ホームズ・ドイル・古本 片々録 by ひろ坊

ホームズやコナン・ドイル、ミステリーを中心にした古本についての紹介や身辺雑記の話。

帯の色々(2)―分類は科学の本質である(T.H.ハックスリー)。

img134img144 img133 帯(本の)を付けたまま読むとか、あるいは邪魔にならないようにとってから読むとか、はじめから捨ててしまうとか、帯の扱いは人によってさまざまのようだ。なかには、帯だけキチンとファイルして保存している、という帯好きなコレクターもいるという。僕なんぞ、昔は(せっかちだったから)帯をすぐ捨ててしまった。古本道に迷い込んでからは、できるだけきれいにとっておく。古本は発売された時のままの状態のものを収集するのが、どうやらその道の極意のようだから。値段も帯付やカバーつきになると裸本とは桁が違ってくる。以前、ネットで拝見(!)したダストジャケットのついたThe Lost Worldのアメリカ版初版(?)などは、数十万円もするのだから驚いたねえ。

  海外の書物には帯はない。日本のように帯付だと、それを想定して装丁されているから、帯をとると中途半端なデザインになってしまうものもある。こんなややこしい帯などというものをいったい誰が考えたのか調べてみた。紀田順一郎氏のサイトによると、大正3年に東雲堂から刊行された阿倍次郎『三太郎の日記』がはじめらしい。白帯に、ただ緑色の字で「読め!」。実に簡単・明瞭。つまり、帯は本の宣伝・販促用に使われたのが始まりである。芥川賞にしても「文藝春秋」の販促用に菊池寛がひねくりだしたアイデアである。出版物の不況が言われて久しいが、昔から本を売るのには皆、苦労したのだ。

  古人の苦労を忍びながら、今回、帯付の本(文庫中心)を紹介することにした。以前にもやったが、今回は手元に置いてあるなかから選んでみた。そうしているうちに気が付いたことがある。帯をよく観察すると、いくつかのパターンに分類できること。観察し比較(分析)し分類する――これはあらゆる博物学のみならず科学の本質である、と言ったT.H・ハックスリーの言葉を思い出した(シャーロック・ホームズの科学的思考もこの原則にそっている)。その意味では、僕のこの帯の分類も科学的な作業(?)である。新しい帯を見つけると欣喜雀躍するのも、昆虫採集家が新種を発見した時と同じだから?――そんなことを夢想しながら、帯を分類してみた。

●簡単明瞭型(寫眞上・左から) 
1、ポアンカレ・吉田洋一訳『科学と方法』(岩波文庫、昭和2年9月15日、第二刷)=帯の「3005」は整理番号。書店の陳列と補充に便利なように番号を大書している。簡単明瞭なデザイン! 尚、訳者の数学者・吉田洋一はホームズファンでホームズに関する随想も多い。
2,鈴木幸夫訳『全訳 シァーロク・ホウムズの回想』(角川文庫、昭和32年2月20日、5刷)。表紙の印象が薄いためか、赤い帯でインパクトを与えている。定価は100円。経済白書が「もはや戦後ではない」と表現した年に発行された。
3、イアン・フレミング・井上一夫訳『ムーンレイカー』(創元推理文庫、1964年10月23日、8刷)。ご存じ、007号シリーズ。帯も単純「007号シリーズ、大増刷出来!」というキャッチとジェームズ・ボンドの寫眞。3月に発行されて10月には8刷だからいかに人気があった想像できる。J・F・ケネディ大統領愛読書ということでも評判を呼び、さらにショーン・コネリー主演の映画で人気爆発。映画とのタイアップ型の先駆か? 白いワイシャツに黒の細い編みタイ、ポケッチーフは白いチーフを細く長く入れるTVホールド(今、流行の)――というボンド・スタイルのセンスの良さ!服装は真似てみたけれど(当時)、顔とスタイルは真似られなかったね。酒は、ウオッカ・マテーニ。ステアしないでね、なんてバーテンに頼んで粋がって飲んでいた、昔がなつかしい?

img151img162img145 ●新訳刊行型

1、大久保康雄訳『シャーロック・ホームズの冒険』(ハヤカワ・ミステリ文庫、昭和56年6月30日)。帯には「シドニイ・パジット挿絵付、=新訳決定版=」と大書してある。
2、日暮雅通訳『新訳シャーロック・ホームズ全集 緋色の研究』(光文社文庫、2006年7月20日)。「不滅の名探偵、完全新訳で甦る! 永遠の名コンビ誕生!」。
3、深町真理子訳『シャーロック・ホームズの冒険』(創元推理文庫、2010年2月19日)。「シリーズ新訳刊行開始! 『ボヘミアの醜聞』『赤毛組合』『まだらの紐』など12の名品を収録。永遠の名探偵、第一の事件簿」
 
img146img147img167  ●内容説明型(予告編型)
*本の内容についてのキャッチフレーズが書かれている。大きな字だと遠視の高齢者には便利である。
1、R・ギャリック−スティール:嵯峨冬弓訳・島田荘司監修『コナン・ドイル殺人事件』(The House of the Baskervilles.南雲堂、2002年10月4日)。「イギリスの世界的推理作家コナン・ドイルの暗部を抉る! 名作『バスカヴィル家の犬』は盗作か! 気鋭の英国作家渾身の書き下ろしノンフィクション!」。『バスカ』は盗作か!???なんて言われると、分かっていても目を通したくなるねえ。
2、ローリー・キング:山田久美子訳『シャーロック・ホームズの愛弟子 疑惑のマハーラジャ』(The Game.集英社文庫、2010年2月25日)。 「『ホームズ・ファン(でなくとも)読むべし』新保博久。1924年、大英帝国総督監視下のインド。24歳のメアリと夫・名探偵ホームズは奇術師に扮し、行方不明の男を捜索する。ニューヨーク・タイムズ大絶賛!『知的なカップルの生き生きした冒険談』」。新保博久氏とニューヨーク・タイムズの推薦付き。それに表紙の絵につられて、ついつい買ってしまった。
3、コナン・ドイル:北原尚彦・西崎憲訳『ラッフルズ・ホーの奇蹟 ドイル傑作集5』(創元推理文庫、2011年12月22日)。「善意の錬金術師現る=稟性のストーリーテラー コナン・ドイルコレクションァ甓奮悗領呂楼梁腓?」。『ラッフルズ・ホーの奇蹟』は、物質主義に疑問を投げかけた小説。ドイルの思想がうかがえる作品として一読をおすすめしたい。

img128img131img130img129 (2)  ●フェア告知型(復刊フェアなど)

  絶版になった本を復刊させたことを知らせる帯。戦前戦後、一度絶版になったものを読みたいと思っても、国会図書館にゆくか(ただし帯はなし)、あるいは古書店で購入しないと読めないものが多い。たまに目録に出ていても高価で買えない、ことが多いので岩波文庫の復刊は助かる。
1.ジョン・ガードナー:宮 祐二訳『犯罪王 モリアーティの生還(下)』(講談社文庫、昭和54年2月15日)。帯には「講談社文庫、推理・SFフェア ●江戸川乱歩賞受賞作を網羅!●トリプルプレゼント実施中」とある。上巻の帯は下巻と違い、内容の説明になっている。
2、バロネス・オルツィ:山田辰夫・山本俊子訳『隅の老人』(ハヤカワ・ミステリ文庫、昭和61年9月30日、5刷)。「秋、センチメンタル、ミステリ。ℏハヤカワ文庫 ミステリ・フェア」。しゃれた惹句である。解説(山田)によると、オルツィのフルネームは、「エムマ・マグダレーナ・ロザリア・マリア・ヨゼファ・バーバラ・オルツィ・バーストウ」というそうである。
3.コナン・ドイル:瀧口直太郎訳『失われた世界』(創元推理文庫、1991年4月12日、25版)。「創元推理文庫 復刊リヴァイバル フェア、この機会を逃すと2度と手に入らない? GARND FAIR ’91」。この惹句に魅かれて本書を(当時)買ったわけではないが、現在、この帯付はあまり見かけない。
4.ロバート・L・フィッシュ:深町真理子・他訳『シュロック・ホームズの冒険』(ハヤカワ・ミステリ文庫、1991年9月30日 7刷)。「ハヤカワ・ミステリ文庫創刊文庫、15周年記念フェア オールタイム・ベスト!」。帯の文句に異論はありません。なお、初版は1977年。横田めぐみさんが拉致された年である。

  まだまだあるので残りは次回に――。
  
神保町は、帯の新種を探す絶好の場所である。昆虫採集家にとっての森や林や野原と同じだろう。しかし、近頃、神保町も森や林が少なくなり新種がなかなか採集できなくなった。哀しくありませんかね。ご同輩!!

 とんぼつり今日はどこまでいったやら(加賀千代女)

(つづく)

アプトン・シンクレア『砂漠の夜の夢ー世界第三次大戦の恐怖』

img155img154 (2)  さて。
  横田順彌氏が紹介していたアプトン・シンクレア(1878〜1968)の未来戦争小説について――。アプトン・シンクレアは、社会主義の立場から、アメリカの資本主義と闘い、水爆・原爆による戦争防止のために生涯戦った小説家で、100冊に近い本を書いたという(前田河広一郎訳『本町通り』を書いたシンクレア・ルイスと同じような名前なので間違えやすい)。左の本『砂漠の夜の夢ー世界第三次大戦の恐怖ー』(並河 亮訳、日月社、昭和32年11月10日)には、『敵も持っていた』(The Enemy Had It Too), 『砂漠の夜の夢』(Limbo On the Loose−midsummmer Night Dream)の二編が収録されている。これらは、彼が75歳で水爆問題に取り組んだもので、前者は三幕の戯曲。横田氏が従来の未来戦争小説とは趣を異にした興味深い作品」で、「核戦争、核兵器に対するその痛烈な風刺批判、警告を見るかぎりにおいて、戦後型未来戦争小説の系譜からはずしては考えることはできない」と評価している。この小説の概略はこうである。

  時は**年。医療に必要な薬草を探すために、ロックフェラー研究所から南米オリノコ河岸辺のジャングルに派遣された植物学者エンゼル博士の家族は、15年後にニューヨークに帰ってくる。ところが、ニューヨークは、核戦争と猛毒の死の灰のため廃墟と化していた。残っていた人間もいたが、狂人やギャングといった悪人ばかり。そこへ北欧から逃れてきた家族とで会う。どこへ逃れたらよいか途方に暮れている2家族の前に、宇宙艇が降りてくる。その宇宙艇は、第三次世界大戦が始まる前に火星探検に出発したハリー・S・トルーマン火星探検隊(HSTM=エステム)だった。地球上には、もはや生きる場所はないと判断した探検隊とエンゼル博士らは、高度な文明を持つ火星人が住む星へと飛び立ってゆく⋯⋯⋯。

  「科学者と、武器製造業者と、それに結託した政治家共」が核戦争によって人類を抹殺してしまう、という強烈な批判とユーモラスな空想(火星に住む娘はみな美人ばかり⋯⋯)が入り混じった近未来SFである。『猿の惑星』など、核戦争後の世界を描いた映画も多いが、それらの先駆的な小説といえよう。「敵も持っていた」というのはもちろん核爆弾のことである。火星探検隊の名前にトルーマン大統領の名前を付けたのも、原爆投下を命じた人間への皮肉だろう。

  この戯曲のなかで作者は、エンゼル博士にこんなことを言わせている。

  人間は豊かな文明をつくりだしたが、その一方で競争がうまれ、国民同志がいがみ合うようになった。そういう国民から成り立っている地球上の人類は、他の国民や集団がやることに恐怖や不安を感じ始めた。そこでさかんに武器をつくりはじめ、いろいろな武器が生まれた。戦争が新しい武器をつくり新しい武器が戦争を生んだ。その結果、史上最大の恐ろしい戦争(第一次世界大戦のこと)が起きた。戦争が終わると、何百万の戦死者の墓の前で、もう二度と戦争はしまい、と誓い合った。ところが、国民の支配者が権力欲からまたぞろ武器をつくり戦争の準備を始めた。話し合いですむ争いを武器によって解決しようとする輩が大勢出てきて大量の武器生産を始めた。そうなると、「自分の国を防衛するのだ」といってお互いに相手を侵略国に見立ててさかんに武器を作り始めた。その結果、前よりももっと大規模で悲惨な戦争が始まり、それはアジア諸国をも巻き込んだ。幾千万の人が殺され、日本には原子爆弾が落とされ、「未曽有の世界戦争」は終わった。戦争が終わったとき、敵も味方もヘトヘトになり、もう無駄な戦争はやめよう、絶対に第三次世界大戦など起こしてはならない、と誓い合ったのもつかの間、講和会議が終わったころには、次の戦争の準備を始めた〜


  アプトン・シンクレアが書いたこの件を読むと、今現在の世界のことを書いているように思える。シンクレアの予言はかなり適確、深刻。日本の「エイブ」首相も防衛費をさらに増やし始めた〜〜。

  ご覧のように本書(寫眞上・右)にも帯がついている。帯には――

  「これは第一次、第二次世界大戦を適確に予言した世界的文豪アプトン・シンクレアの再度の恐ろしい第三次世界大戦必至の予言の書である。そして戦争の惨禍を喰いとめんとする予防書でもある。/砂漠の中から、アメリカ文明に原水爆文明に鋭い批判と激しい闘争をおくるこの作品は、現在アメリカでは出版することが不可能になつている。
米本国出版禁止の書‼」 

⋯⋯とある。アプトン・シンクレアの予言通り、米ソ冷戦が極限に達した「キューバ危機」(1962<昭和37>年10月)の時、池上線・五反田駅のプラットホームで、僕は空を眺めながら、もうそろそろ核ミサイルが飛んでくるころだろう、と心底から恐怖を感じた。現在、日本は核兵器の原料になるプルトニュウムを約48トン(世界中にあるプルトニュウムの約1割にあたる)もっている。これだけあると、核爆弾およそ1、350発できるという。現在の日本の高度な技術からすれば、(その気になれば)核兵器をすぐにでもつくれるーーという意見もあるのだから、帯を解いて〜などと呑気なことを言っている場合ではないのだけれど〜。

  上の寫眞の左は、火星探検隊のイラスト。しかし、これはシンクレアの本の挿絵ではない。児童向けの雑誌『学習画報』(昭和34年12月号)に掲載された特集「人類のあゆみ 最終回、21世紀の世界」のなかの「火星探検がはじまる」の挿絵(一部)。この特集に載っている船やロケットはすべて原子力エネルギーを使用している。原子力の平和利用という掛け声で始まった日本の原子力政策の結果は、ご存じのとおりである。

(つづく)

帯の色々――まずは島崎博編集『幻影城』

img126  3カ月に一度、池袋の眼科にコンタクトレンズの検診にゆく。なにせ、乱視用コンタクトを付けた上に、眼鏡で遠近を矯正するという厄介な眼である。この眼科の
⋯⋯と書いたところで思い出した。潜水艦の映画『眼下の敵』(1957、アメリカ映画)。米駆逐艦(艦長ロバート・ミッチャム)と独潜水艦(艦長クルト・ユルゲンス)の死闘を描いた傑作である⋯⋯近くに古書店がある。以前は、神保町にあったが池袋に越してきたという老舗。店の半分はレコードや映画関係、半分が文学やミステリーで、品ぞろえもいいので、3カ月に一度立ちよる。もう随分まえになるが、かつてあった島崎博編集の探偵小説専門誌『幻影城』(1975年4月、第3号、絃映社)が置いてあり、なかに帯付のものがあった。文庫本や単行本に帯付は多いが、雑誌に帯がついているのは、初めて見たので買っておいた。2013年7月20日に、このブログで新潮文庫の帯など紹介しておいたから、それ以外のものを取り上げてみよう。

 まずは。探偵小説専門誌『幻影城』から。寫眞のとおり、これは帯というより横綱の化粧回しという風情。創刊第1号(1975年2月)から第5号までの特集を掲載している。この雑誌は「愛蔵用雑誌です!」というキャッチフレーズどおり、新作ではなく、歴史的資料としての「うずもれた探偵小説の発掘紹介」(「朝日新聞」)を編集方針にしているのが特徴である。裏面の帯には、「朝日新聞」「サンケイ新聞」など新聞各紙の書評を載せている。その一部⋯⋯

「☆今年になって創刊された雑誌『幻影城』はわざわざ探偵小説専門誌と名乗っている。オールド・ファンには今更と思われた作品だが、探偵小説に盛られた夢とロマンを知らなかった世代には、新しい花園を発見した歓びを味わっているのだ。」(サンケイ新聞」)
「☆探偵小説専門誌『幻影城』が創刊されて新旧のファンの期待にこたえようとしている。」(「東京新聞」)
「☆編集長の島崎博氏は推理、探偵小説の収集家であり、とくに推理小説ものの書誌づくりについては斯界の第一人者といわれる人である。ファンから研究者、そして編集者としての経歴を見ると、それが誌面に反映されているようである。」(「出版ニュース」)

⋯⋯久しぶりに陽にあてた『幻影城』を読んでみるとめっぽう面白い。こんな大きな化粧回しをつけているから、きっと思うように売れなかったのではないか?と邪推した(本の背には「幻影城バックナンバー在庫品限り」とある)。読者の投稿欄「幻影城サロン」を読むと実に傑作。”探偵小説”専門雑誌の創刊を喜ぶ声があると思えば、すぐに廃刊になるのでは?という心配の声、こんな俗悪な雑誌は10号で廃刊になる!!なんて罵声(よくこんな投書を掲載したものだ、と島崎氏の度量に感服!)もある。次の「阿倍かつら」さんの投書は特に興味深い。「探偵小説とSFに憑かれはやX年、御年?になり夢無き世代に突入(⋯⋯⋯)小学生の頃、ルパン・ホームズ・明智小五郎と50冊を有していたが」中学に入って母親に全部屑屋さんに売り払われてしまい泣いたことを思い出した。「少なくとも、(本誌が)一年間はポシャらないでことを切に願っています。」

img152 (2)img153 (2)  この「かつら」さんのように、僕らが少年時代のころの本好きには、ルパン・ホームズ・乱歩が三種の神器だった。ホームズは山中峯太郎(左・『深夜の謎』ポプラ社、昭和29年4月)、ルパンは保篠龍緒訳で、乱歩は少年探偵団もの(右・『少年探偵 妖怪博士』光文社、昭和33年11月、36版。初版23年)。同世代の読書好きの人に聞くと必ずといっていいくらい、この3種の神器の話になる。ホームズと乱歩は現在でも本・映画・テレビで活躍しているが、ルパンは落ち目である。子供の頃、あんなに夢中になって読んだのに、今では再読しようという気にならない。なぜだろうか?

  この『幻影城』には創刊号(1975年2月)から巻頭に島崎博「●目で見る 探偵小説五十年」が連載されている。創刊号は「ホームズの翻訳」。書影入りで紹介されているので貴重な資料である。ここで寫眞でも、と思ったが生憎、どこかに紛れて見つからない。その内、出てきたら載せたいと思う。

  本誌には、和地俊一「警世SF 原子力未来戦」が収録されている。その「●解説」が横田順彌「未来戦争小説の系譜」。明治時代の矢野竜渓「浮城物語」から大正時代の宮崎一雨「日米未来戦」、太平洋戦争後の山中峯太郎「小説 米ソ戦わば?」(雑誌「千一夜」昭和25年1月~)まで、くわしく紹介されている。峯太郎のこの小説について横田氏は「第三者としての立場からの戦争観がうまく描かれているが、戦意高揚小説の一番手であった作者の変わり身にはおどろかされる。」と評している。同感です。(「米ソ戦わば?」について詳しく知りたい向きは、本ブログ2010年12月6日をご覧ください)

  本稿の末尾に、反戦作家として著名なアメリカの文豪アプトン・シンクレア『わが予言――必ず起こる第三次世界大戦』(昭和29年訳)の概要が書かれている。ううーむ、こんな本が出ていたとは知らなんだ。早速読んでみようと古書店に注文。もう少しで手元に届くはずなので、次回はその本について書くことにしよう。
 
 帯をとくのは後回し。

(つづく)
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