
地方都市の公共交通の可能性を示した宇都宮LRT
【速報】ガソリン価格190円台に 史上最高値を更新 前の週から29円値上がり 上がり幅も過去最高より
中東情勢が悪化するなか、ガソリン価格は史上最高値を更新し、190円台です。
資源エネルギー庁が発表した16日時点のレギュラーガソリンの全国の平均価格は、1リットルあたり190円80銭となりました。
値上がりは5週連続で過去最高更新です。
前の週から一気に29円も値上がりし、上がり幅も過去最高で、平均価格として初めての190円台となりました。
中東情勢の悪化で石油元売りの卸売価格が値上がりしていることが要因です。
調査した石油情報センターは来週以降のガソリン価格について、政府の補助金の支給がはじまり値下がりが見込まれるものの、170円台になるには1〜2週間かかるのではないかと見ています。
さてガソリン価格が過去最高初のリッター190円台となり政府は補助金の支給を行うようです。
2008年のガソリン価格高騰がもたらしたもの

ガソリン価格の推移@新電力ネット
リストラの時代~ガソリン価格185円に~より
[ガソリン価格]最高値更新185・1円 卸値引き上げ響く@毎日新聞8/6
またしてもガソリン価格が値上がり、最早月初めの恒例行事と化しています。ただしこれまで月10円/lペースで上がっていたのに比べるとややペースダウンとしたのは不幸中の幸い…
ガソリン価格高騰と言うと思い出すのはリーマンショック前、今回の最高値更新前の最高値は昨年8月と言われていますが、令和インフレ前のガソリン最高値で思い出すのはリーマンショック前の2008年、この際の冷ややかな態度も1因となり政権を失った経験のある自民党にとってはデリケートな状況、故に即補助金支出を決めたのでしょう。

第6回東京都市圏パーソントリップ調査報道発表より
さてこの年と10年後2018年に行われた首都圏の移動の大規模調査東京都市圏パーソントリップ調査では2008年に初めて自動車の移動量、シェア双方が減少しました。そして注目したいのはその後ガソリン価格が低下した2018年に行われた調査でもその傾向は継続した事です。
blogを中心とした2010年代前半までのネットがもたらした大都市圏独身男性の資産形成の為の脱クルマ

自動車の維持費は年間いくら?費用内訳や安く抑える方法を解説|mycard|三菱UFJニコスより
さてなぜこのような現象が起こったのでしょうか?一言で言えばガソリン代は分かり易いがクルマを保有するコストの小さな一部でしかない、それが大きいと考えます。
上はカード会社の三菱UFJのニコスによる車維持費の試算です。仮に小型自動車を年利2%の5年ローンで購入した前提でシミュレーションすると
維持費:年44~53万円(48.5万円と試算)
ローン返済額:41.5万円(年利2%、5年ローン)
合計:85.5~94.5万円
ガソリン:9.5万円
こうして見るとガソリン代の負担はクルマ関連の支出の1割ほど、確かにガソリン価格の高騰は厳しいもののわずか1割、確かに上がった際の負担感は強いものの、安くなっても改善される負担は大きいものではない、そしてクルマのコストの高さへの意識だけは残る、だからこそガソリン価格が下がってもクルマ離れは止まらなかったのでしょう。
アレ?貯金が1000万超えてる…ゆるく生きる暮らし@Hatena::AmorphousDiary2014/11/6より
車を持たない
車の維持費を、駐車場代まで含めて、冷静に考えてみてください。軽自動車でも月々4〜5万はかかるはずです。
そしてその事は2010年代前半まではやったblog等ネットメディアで静かに確実に共有される事になりました。上は12年前に「年収260万円で貯金1000万円を貯めた」事で話題になったちるど氏のblog貯金1000万円の主要な原動力として実家住まいと共に「車を持たない」事は大きく語られています。

単身・2人以上世帯の資産額推移@家計の金融行動に関する世論調査より作成
そしてちるど氏自身も少なくとも当時は独身でしたが、この「資産形成の為の有効手段として車を持たない」と言うやり方は主に都会の独身男性に共有・実践されたというのが個人的な見解になります。上は金融広報中央委員会による資産状況の調査結果から作ったもの、2008年以降単身者、2人以上の世帯共に資産100~1000万円の層が減少しているのが見て取れます。しかし資産1000万円以上の単身者が増加を続けたのに対し、2人以上の世帯ではやや減少傾向にあるのが見て取れます。
コロナ禍以降のYoutuberによるネットメディアの大規模化は既婚者と地方都市在住者を動かすのか
【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学【電子書籍】[ 両@リベ大学長 ]P118より
車の必要性を見直そう
車は買うな!買うなら中古!
そしてコロナ禍以降ネットの主役が動画に移り、多くの職業Youtuberが現れ、独身男性の閉じた中での知識になりがちだった「資産形成の為の有効手段として車を持たない」が広がっていく事になります。上は登録者数700万人のYoutuber両氏の140万部もの大ヒットをした著作からの引用、「車は買うな!買うなら中古!」と言う古くからの資産形成の知恵が数百万人に一気に広がった事になります。そう考えると今後これまでそこまで言われなかった2人以上の世帯や、地方でも比較的公共交通の残っている有力な地方都市でも様々な試行錯誤が始まるのではと考えます。

HONDA工場前にある宇都宮ライトライン芳賀高見沢工業団地電停
宇都宮LRT、累計利用者数1000万人 想定より6カ月早く達成@日経新聞2025/8/20より
次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)」を運行する宇都宮ライトレール(宇都宮市)は20日、前日の19日に累計利用者数が1000万人に達したと発表した。2023年8月26日の全線開業から2周年目前の725日目で大台到達となった。当初の予測より約6カ月早いペースで達成した。
宇都宮LRTが好調です。利用者は1日1.3万人を超え想定以上の利用されている様子が報道されています。

停留場ごとの乗降客数の推移を公表します(対1月比)@宇都宮ライトレール株式会社
実際利用者数を見ると平日は始発ターミナルの宇都宮東口に次ぐのが終点芳賀高見沢工業団地電停、HONDA工場へのアクセス電停で実に3000人以上の利用があり、通勤での利用の多さを浮かび上がらせます。
各駅時刻表@01宇都宮駅東口2026/4/1~
細心の時刻表を見ると日中は12分毎の待たずに乗れるダイヤ、5時~23時代の幅広い時間帯の運行とさすがに大都市に比べるとやや劣るものの通勤ニーズに十分対応したダイヤとなっています。週5日の通勤が公共交通で対応できるのなら残り週2日なら例えば2人以上の世帯なら家族の、単身者なら商用のカーシェアなどでクルマの保有が1台減らせると思います。
そして1台減らせるならそれこそ上の維持費、ローン返済額年90万円、月7.5万円これは大きい
貸与奨学金 返済に苦しむ社会人 「無理ゲー」「生きるのがしんどい」…「取り立てが怖い」との声も@東京新聞2022/8/12より
大学進学率が上昇している。昨年度は短大含め約60%で、30年で20ポイント以上アップした。大学設置数も昨年度は803校(うち私立は77%)で、30年で35%増に。大学に進む学生は増えたが、学費は高騰している。年間授業料と入学料の合計平均(16年度)は、国立が約82万円、私立は約113万円。30年間で国立は2倍、私立は1.5倍になった。それにもかかわらず親の賃金は上がっていない。奨学金に頼らなければ、大学には行けない状況が生まれている。
例えば現状大学進学率が大きく上がり過半数を超えました。大学に行くのが当たり前の時代に奨学金の返済負担が若い人の人生に大きく影を落としています。それを考えると「子供の大学進学で奨学金に依存させないためお金を貯めておきたい」家庭は多いと思います。その際に「通勤をクルマから公共交通に移行させる」と言うのは有効な手段として今後注目されると思われます。ややとは言え2人以上世帯の資産1000万円以上の割合は減っている事を考えると猶更です。
富山県高岡市と栃木県足利市に見る地方都市の公共交通と言う資産の貧富


人口10万人台の都市でも~路面電車を維持する高岡市@万葉線(上)一般的な路線バスの撤退した足利市(下)
そう考えると今後地方都市においていかに「通勤に使える公共交通」をどれだけ確保し、維持・拡大の為にどれだけ投資出来るかは意外に大きく差が付き重要になっていくのではないかと思います。例えば上はそれぞれ人口10万人台の富山県高岡市と栃木県足利市を写した1枚です。人口10万人台でも路面電車を残し新車投入など投資を行った高岡市と路線バスが撤退し市のバスとして最低限の運行に留まる足利市と言う構図です。
下り時刻表(高岡駅→越ノ潟)@万葉線株式会社
路線バス時刻表@足利市
時刻表を見るとその差は歴然です。日中15分毎平日終電が23時の高岡市の路面電車万葉線と系統自体はそれなりにあるものの各系統が日に数本の足利市のバスと言うのは大きな差です。
【3980円以上送料無料】金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学/ロバート・キヨサキ/著 白根美保子/訳より
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく
言うなれば車を手放し個々の家庭にお金を入れてくれる存在としての地域の資産である公共交通の貧富が左右する場面が増えるのではないかと思います。
地域の知も問われる公共交通投資

高崎市に新設予定の豊岡だるま駅近辺を走る信越本線211系
そしてもう1つ重要になってくるのは公共交通への投資になると思います。例えば群馬県高崎市では信越本線で新駅豊岡だるま駅の開業が予定されていて当blogでも取り上げました。
赤字鉄道路線旅客輸送活性化策らしきもの外伝 その2:高崎経済大学の最寄り駅信越本線豊岡新駅を考える
そしてこの記事では地元高崎市立大学高崎経済大学教授陣による手間暇かかった駅設置へ向けた提言も取り上げました。
信越本線北高崎・群馬八幡間への 新駅開設可能性調査報告
実は宇都宮のLRTでも地元国立大学の宇都宮大学の教授陣がブレインとして活躍したというのは知ると人ぞ知る話ですが、どうしても大規模・複雑化しがちな公共交通投資では需要や効果の予測、コンセンサスの為の住民への説明などを考えると地域の知も試される場になります。それでもこれからの時代「通勤に使える」公共交通の充実は地域の人達に「車を1台減らして使える資産を増やす選択肢を提供する」と言う意味は大きくなってくると思います。
まとめ
如何だったでしょうか?確かに今起こっている石油関連製品の価格上昇は経済にも生活にも厳しい逆風です。ただ故に「逆風をきっかけに生活を地域を変えるチャンス」と言う視点があっても良いのではないかと思います。








