前田敦子AKB卒業

 AKB48は「新しい顔」探しの新局面に突入する。昨年の選抜総選挙では前田敦子が13万9892票で1位、2位の大島優子が12万2843票。その順番通りなら、前田が抜けた後は大島が顔となるが、事はそう簡単ではない。

 大島自身が選挙後、自らの敗戦の悔しさをかみしめながらファンに向けて「あっちゃんはAKBの顔」と強調したように絶対エースには特異な資質が求められる。

 AKBの初期に秋元康氏が前田をセンターに選んだ理由について、関係者は「秋元さんは前田が最もセンターっぽくないからセンターにしたのだろう。大島の魅力は分かりやすいが、前田はみんなが謎だと思う。イヌとネコに例えるならば、前田はネコのような存在で、だからこそ人の興味を引く」と説明する。そんな前田の不思議な魅力がAKB躍進の原動力のひとつだった。

 「ポスト前田」について、関係者の一人は昨年末の段階で「正直なところ、現時点では主要メンバーの中にいるとは思えない。もし、いるとすれば世間的にはまだ無名のメンバーではないか」と話していた。しかし、前田自身が「後輩のために」と卒業を発表したことで状況は変化するとみられる。

 昨年12月の「AKB48紅白対抗歌合戦」の中で「次期エース候補」と紹介されたのが渡辺麻友(18)とSKE48の松井珠理奈(15)。「渡辺は2月のソロデビューで勢いづいたし、珠理奈がAKBのチームKに入るのはエース育成の過程という側面もある」(関係者)。さらに、ダークホース的存在としては、劇場公演デビュー前からグラビアなどに登場している光宗薫(18)=13期研究生=もいる。

 いずれにしても、次の総選挙が「顔」探しの試金石になる。