久々に、ホール観戦という形でプロレスを観ました。
屋外イベントや飲食店での店内イベントでの生観戦はしばしありましたが。

ということで、5.16 名古屋国際会議場で開催された愛プロレス博2015をリングサイド3列目で観戦してきました。

昔のブログタイトルが「リングサイド報告」だったことをすっかり忘れてしまうほど久しぶりのプロレス・格闘技観戦記を綴ってみます。

まずはその前に、私と愛プロレス博を手掛けている、スポルティーバエンターティメントのコネクティングドッツ的なことを。
実は、私とスポルティーバエンタティメントは彼是15年目の付き合いになりそうです。
矢場町の雑居ビルの中に構えた小さなスポーツバー「SPORTIVA」をボクが見つけたのは2001年ごろ。金髪のモヒカンの強面のオジサンとウルティモドラゴンの覆面を被った若者に接客を受けたのですが、お客はボク一人。

武田鉄也が得意とする海援隊初めてのライブ状態。

また改めて、友人1名を連れてきたのですが、そのときも来客は我々のみ。このとき誠に僭越ながらこのお店の将来を危惧したのは間違いのない事実。

しかし翌年の日韓W杯をきっかけとした日本全国でのスポーツバーブームとミルコ・ノゲイラ・ボブサップをきっかけとした日本全国の格闘技ブーム(厳密にはPRIDEブーム)の影響で、去年までのそれとは大違いの大盛況。今まで通りと思い込んで予約もしなかったら、予約をしてないお客の来場無理よとはねられそうになりながらも金髪モヒカンのオーナー斉藤さんにパイプいすを渡されたのは良い思い出。

その後、自宅にスカパーを敷くことのしてスポーツバーとは疎遠になっていたのですが、2007年ごろ当時の会社の先輩から面白いお店で面白い話が進んでいるから是非来てくれとと電話で一報。聞き覚えのある行先。

そこにはやはり金髪モヒカンのオーナーその横にはプロレス団体DDTの高木社長。名古屋のプロレスを盛り上げる大きな動きが産声を上げた。当時のボクたちは半ば職権乱用ともいえる提案活動をクライアントにすることで、住宅展示場でのプロレスイベントを幾度となく手がけた。

そこには目玉として、お茶の間でも有名なプロレスラー(サスケ、大仁田、蝶野)といった選手もブッキングすることはしながら、これから育っていく地元レスラーも多数登場した。その中には「天才小学生覆面レスラー ミスター6号」とその兄「佐藤力」もいた。

その後ボクはその当時の勤め先の親会社に出向したり、イベントの仕事から離れたり、転職したりして、スポルティーバエンタティメントとは受発注のビジネス上の関係はなくなり、単にお客さんとして接することになりました。

古客だとふんぞり返るつもりも、元発注先とドヤ顔することなく、純粋に今プロレス談義できる知人と今日の大会を観戦してきました。

試合の結果よりも感じたことなど個人的感想を書き残していきます。

第1試合 現役女子高生・真利杏デビュー戦
真利杏(スポルティーバエンターテイメント) VS 水波綾(プロレスリングWAVE)

今年の春、花見のシーズン真っ盛りのころ、ふとしたきっかけで知り合った人とプロレス談義に花が咲き、鶴舞のスポルに行くことになりました。そのとき練習生として店内のリングでトレーニングを積んでいた真利杏はエルボーしかできないレスラーだったのに、2カ月近くでプロレスらしいロープワークや組技への移行が出来るようになっていた。何よりも粗削りながらがむしゃらでひたむきに戦う姿勢に心を打たれた。
物心がついたころには携帯電話が存在しているようなデジタルネイティブな女子高生がなぜプロレスラーを志すのか、彼女自身そして彼女の親の胸の内が知りたくもなるのは少し踏み込み過ぎでしょうか?

第2試合 愛プロレス博 次回出場権 争奪 時間差バトルロイヤル
ミスター6号(スポルティーバエンターテイメント)
小仲=ペールワン
かまくらマスク
長谷川智也(プロレス実験団GUYZ)
菅沼修
タダスケ(カレー軍)
イマイケル・ジャクソン(今池プロレス)
ローリングマン(PUB ROLLINGMAN)
柴山貴哉(DEP)
スーパーストロングザえもん(オカザえもんのバウンサー)

時間差バトルロイヤルなのに出場選手が誰も退場することなく全員リングイン。

個人的に名古屋レスラーの2大巨頭と思っているミスター6号と小仲=ペールワンが対峙することに注目しました。
ミスター6号は先にも少し触れましたが、デビューが小学生で、今でも中学生です。彼の出場する試合は彼のために仕立てられた一連のムーブで成り立たせるプロレス。つまり型が存在し、その型通りに試合が成される選手。
方や、小仲=ペールワンは故中村勘三郎の言葉を借りれば「カタナシではなくカタヤブリ」な存在。一連の基礎となるプロレスの型は体得しながらも、「こういう時はこうだよね」という常識を覆し「ここはこうやって欲しい」というお客さんの期待を裏切り、「ここは頼むぞ」という対戦相手の見せ場をスカす。非常にトリッキーでありながらクレバーなレスラー。
対極の位置にいながらそれぞれが名古屋のプロレスのど真中と言っても良い存在がどんな化学反応を示すかを期待していましたが、、、、

このバトルロイヤルはエンタメに振り過ぎて、それどころではありませんでした。基本的に大阪プロレスのようなお笑いプロレスは基本的に好きですが、この後に続くシリアスで物理的にも観る側の心にもハードヒットな試合に対し、「事前に存在しながら蛇足」という印象が拭えないところではありました。

第3試合 現役僧侶・阿部史典デビュー戦
阿部史典(スポルティーバエンターテイメント) VS 入江茂弘(DDTプロレスリング)

入江君と呼んではもはやおこがましいのかも知れませんが、デビュー当時はハウジングセンタープロレスでは大変お世話になり、東海ウォーカーの雑誌上でのラーメンレポートの笑顔が非常に可愛らしかったのです。しかしいつの間にかDDTに移籍して全国レベルでの活躍をしています。入場曲は当時と変わらず筋肉少女帯のタチムカウです。
そして阿部クン、学生時代UWFスネークピットで総合格闘技の技術を磨いてきた僧侶がプロレスデビュー。文字面が意味不明すぎる感じですが、非常に好青年。7年のキャリアを積んだ入江との力の差は歴然でしたが、格闘センスの高さと闘志あふれる姿。スターレスラーのデビュー戦を観た、数年後そういえるんじゃないかって思える試合でした。


タケシマケンヂ&マンモス半田(スポルティーバエンターテイメント) VS 間下隼人&スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)

ヤス久保田(スポルティーバエンターテイメント) VS 藤田ミノル(東京愚連隊)

ノリ・ダ・ファンキーシビレサス(今池プロレス、nobodyknows+)&GENTARO(プロレスリングFREEDOMS) VS 影山道雄(チームでら)&杉浦透(プロレスリングFREEDOMS)

この3試合も語ること満載ですが、大変恐縮ですが、少し飛ばさせていただきセミファイナルに

日本プロレス史上初の日本人親子タッグ対決
佐藤力&佐藤泰(スポルティーバエンターテイメント) VS LEONA&藤波辰爾(ドラディション)

佐藤力と佐藤泰、ともすると名古屋ローカルレスラー愛好家からすると6号のお兄ちゃんとお父さん。ドラゴンボールでいうとラディッツとバーダック、キン肉マンでいうとアタル兄さんとマユミ大王。という扱いをする人がいたりしますが、トンデモナイ。佐藤泰さんは40代でプロレスデビューとは思えない存在感とワザの引き出しの多さがありますし、佐藤力はプロレスラーデビュー→アマレス国体出場という通常のプロレスラーとは逆のキャリアを積んでいる異色の存在。
と、力&泰には6号の父兄としてだけでなくレスラーとしての存在感があります。

しかし今回の相手はその存在感を覆すというか覆い隠すというかかき消すレジェンド中のレジェンド、藤波辰爾。プロレスファンでドラゴンのことを猪木の付き人とか長州が昔噛み付いてた人としか認識しているはそういないでしょう。
とにかくローカル団体のレスラーがてっぺん中のてっぺんに挑むのですが、怖気づいたり遠慮したりすることなくぶつかっていきました。ドラゴンが仕掛けるネックシザースには倒立で脱出という西村ムーブや掟破りの逆ドラゴンロケット、ド迫力のドラゴンネックブリッカーそしてドラゴンスリーパーでの決着。
昭和プロレスのノスタルジーと目の前で繰り広げられる100%ライブ感のほとばしるエネルギー、60歳を超えたおじいちゃんが国体出場の現役大学生を捻るというプロレスでしか表現できない出来事。

この1試合だけでもチケット代がすべて回収できるほどの価値ある体験。2度と観れないものを観た、そう思わせてくれた素晴らしい試合でした。

メインイベント
石田慎也&岩本煌史(スポルティーバエンターテイメント) VS 大谷晋二郎(プロレスリングZERO1)&彰人(DDTプロレスリング)

石田慎也選手と岩本煌史選手がシングルで対峙するのは鶴舞のお店で何度か観ていまして、徐々にそれぞれの個性が花開いてきていることを感じていたりします。

プロレスというのは「打・投・極」という尺度と「心・技・体」という尺度で選手の魅力というのを計れると考えています。そりゃすべて揃っている選手が一番優れているのですが、そんなのは全盛期のアントニオ猪木でもそこまでいかないのではないでしょうか?

でボク的には「打・投・極」という尺度では、プロレスにおいては投を一番注目しています。これは打や極は他の格闘系スポーツ、キックボクシングやブラジリアン柔術でも迫力あるものテクニカルなものが見れますが、迫力ある投げ技は柔道やレスリングよりもプロレスが一番です。
で、「心・技・体」についてはプロレスにおいては心のあるレスラーが好きです。体がデカイとか技を器用にこなし引き出しが多いことより、このままでは終わりたくないという闘志があるかないかなのです。「腕が折れても心は折れない」というのはやや極端ですが、そういう心持のプロレスラーが好きです。

このファイナルマッチはベテラン大谷とスポルティーバプロレス出身でDDTエクストリーム級現役チャンピオンの彰人が若手石田&岩本に「打投極」と「心技体」をタタキ込むという試合となるのは、当然の戦前の下馬評。

ところが、石田岩本ペアが大谷&彰人に臆することなく果敢に挑みときには優勢に試合を進めていました、徐々に自力の差が出て、苦戦を強いられていきました。岩本がこれでもかと大谷に痛めつけられながらも、必死に食らいつき投げ飛ばすのは、ヘソでもなくテコでもなく魂でスープレックスを放つ、プロレスラーの姿そのもの。

今まで以上に、岩本選手のファンになりました。

今回の大会には、藤波辰巳、大谷晋二郎、スーパータイガー、彰人とスター選手が居並びましたが、ボクは阿部クンと佐藤力と岩本煌史のガンバリ(心)とスープレックス(投)には彼らのソレを上回る何かを感じました。

締まった体の投げの出来るレスラーが好き、ということがよくわかる自己分析です。ハイ。

テレビやネット配信でプロレスを何度か観るより、生でドカっとライブ観戦のが迫力あって、大声で声援を送れて楽しいです。

最後に古客ふんぞり返るみたな発言でイヤなのですが、「正直、あの当時僕しか客がいないって状況から1000人規模の集客ができるまでになる」ということにも感動しています。

また、まずは鶴舞に観に行こう。


藤波辰爾デビュー40周年記念DVD-BOX

何度でも立ち上がれ―僕の人生、起き上がりこぼし (キーステージ21ソーシャルブックス)


週刊プロレス 2015年 5/27 号 [雑誌]