さて2023年12月のランキングです。
1.1993年はもう終わったんだという喝!!~張本・三浦カズ騒動に思う~
2.平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり~兵庫県知事選挙に思う~
3.高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
4.男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか~出生数回復の切り札~
5.令和の大きな宿題その1~親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか~

1位には1993年はもう終わったんだという喝!!~張本・三浦カズ騒動に思う~がなんと記事リリース9年に手初めてトップになりました。2位には兵庫県知事選挙の2候補者の政策を比較した平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり~兵庫県知事選挙に思う~が月末りるーすなのにもかかわらず2位に滑り込みました。3位には高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~が先月に引き続き入りました。4位には男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか~出生数回復の切り札~が7月以来のランクインとなりました。5位には令和の大きな宿題その1~親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか~が先月の1位からランクダウンしました。

さて2024年の年間ランキングです。

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韓国プロ野球を作った英雄が投げかけた宿題を放置したJリーグの未来は@マリノススポーツパーク
10位~7位:10年続く問題をどう解決していくのか
10位 コスパと言う言葉が語るもの2015年9月(3月1位、上半期2位)

10位は10年前作成、2024年上半期2位の記事が逃げ切りランクインしました。

「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い…現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化"@President@2024/3/17

さて背景にはこの記事を書くきっかけとなった熊代亨氏のblog記事があったのですがその2024年版と言える記事が出てきたからと思われます。「年貢の納め時」と言う言葉が象徴するように昔にも結婚のコスパを考える人自体はいたものの最終的に様々な状況から今と違い結婚する男性が多かったというのが私なりの論です。

45歳の独身が狂う説を考える@agora2024/12/7

最近では45歳まで独身でいると狂うという説が出て来ていますが、これも個人的には懐疑的です。2020年段階でも50歳の男性の未婚率は30%近く、今後この割合は維持あるいは拡大していく可能性が高いと考えると少なくとも男性に関しては未婚がマジョリティとまではいかないまでも少数派とも言い切れない状況になるのを考えると「狂う」と言うのは違う様な気がします。この手の脅しの論説が出て来るというのはやはり結婚そのものが制度的に行き詰りつつあり、その解消の為には誰かが傷つく形での思い切った改革が求められるのではと感じています

9位 お金の話外伝~ロスジェネ貧困女性の挽回策はあるか~ 2021年11月(4月5位、11月5位、上半期8位)

9位にはロスジェネ貧困女性の生き残り策として介護の様な人手不足の業界で働き、NISA,iDeCo,年金の繰り下げ受給などのお金に関する優遇策を活用していくのが良いのではと書いた記事が入りました。

税制改正で「イデコ改悪」と不満広がる 65歳で受けられた税優遇が70歳に引き上げ@2024/12/26

この記事で取り上げたiDeCoに関して税制改定でiDeCo一時金の支給受け取りから5年間たつと退職金の税制優遇が復活する制度が10年間絶たないと復活しない形となるとの事で話題になっています。改悪と言える改定だと思いますが、一方でこの改定で導こうとする方向性は「70歳まで働いてほしい」と言うのが見て取れそうです。

退職金は「2000万円」! 課税が見直されると「手取り」はどのくらい減る? 老後設計への影響も解説@ファイナンシャルフィールド2023/8/12

また実現こそしていませんが2023年には退職金の控除の拡大が話題になっている事を考えると、退職金にあまり多くを求めると、足元をすくわれる可能性が高いという前提で考えていった方が良さそうです。

8位 令和の大きな宿題その25 即決を避けるべき時代~ポストコロナ・インフレ時代に思う~ 2023年12月(1月3位、2月4位、3月3位、8月1位、上半期6位)

8位には昨年末に書いた今年度の予測に関する記事が入りました。

令和の大きな宿題その28 分断を乗り越える橋~アメリカ大統領選挙に思う~

世界的には今年一番の予想外の事象はトランプ大統領の再選でしょうか?2016年の時とは違い、ロシアとウクライナをはじめ様々な戦争にフォーカスが当たっている状況と言うのは興味深いところです。コロナ後でありロシアウクライナ戦争の激化でインフレが起こった関係で国民・市民に様々なフラストレーションが積み上がり、所謂西側諸国で政治的不安定になっている事を考えると来年も状況を慎重に見極め、即決を避けるべき時期は続いているのではと感じています。

7位 1993年はもう終わったんだという喝!!~張本・三浦カズ騒動に思う~ 2015年4月(6月2位、7月3位、12月1位)

7位にはこれも10年前の記事、張本勲氏が当時J2でプレーしていた三浦カズに対してTV番組で「喝」をして炎上した事件をきっかけに書いた記事が入りました。

今年は「税リーグ」と言うJリーグの蔑称がよく聞かれました。スタジアムや練習場に関して地域の行政の負担が多い事を揶揄したネットスラングですが、このスラングを聴くたびに10年前の張本氏がたんに三浦カズ選手だけでなく、サッカー業界全体に「世界でもTOP10に入るプロ野球リーグを作った男」として「喝」を入れたのではないかと言う思いが強まりました。張本氏の騒動があった10年前でも新規観客が入ってこない事による観客の高齢化、チームの赤字など現在に続く問題が顕在化し、そしてその問題が新型コロナなどもあり解決しないままそれまで陸上競技場を共有しているケースの多かったスタジアムをサッカー専用で建設する際の行政の負担の多さに関する地域との軋轢が昨年目立ってきたというのは相当厳しい状況です。今年は出来ればまたJリーグについても書きたいところですが果たしてどうなるやら。

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イトーヨーカ堂は復活できるのか@ベルモール
6~4位:弱者女性とイトーヨーカ堂の苦境
6位 平成の終わりに考えるその1~女性の社会進出と8050問題~ 2018年3月(9月1位)

6位には札幌で起こった母娘孤立死事件から書いた記事が入りました。これも7年前の記事になります。

ジェンダーギャップ指数の読み解き方(2024年版)

この記事では毎年そのランキングが出るとちょっとした騒ぎになるジェンダーギャップ指数の話も書いているのですが、昨年はジェンダーギャップ指数の低さ=女性の努力不足と言う部分をきちんと綿密に書くblog記事が出てきて少しびっくりしました。本来ならアカデミーポジションの人が1つの理由として挙げる必要のある個所だと考えていたのですが、市井の人が綿密に調べこみアカデミーポジションにいる人と遜色のない論説が出て来るのがだんだんこのジャンルでは習いになっていて今年はアカデミーポジションの人間の責任も含めてより突っ込んだ議論がなされそうな気がします。

5位 令和の大きな宿題その18~中高年独身女性の貧困問題を整理する~ 2022年12月 (6月4位、9月3位、上半期3位)

5位には女性の貧困に関してまとめたこの記事が入りました。

平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり~兵庫県知事選挙に思う~

この記事が書かれた時期くらいまでは中高年貧困女性の問題は比較的政治的に重要なトピックだったのですが2024年はそれが後景にかすんでいった一年ではなかったかと思います。中高年貧困女性の問題が解決したからと言うよりも、これまで様々な施策を行ったうえでの結果と考えると貧困男性同様の扱いで良いという方向に近づいているのかなと感じます。とは言え貧困男性の問題も含めて解決・緩和は必要ではあると思いますので何かしら情報発信は行っていきたいとは思っています。

4位 令和の大きな宿題その26 イトーヨーカドーの苦境があらわす経済圏の時代 2024年2月 (2月2位、4月3位、10月1位、上半期3位)

4位にはイトーヨーカ堂の地方店舗の大規模な閉店をきっかけに書いた記事が入りました。

京急電車乗車ポイントについて少しまとめて見る

他サイトの記事ですが京急をはじめ2024年は大手私鉄の多くが乗車ポイントを導入しました。これは鉄道乗車時運賃の一定割合を私鉄各社のスーパー百貨店などで使えるポイントとして付与したり、逆に私鉄各社のポイントをPASMOにチャージできるようにするといった施策で、ある意味で鉄道から小売りその他がポイントで一気通貫でつながる事でシナジーを目指す施策なのですが、イトーヨーカ堂に関してはスーパーをはじめとする個々の業種の収益性は悪くないものの、ポイントやカード、銀行などを軸としたグループ全体で収益を上げていく体制が弱い事で現状に繋がっているのではと言うのがこの記事の趣旨です。比較対象のイオンはこの辺の金融を中心としたグループ化が上手かったのが個々の収益性で決して上回っていない中でも大規模な閉店と言う事象に繋がっていないのではと分析しています。

【2024年問題】スーパーで品切れが増える? 配送業者の働き方改革 「特売の頻度が減る」可能性も@カンテレ2024/4/17

昨年もそうですが、今年も引き続きインフレや物流の問題を考えると規模による供給力の重要性も増してきます。少なくとも現段階で日本最大の流通グループであるセブン&アイに挽回のチャンスは十分にあるとは感じますが、昨年同様閉店が続くとそれも危なくなってくるのも確かで今後も注目したいところです。

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3位:選挙の一年
3位 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~2024年7月 (7月1位、11,12月3位)

今年、特に下半期は注目される選挙が多い1年でした。衆議院選挙、東京都知事選挙、兵庫県知事選挙など大規模な選挙で予想外の結果が出て注目されました。

石丸伸二は劣化版蓮舫なのかもしれない

特に2つの首長選挙は都知事選挙では野党第一党である民進党党首経験者の蓮舫候補が前安芸高田市長の石丸伸二氏の後塵を拝し、兵庫県知事選挙では所謂パワハラ疑惑があり、県議会で全会一致で不信任された斎藤知事が再選されました。その中でx等のSNSやYoutubeの切り抜き動画などのネットの影響の大きさが注目されました。

稲村和美はなぜ負けたのか~兵庫県知事選挙雑感~

個人的にはネットの影響がなかったとは思いませんがそれに加え2つの点がこの2つの選挙に影響を与えたのではと思います。1つはリベラルの女性候補バブルが崩壊した事、これは都知事選挙の蓮舫氏、兵庫県知事選の稲村和美氏を見るとわかります。彼女たちは確かにリベラル系の固定層の支持は得られたかもしれませんが、その外の支持を得る事に関して適切な行動をとれず石丸、斎藤両候補の後塵を拝した訳です。一方女性だからダメではないというのは都知事選で女性候補である小池百合子知事が当選している事からも見て取れます。

石丸伸二が奏でる令和日本のヒルビリーエレジー
平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり~兵庫県知事選挙に思う~

そしてもう1つは政策の重点を置く対象が女性から若い世代に移った事、この事はネット戦略と連動して石丸、斎藤両候補は30代以下の若い世代を中心とした支持層をつかむことに成功しました。そして重要なのは兵庫県知事選挙では対立候補の稲村和美氏も同じ方向の政策を打ち出している事です。2025年の首長選挙では若い世代の教育を重視した政策を出す候補が増える反面、ジェンダー系の政策は後退していくのではと感じます

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中高年独身女性が実家を出る日
2位 貧困女性予備軍200万人の時代
2位 令和の大きな宿題その1~親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか~ 2020年1月 (5月1位、6月3位、7月4位、8月5位、9月2位、10月5位、11月1位、12月5位、上半期5位)

2位には実家から出られない貧困女性予備軍とも言える中高年女性の人数を試算した記事が入りました。

「男性中心社会」が生んだ高齢単身女性の貧困 自己責任ではない問題@朝日新聞2024/3/11

5位の記事にも共通する問題ですが、これまでの高齢者は男女雇用機会均等法以前でさすがに自己責任とは言いづらいものの、均等法世代以降、政治的にも経済的にも様々な投資がなされた世代を同じように扱うのは難しくなってくるでしょう。

平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり~兵庫県知事選挙に思う~

実際政治的には女性向けの政策を縮小する志向が出て来ています。9位の記事はある意味でそう言った時代での彼女たちへの処方箋のつもりで書いていますが、政治が彼女たちへのスタンスをドライにしていく時代こういったアプローチをどれだけ増やせるかは大きなポイントになってくると思います。



1位 フローからストックが重要になる時代
1位 お金の話その5~復活する金利が問うもの~ 2023年10月 (1月2位、2月1位、3月2位、4月1位、5月3位、6月1位、7月2位、上半期1位)

1位は一昨年後半に金利復活の傾向が出てきた際に書かれた記事が入りました。下半期は伸び悩んだん感がありますが上半期の貯金で逃げ切ったという感じでしょうか?

所得税は働く人の給与からの税金と言えない時代を迎えつつある

さて記事の内容は金利が復活する事で住宅ローンの負担が重くなり、政治は財政を重視し、極端に言えば「地方から一生懸命勉強して都会の名門大学を卒業して大企業の就職し、通勤圏に新築不動産を購入する」ような人に逆風となる反面、実家暮らしなど家やクルマの費用を抑えて資産、特に現金を持つ人に有利な社会となるというものです。加えて注目したいのは2010年代末には源泉所得税の内訳の4割が株の配当などからの分離課税によるものとなっていて、国としてもかつてよりも稼ぐ人を重視する理由が減じている面も注目したいところです。言って見れば今起こっている変化はフロー強者からストック強者に経済的な主役が移ってきている事なのかもしれません

如何だったでしょうか?2024年はnoteでの記事が増えた1年でもありました。2025年の年間ランキングではもしかしたらnote,blogの混合ランキングとなっているかもしれません。それでは本年も本blogおよびnoteをよろしくお願いします。