外国馬がいない。
カネヒキリもいない、アジュディミツオーもいない・・
国内外で活躍するタレントが揃ったジャパンCに対し、
どうしてもこちらは小粒な印象を拭い切れない。
JRAのダートGI勝ち馬はタイムパラドックスのみ。
他のタイトルホルダーといえば、
交流GI馬ブルーコンコルドがいるだけ。
ただ「小粒」とはいっても現時点では、の話。
今後、大きく成長していきそうな素材もいるし、
決して興味を削がれるような一戦ではない。
むしろ馬券的妙味に関して言えばジャパンC以上。

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横一線のメンバー。
いわゆる「勝つ馬はすべてがうまくいくもの」現象が起こりそうな戦況である。
では、ジャパンCダートにおける「うまくいく」とは何だろうか。
過去のレースを思い出してみる。

だいたいのレースがハイペースで流れる。
なら差し馬が有利かと言えばそうでもなく、
連対馬のほとんどが4角で6番手以内に位置づけている。
ある程度の自在性が求められる。
もうひとつ、問われる自在性が「立ち回りの巧さ」。
コーナーを4度回るコース設定ゆえに、
ずっと外を回らされるとどうしても距離のロスが生じる。
どうせ内も外も馬場に変化のないダートである。
いかに経済コースを通るかが勝負のカギを握る。
これまで穴を空けてきた伏兵のレースぶりは象徴的。
イーグルカフェ、フリートストリートダンサー、タイムパラドックス・・
うまく内ラチ沿いをすくって、直線の伸び脚につなげたのが勝利につながった。

かつてのウイングアローや昨年のカネヒキリなど、
馬場のど真ん中を堂々と抜けてくる馬はよほど強いということ。
今年に関してはそんな芸当ができる「ダート王」はいない。

探してみます、「ラチ沿いを制せられる馬」。

≪ジャパンCダート 主な出走予定馬&騎乗予定騎手≫
・・アロンダイト―――――55後藤浩輝
△サンライズバッカス――57安藤勝己
☆ジンクライシス――――57五十嵐冬樹
◎シーキングザダイヤ――57武豊
・・タイムパラドックス――57岩田康誠
○ハードクリスタル―――57横山典弘
▲フィールドルージュ――57吉田豊
△フサイチリシャール――55内田博幸
・・ブルーコンコルド―――57幸英明
・・メイショウバトラー――55佐藤哲三
※印は現時点での予想

昨年2着もコースロスなく乗られた賜物だった。
レース巧者シーキングザダイヤが一応の中心。
横山典弘騎乗のハードクリスタルも堂々の勝負は挑むまい。一発狙いの乗り方で。
前走を叩かれて上昇気配のフィールドルージュも面白そう。
果たして正直に外から差しにかかってどこまで届くか。
あまり先行馬が多くない組合せだけに、
ジンクライシスの先行力は大きな武器になる。
タイムパラドックスはそれこそ立ち回りの巧さでJBCクラシックを勝ったが、
当時は一発狙いの乗り方ができる立場だった。
再び主力として扱われる今回、そこまで思い切った乗り方ができるかどうか。