2007年01月03日

銃・病原菌・鉄

年末の宴の影響がひびき、夜なべが続いてしまってます。

ジャレド・ダイアモンド
銃・病原菌・鉄〈上巻〉〈下巻〉

http://www.amazon.co.jp/%E9%8A%83%E3%83%BB%E7%97%85%E5%8E%9F%E8%8F%8C%E3%83%BB%E9%89%84%E3%80%88%E4%B8%8A%E5%B7%BB%E3%80%89%E2%80%951%E4%B8%873000%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%82%8B%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%81%AE%E8%AC%8E-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%89-%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89/dp/4794210051/sr=8-3/qid=1167761608/ref=sr_1_3/250-2355723-4804258?ie=UTF8&s=books

を読む。
98年度ピューリッツァー賞に輝いたものですが、今読んでも古さはないです。

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なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか?
文明の発展を分けたものは何なのか?
征服する側と征服される側を分けたものは何なのか?
世界の富と権力はなぜ現在の形に分配されたのか?
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の謎を1万3千年前から遡り解き明かしてくれます。彼によると、生物学的な因子ではなく、環境的な因子によるというのが大筋の展開。すべてに関して違和感がない事もありませんが、かなり多角的に科学的にアプローチしている良書だと思います。


スペインの侵略者ピサロがインカ帝国の皇帝をアタワルパを捕獲する章あたりから、考察はどんどん加速していき、引き込まれていきます。


要点を抜粋すると

■農耕の発展が財産の貯蓄を可能にし、それにより官僚や兵士などの非生産民を養う経済システムが機能するようになった。それにより文字が発展していった。

■農耕社会は定住と貯蓄を可能とし、それにより人口が急増した。人口の急増が社会を複雑化し、文明の発展を促した。狩猟社会においては、子供を間引きするなどし4年に一人産むようにコントロールしていた。

■農耕社会は、農耕に適した野生種の品種を多く備えていた地域でより発展した。

■気候的な側面からその文化は東西に伝播しやすく、南北には伝播しにくい。(南北アメリカの文明の発展の遅れはそこにある)

■さらに五大陸の中でもその品種が多様な事、家畜化を可能とする大型哺乳類がいた地域=ユーラシア大陸で農耕社会大きく発展した。

■大型哺乳類の家畜化は農耕面積の拡大と移動力と新たな病原菌をもたらした。

■馬の存在が戦争の形態を劇的に変えた。

■インカ帝国とアステカ文明を最終的に壊滅させたのは、病原菌への耐性がなかったから(家畜文化もなかったので)

などといったところ。

それ以外に面白かったポイントとしては

◇それまで、狩猟をしていた原住民も栽培に適した植物や家畜を手にすると取り入れるようにり定住化が進む(つまり人種的な特性により、発展が妨げられていたのではないといこと)

◇セコイヤというチェロキーインディアンがアルファベットをヒントに文字を独自に発明していった過程

◇メキシコ先住民が車輪のおもちゃを発明しながら輸送手段としては使わなかった事(車輪のついた車を牽引できる家畜がいなかったため)

◇野生動物の家畜化への試みはありとあらゆる動物に対して古来より試行錯誤されてきたが、適していたのは14種のみだった。

◇1930年夏、ヒトラーが遭遇した交通事故で相手方のトレイラーの運転手があと1秒ブレーキを踏むのが遅れていたら、第2次世界大戦も違ったものになっていたかもしれないというたとえ話。低レベルの差異が高レベルの創発的は変化につながっているというたとえ話。

◇ピサロに殺されたインカ帝国の皇帝アタワルパの跡継ぎがマンコという名前だった事(中学生みたいですが・・)


こうした本を読むだけで、世の理について知り、思索にふけれるのだから、贅沢な時代だなあと思います。

農耕文明の発展について分析しているだけに、なかなか濃厚な一冊でした。(ちょっとかけてます・・)


bumibumitiger at 04:23│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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