M男ぶちのblog

ドの付くM男で強度のハイヒールフェチが、徒然なるままに日暮しパソコンに向かいて、書き綴った日記です

カテゴリ: 聖水

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 はじめてのおつかいではないが、初めて何かをすること、何かに踏み出すことは大変なものである。
 M男にとって、初めての体験として重要なのは、「初めてのSMプレイ」だろう。鞭もグラビアや映像で見ているのと実際に受けるのとは大きく違う。
 「人間便器」も初めての体験としての重要度が高い。また、見るのとするのとの違いという点では「初めてのSMプレイ」より「人間便器」の方が大きいだろう。
 「人間便器」は、「聖水」と「黄金」に大別される。通常は、まず「聖水」を経験してから、「黄金」となる。

 今のSMクラブでは、人間便器プレイ、特に黄金についてはオプションとしているクラブが多い。
 当時の中野クィーンには、オプションというものが無かった。中野クィーンの他の女王様は知らないが、忍女王様については聖水プレイはプレイ内容に取り込まれていなかった。また、忍女王様の御聖水を頂きたいという願望は強くあったが、とても、そんなことを忍女王様に申し上げる勇気はなかった。

 便器として使う人間と便器にされる人間。その身分差は大きい。江戸時代、将軍や御台所は用を足した後の尻を自ら拭くことはなく、下女に拭かせていたが、食べさせたり飲ませたりはしていなかった。その身分さは、封建社会であった江戸時代にも無かった身分差と言えるだろう。

 「聖水を飲んでみたい」
 その願望は日に日に強くなる一方だった。

 新宿コマ劇場の前の通りに「SM喫茶 アフロディーテ」というのがあった。如何にも怪しげな看板(女性が鞭を持って打っているような絵だった記憶がある)は、怪しげな店が多い歌舞伎町でも異彩を放っていた。
 あるとき、勇気を振り絞って、その看板のあるお店に入ってみた。雑居ビルの3階というのは、あの中野クィーンと一緒である。
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 店に入るとママらしき中年の女性が近づいて来て、
「飲み放題1万円です」
 と言うので、1万円を払い中に入った。
 中はこじんまりとしたバーのような雰囲気だった。開店直後の昼間の時間だったので、中に客はいなかった。ママの他にお店の若い女性が2人ばかりいるだけだった。
「水割りで良いですか」
とママに聞かれたので
「はい」
と答えた。出された水割りを飲んでいると、お店の若い女性に
「ここは初めて?」
「学生さん?」
と質問された。その質問に緊張している自分は「はい」くらいしか答えられなかった。

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 時間が立つと、お客さんもぽつぽつとやってきた。
 自営業風のおじさんは、馴染み客なのか、女性達と親しく話し込んでいる。でも自分は、その会話の中には中々入れなかった。
 その自営風のおじさんは、ママと何か話した後、カーテンの裏に入った。その後、女の子の一人も、その後にカーテンの裏に入って行った。
 何をしているのかは、鞭の音と男の悲鳴で分かった。
 ママが自分の近くに来て
「料金の中にはショーを見るか、30分のプレイ代が入っているから。ショーはまだないのでプレイする?」
と言われた。
「はい」
と答えて、自営風のおじさんと入れ替わりにカーテンの奥に入った。プレイはバラ鞭を打たれたりと、中野クィーンで忍女王様に鍛えられたのと比べると、本当に大したことなかった。
 その日はプレイが終わって、しばらくして人が増えて来たので家に帰った。

 しばらく間を置いて、またアフロディーテに行ってみた。2度目となると、少しはお店の若い女性達とも話が出来るようになっていた。
 その中の一人の女性との会話の中で、
「何かしてみたいことある?」
と聞かれた。自分は即座に
「聖水を飲んでみたいです」
と答えた。
「初めて?」
「はい、経験はありません」
「分かった」
女性は、カウンターの裏に行った。
”何をするんだろう”
と思っていたら、
”シャー”
という音が聞こえた。
その音が止まって、少しして女性はどんぶりを持って来た。
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 どんぶりは液体で一杯になっていた。その中身が何であるかは、先ほど聞いた音、液体の色からすぐに分かった。
「はい」
 女性からどんぶりを手渡された。
”これが、夢にまでみた「聖水」か”
 どんぶりを押し抱くように持つと、口をどんぶりの淵に付けた。その時、オシッコ特有の臭いが鼻にツーンと来た。
 まず一口飲んでみた。それは生ぬるく、味は、少し苦く少ししょっぱい感じがした。もっと飲みにくい物を想像していたが、美味しくはないが、生ぬるさを除けばそんなに飲みにくいものではない。
 それから一気にごくごくと零すことなく、どんぶり一杯の聖水を飲み干した。
 その様子を見ていた女性からは
「初めてなのに、零さずに残さずに飲むって凄いねえ」
と褒められた。

 自分の聖水初体験は、どんぶりに入った聖水だった。
 後日、直接拝受も、このアフロディーテで、同じ女性から体験させてもらうことになる。

 SM喫茶アフロディーテは、現在どうなっているのかは知らないが、つい最近まであの看板を歌舞伎町で見かけることが出来た。
 が、自分は色々あって、大学を卒業してからは一度も行っていない。

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