万人不足すると予測されています(図表3)。
2021年10月から郵便物(手紙・はがき)・ゆうメールのサービスを一部変更しました。@日本郵便より
土曜日配達の休止(2021年10月2日(土)~)
お届け日数の繰り下げ(2021年10月以降段階的に実施)


しかしいざ鉄道が止まった時にその代替を行うバスやトラックの現状は震災から約30年経ち大きく様変わりしています。高速道路の延伸と共に大きく路線を伸ばした高速バスを中心としたバス、分割民営化時、結果的に旅客鉄道から切り離される形となるレベルまで鉄道貨物を衰退させたトラック共にドライバー不足と高齢化で既存サービスすら維持するのが難しい状況に置かれています。不謹慎な話になりますが、そんな中で再び阪神大震災の様な大災害が起き、鉄道網が分断されたとき、1995年の時の様に簡単にトラックやバスが代替輸送を担ってくれるわけではありません。そう考えるとそう言った時のバッファとしてローカル線と言う言葉で語られる今回取り上げられたJR各線を維持する意味は大きくなっています。その一方でコロナでJRはそれを維持する余裕をなくし、そもそも小さなところも多い沿線自治体にその為の負担を行ういわれも無いでしょう。そう考えると多分JR西日本の考える沿線自治体以外のプレイヤーの参画が必要となってくるでしょう。1つは国と東京・大阪・愛知を中心とした大都市などの沿線以外の行政、もう1つはバス等の旅客・日本郵便や楽天などの物流に関わる企業、言うなれば鉄道網と言うインフラの維持に責任を担ってきた旅客鉄道企業JRの負担を分担する体制を作っていく事が必要なのではないかと思います

姫新線から考えるJRの所謂ローカル線の活性化の手段と可能性
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ローカル線に関する課題認識と情報開示について@JR西日本2022/4/11より

さてもし残す前提で考えた時に今の利用状況を見るとどうでしょう。JRの資料から利用者数の推移の部分を抜き出してみました。先に書いた様に1987年比で最もマシな路線で40%減、一番ひどい路線だと98%減と乗客が減少が続いている各線ですが2019年度基準で考えると2019年が最低だった線区は30区間中14区間と実は過半数の路線は2019年段階では最悪の利用状況ではなかったことが分かります。2019年度は2020年2・3月のコロナ期を含むので他の年より利用状況が低くなりがちの中善戦していると言ってよいかもしれません。

姫新線の利用者5年連続で300万人超え 姫路エリアのローカル線、高速化や増発が奏功@鉄道プレスネット2020/6/15より
姫新線は、姫路(兵庫県姫路市)~新見(岡山県新見市)間158.1kmを結ぶ非電化単線の鉄道路線。このうち、たつの市の本竜野駅などを含む姫路~播磨新宮間22.1kmは姫路エリアの通勤通学路線となっている。2009年に新型車両のキハ122・127系気動車が導入され、翌2010年からは高速化工事の完了により姫路~上月間の最高速度が従来の85km/hから100km/hに向上。列車の増発も行わた
JR西日本の公表資料によると、姫新線全体の1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は、JR西日本発足時の1987年度で2211人だったのに対し、2014年度は1500人に落ち込んだが、2018年度は1600人まで回復した。区間別では、姫路~播磨新宮間が2014年度で6778人だったのに対し、2018年度は7377人に増加している。


特に注目したいのは姫新線で4区間中3区間の最低値記録年が2007年で2017~19年の3年間それを上回っている事から2007~2017年に利用者数底上げがなされる出来事が起こったと考えるのが自然でしょう。その1つが姫路~上月間で行われた高速化、2009年に新型気動車投入、翌2010年に高速化工事完了したこの事業の結果上月以東の乗客増加につながりました。
新見市
新見公立大学:2010年開校
県立新見北高校:2007年に県立新見高校に統合され廃校
真庭市
県立蒜山高等学校:2013年に県立勝山高校に統合され廃校
県立落合高校:2011年に県立久世高校と統合され県立真庭高校に
県立久世高校:2011年に県立落合高校と統合され県立真庭高校に


そして津山以西では沿線の高校の統廃合及び、新見市に公立大学が開校した事で少子化の中通学需要が増えたと考えられます。新見・真庭両市にあった6校の公立高校が3校まで減ったというのは驚きを隠せませんがその分高校の統廃合の無かった津山方面への通学が増えた事、また新見公立大学の開校も高校ほどではないにしろ通学需要を生み出したと考えられます。今後も少子化の影響は続いていくと考えられるので、この地域の乗客増加はそういった地域の高校再編を上手く行えば少子化の中での通学需要喚起につながる事を示していると考えられます。そして唯一ボトムが2017年以降になったのが兵庫・岡山の県境を挟む上月~津山間と言う事実は県境が高校進学を考える少年少女にとって大きな壁となっている可能性を示唆します。この壁は津山・新見・真庭と言った県境に近い地域に住む少年少女たちに地域の少子化だけでなく県境と言う壁が選択肢を奪ってしまう事であり、未来への投資と言う意味でもこの壁を下げる制度的、情報的な努力がなされることを祈るのみです。
まとめると乗客増加に成功した姫新線から見える事としては以下になります。
・ローカル線とは言え、乗客流動にあった高速化などの投資を行えば乗客増加につながる可能性が高い(姫路~上月高速化)
・高校の再編や大学の新設を上手く行えば通学需要につながる可能性が高い(津山以西)
・制度等は分からないが現状県境が高校選択の障壁となっている可能性が高く津山・真庭・新見など県境の少年少女の進学先の選択を狭めているので乗客増改善に教育機会の拡大の意味で障壁を下げる必要がある(上月~津山)

そしてこれらは府県を含む沿線自治体のできる努力とも言えます。確かに存続には国など沿線外の存在の力を借りる場面も多いと思いますが、ただ沿線自治体の関係者の皆様には姫新線を巡ったこれらの事は頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。

問われ続ける企業な投げかけた波紋が良い未来を導きますように~まとめ~
JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022概要より
「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」は、福知山線列車事故のような事故を二度と発生させないという決意のもと、原点に立ち返り、安全を追求するために策定しました。
我田引鉄@ニコニコ大百科より
我田引鉄とは、鉄道路線の敷設にあたって地元住民や政治家の介入が行われたことにより、路線全体の価値に悪影響が出ることを揶揄した言葉である。


さて如何だったでしょうか?極力客観的に書くよう心掛けてはきましたが、そもそもJR西日本の株主でもあり決算書ばかり読む鉄オタでもある人間だけにJRよりじゃないかと言われたら返す言葉はないです。また南北はありますが人生ずっと関東に住んでいる人間でもあるので沿線地域の細々とした事情に関してはさすがに理解できているとは言い難いです。
しかし株主として鉄オタとして思うのは国鉄と言う国の機関を引き継いだ企業であり鉄道・交通と言う公共性の高い事業を本業としているだけに、問われ続ける企業だという事です。何かあれば「国鉄だったほうが良かった」と言う意見が出てきます。毎年送られてくる決算資料に書かれている福知山線事故の話はある意味でそれを象徴しているように思います。確かに重大な事故であり、コンプライアンスとしても重大な問題だったとはいえ、15年以上前の事故を語り続けているのは何かを象徴しているように感じます。
特定地方交通線@Wikipediaより
特定地方交通線(とくていちほうこうつうせん)は、「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法」(国鉄再建法)に規定する地方交通線のうち、バス転換が適当とされた旅客輸送密度4,000人未満で、なおかつ貨物輸送密度が4,000トン未満の日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線のことである。


逆に言えばここまでバブル崩壊、阪神大震災、デフレ、リーマンショックと何度も繰り返された逆風の中でも新幹線関連を除くと大規模な廃線を行わなかったのはこの「問われ続ける」会社だったというのが大きかったという事があると思います。ただそれだけでなくもう1つ大きなポイントはJRが出来る前の国鉄時代の「我田引鉄」に象徴される国政との関りがあるのではと思います。言ってみれば魑魅魍魎行きかう国政に介入されたくなかったからこそ簡単に大規模な廃線を言い出せなかったというのも大きな理由ではないかなと思います。またその基準も国鉄再建の議論の際の輸送密度4000人の半分である2000人となっていて、少なくとも名目上国鉄以上にローカル線を粘り強く支え続けてきたという建前をとっています。当然これは債務問題の軽重と言う前提条件の差があっての事ではありますが。
だからこそ当然制度が整っていた事もありますが、「地域公共交通計画」に代表される地域行政との協力関係で乗り切ろうと提起したのでしょう。しかし各県の知事達が反発したように地域行政の財政規模、県境超え路線が多いというJR鉄道の特徴を考えると出来る対応はありますが根本的な解決を考えると難しいと思います。
鉄道好きでこういった制度に詳しい人と話すと出てくるのは福島県が只見線の施設を所有する事で経営改善を図ったのを国レベルでやるために施設を保有し、投資を行う「日本国有鉄道」を復活させる案、いつかこう言った中央政府を巻き込んだ解決案を国民的な議論の俎上に載せる為の問題提起が必要になると思われます。
もしかしたら次にローカル線問題を投げかけるJRが出てきたときにはこの案につながる提案が出てくるかもしれません。
最後に今回のJR西日本が投げかけた波紋が皆がこの問題を考えるきっかけとなり所謂ローカル線と沿線地域に良い未来をもたらす結論を導き出すことを祈ってなりません。