2018年01月19日
泣いて生まれて笑って死ぬ?
全ての人は泣いて生まれます。泣く事が肺呼吸の始まりで生きる事への第一歩だからです。でも死ぬ時となると種々です。心穏やかに笑って死ねるか?私自身も全く自信ありません。ちょっと一言NO40で1日10笑はしようとお話ししました。
保険医会の「月刊保団連」で笑いの特集をやっていました。笑いの効果は科学的に証明済みとの事いくつかご紹介しましょう。
リウマチの患者さんに林家木久蔵(現木久扇)さんの落語を1時間聞かせて大笑いさせたところ全員症状が軽くなり炎症の程度を示すインターロイキン6の値が全員半分以下になったのです。又、19人の糖尿病の患者さんに500kcalの寿司を食べてもらい糖尿病の講義とB&B(島田洋七さん)の漫才を聞いた2時間後の血糖値を検査したところB&Bの方が著明に血糖値が改善したとの事、世界に発表したところB&Bという薬はどこで手に入れるかと問い合わせが殺到したというのです。
やっぱり1日10笑は効果大なのですね。
ところで今世界でも日本でも眉をしかめたくなる様な出来事ばかりで笑ってなんかいられないよと思いますよね。沖縄の人達は昔からエイサーを踊り笑いとばしてねばり強い闘いをつづけて来ました。江戸時代の庶民はユーモアと笑いでお上をやっつけました。
笑いの中に元気がある。力強い抵抗がある。
自分を元気にすると同時に粘り強く頑張りつづけていきたいものです。
さて、でも本当に笑って死ねるかな―?です。
2017年12月19日
「タンパクの摂取をしっかりと」
前回は緩やかな糖質制限(ロカボ)のお話でした。
今回は「タンパクをしっかりとる」というお勧めです。サルコペニアという言葉を聞いたことがあると思います。
骨格筋が弱くなり手足が細く、足腰が弱くなって日常生活に支障を来す状態です。今、日本では60才以上の15~30%、80才以上の方の実に50%以上に認められるというのですから無視できません。サルコペニアに陥ると体力が低下し病気やケガに弱く合併症や副作用も多くなるといいます。サルコペニアの原因の一つに低栄養、タンパクの摂取不足が指摘されています。日本では、高齢者は若い人に比べてタンパクの摂取量が大きく下回っており、特に男性に顕著だそうです。
勤医協を創設した塚田先生は大変元気に長生きされましたが、一緒に食事するとトンカツ等を私達よりはやくムシャムシャ食べておられました。ああこれが先生のエネルギー源だなと思ったものです。長生きする方にはいわゆる「ケンタン家」が多いのです。年齢は高くても身体年齢や精神年齢を若く保つためにしっかりした栄養とタンパクの摂取に心がけたいものです。
2017年11月22日
糖質制限食
私が糖質制限食を始めてから10年近くになります。
その頃は糖質制限は民間療法扱いで高名な学者さん達は制限によって寿命が短くなるとか、脳には糖質が不可欠だから良くないとか言われていたものでした。しかし、最近は糖質制限は一つのブームの様にさえなっています。
北星大学糖尿病センター長の山田博士によると従来指導されて来た事務労働の人で標準体重×25~30Kcalという事自体あまり根拠がないらしいのです。食事交換表を使って糖質何%、脂質何%とかなると頭が痛くなります。とりわけ、この×25~30Kcalというのはベッド安静の方へのカロリー処方と同じというのですから驚きです。
山田博士は糖質制限食は体重、血糖、血圧いずれにも有効であり筋肉量の増加が癌や認知症に対する効果も期待されるとして、緩やかな糖質制限(ロカボ)を推奨しています。(あとは何を食べてもいいのです)私も最初はかなりきつい制限をしていましたが、今は70~80%制限の緩やかな制限にしています。始めてから8Kg位体重が減りましたよ。
山田博士は神戸の数十軒の飲食店と提携してロカボ神戸プロジェクトを立ち上げています。 健康な人も病気を抱えている人も同じ食事でおいしい料理をふんだんに食べ、お酒も飲んで笑顔で元気になってもらおうというものです。
外来でも食べていけない物の質問が多くあります。 私もそうですが年を重ねると食べる量も減りますから食べてダメではなく、好きな物をおいしく存分に食する事の方が大事です。そして糖質制限(ロカボ)は忘れずに。
さて今日も1パイやるとしようかな。