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(1)から

試合のほうは既にリザルトが出ているので触れる必要もないかもしれないが、一応素人なりの雑感を記しておく。

まずアメリカだが、いわゆるMLBのような感覚でこの試合を見ると、かなり違和感があったかもしれない。

円陣を組み、「USA!」の掛け声とともに試合に臨んだ彼らだが、初回無死一塁から2番打者が犠打で送ったり、2回は二死一・二塁からセーフティバントを試みたりと、その野球はまるで日本の高校野球を見ているかのような印象を受けた。いわゆるスモールベースボールそのものである。

この試合は、それに適した選手をスタメンに並べていたのかもしれない。全体としてシュアな打撃をする印象があったが、スタメンに右投げ左打ちが4人もいた。日本にはイチローや松井秀喜の影響で似たような打者がくさるほど存在するが、アメリカではここまで多くはないだろう。

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先発のプラットだが、序盤はやや不安定だったものの、尻上がりに調子を上げ、中盤以降はほとんど相手にしなかった。4回の1失点は先頭打者を四球で出したことで失ったもの。ただ、四球はこれを含めて2、三振8。108球で8回を投げ切った。

一方のオーストラリアは、とにかく投手のコントロールが定まらない。先発のディーブルは四死球と安打で無死満塁を作って3回に早々と降板。2番手のネウンボーンは制球はまずまずだが本来は野手のためか、荒っぽいフォームで痛打を喰らう。3番手のマクドナルドがこれまた制球難。最後は投げさせる投手がいなくなったのか、この日一塁を守っていたマッカランが登板。

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打線のほうは、4回に1点を返して3-1になったところまでは勝負の興趣があったのだが、直後の5回に突き放されて差を広げられ、最後のほうはやや心が折れてしまっていたようである。

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上記の写真のように、アメリカは得点のたびにベンチから選手たちが全員飛び出して、ホームに帰ってきた選手たちをねぎらっていた。ベンチからもよく声が出ており(おそらくヤジも含まれているであろう)、その姿も日本の高校生たちと何ら変わらない。

ただ、盛り上がりすぎたのか、あるいは調子に乗りすぎたのか、6回表、10-1になり、アメリカの攻撃が終わったところで、アメリカの選手の一人がベンチから飛びだし、実際にはまだそうではないのに「コールドゲーム!」と叫んだのである。

オーストラリア側はこれを挑発、侮辱と感じたのであろう。両軍ベンチから一斉に選手たちが飛び出し、まるでMLBやNPBの乱闘シーンを彷彿とさせる一触即発の雰囲気が漂った。日本の高校野球ではまず考えられないシーンである。幸い、両チームのコーチ陣が選手たちを制してことなきを得た。

伏線はいくつかあって、まず、オーストラリア側がこの時点で4つの死球(最終的には5つ)を与えていたことが挙げられる。それ以外にもオーストラリアの左投手の抜けたボールがアメリカの左打者の頭部付近を襲うシーンがいくつかあった。制球難という技術的な問題があったとはいえ、アメリカ側としてはいい気分ではないだろう。

そしてアメリカ側も6回表、9点差がついたにもかかわらず、二死一塁で走者が盗塁をしたのである(記録にはなっていないが)。MLBではまず御法度というプレーだが、これでオーストラリア側がナーバスになった可能性はあるだろう。ただし、この大会には5回15点差、7回10点差のコールドゲームの規定があるので、選手の負担を考えて早く試合を終わらせようとした可能性もあるが。

とにかく、こういうことは実際に球場に行ってみないと経験できないものなので、試合の本筋とはかけ離れるが、非常に貴重なものを見せてもらった。

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試合のほうは、実際に8回でコールドゲームとなった。実力差を順当に反映した試合であった。

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すわ乱闘か、という光景も見られたが、最後はごく普通にハイタッチ。

アメリカの応援団が大はしゃぎの一方で、オーストラリアの応援団はこういう試合展開ゆえに、どこにいるのかさえもわからぬくらいに静かであった。

ネット裏にはスピードガンとストップウォッチをもったスカウトらしき人物も何人かいたようであるが、果たしてこの中から未来のメジャーリーガーは何人出てくるのであろうか。管理人の前に座っていた子供たちの中には、「先物買い」をしようとアメリカの選手たちに試合後、サインをもらいに行くと言っていた子もいたようだが……。

さて、最後に苦言を2つばかり呈しておこう。

1つめは、球場アナウンスである。

この試合、この球場だけのことなのかもしれないとと断った上で言わせてもらうと、国際大会ゆえに、日本の野球場でおなじみのウグイス嬢のアナウンスの後に、同様の内容が英語でもアナウンスされるのだが、その英語が見事なカタカナ英語で聞くに堪えないのである。あれでは会場にいた外国人は内容を理解できないだろう。

勘違いしてほしくないのは、このウグイス嬢が悪いのではないということだ。彼女はおそらく普段と異なる任務を果たすために必死で英語のアナウンスの練習をしたのであろう。しかし、日本語のアナウンスと英語のアナウンスを同一人物が務めねばならぬということはないだろう。大会スタッフは、ネイティブスピーカーやそれに準じた人間を用意すべきではなかったか。

2つめは、大会のパンフレットである。

管理人は、会場に行けば、出場選手の情報や出場国の情報などが載った小冊子などがあるものと期待していたのだが、そのようなものは存在しないようである。そこまで必要ないにしても、当該試合だけのマッチデープログラムのようなものがあればよかったのだが、それも全く見当たらなかった。

話がそれるが、そもそも、日本の試合、日本の選手以外の情報はWBSCの英語サイトを参照せねば知ることができないのが残念なのだが、せっかくのホスト国なのだから、侍ジャパンのサイトに参加国の選手の情報などを載せることはできなかったのだろうか。日本の選手さえカバーしていればそれでよかったのだろうか。せっかく12か国の選手たちが参加してくれているのに、寂しいではないか。

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で、本題に戻ると、主催者はWBSCでも、主管の欄には高野連なども名を連ねているし、高校野球を主催している朝日、毎日といったメディアも大会に関わっている。日本の選手たち以外にもスポットを当てた、もうちょっとクオリティの高いパンフレットを作ることはできただろうと思うのだが。

(PowerShot S120)

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