調理場のところには、YMの女性事務員様が伝達役としておられた。
「ビールとジンジャエールと白ワインとシャンパンをお願いします」
「ビールとジンジャエールと白ワインとシャンパンね」
女性事務員様は復唱されてから奥に行かれた。奥にはシェフ(男、0号氏によるとYMのファンでシェフを快く引き受けてくれたとのこと)がいる。
注文品が出て来るまで待っているとき、ふと足元にあるハイヒールが目に留まった(本当は遠くから存在を見つけてはいた)。調理場内は土足厳禁らしく、どうやら、女性事務員様のものらしい。
美しいフォルムのヒール。
“これは、若しかして・・・”
と体を屈めてブランドを確認すると、やはりCOMEXだった。
“良いねえ”
正直言えば、もっと顔を近付け、できれば触りたい、更にはその裏を舐めたいという願望が湧いてきたが、無断でそんな失礼なことはできないのでぐっと我慢した。
そんな誰にもわからない葛藤を続けていると、注文した品がトレイに乗って出てきた。
「これが、ビールで、これがジンジャエールで、これが白ワインでこれがシャンパン」
女性事務員様は丁寧に説明してくれた。
学生時代も居酒屋や喫茶店、飲食店などでバイトした経験はないので、トレイで飲み物を運ぶのは初めての経験である。
揺らさないように注意しながら、テーブルまで運んだ。
「お待たせしました」
「おまえ、私達の注文、ちゃんと覚えてる?」
「はい」
「間違えたらお仕置きだよ」
「はい」
自らの記憶に従って、それぞれ注文された女優様の前に飲み物を置いた。
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