2013年02月04日

キネ旬「TKPシアター柏」がオープン!

 2月2日にオープンしたキネマ旬報社運営の新劇場「TKPシアター柏 supported by KINEJUN」の内覧会に1月31日出席した。

 千葉県の柏駅に行くのは初めてであったが、改札口を出て駅周辺を散策してみると、予想していた以上に活気の感じられる、非常に栄えた駅、街の印象を受けた。聞けば柏市は人口40万人以上の都市で、千葉県でも2番目か3番目に所得が高いところらしい。

 いざ、駅改札口を出て新劇場を目指したが、人通りが多く、大きな駅だけにすぐにはわからない。案内書では、柏高島屋ステーションモールS館隣りとあるのだが、S館入り口付近には目立った看板やポスターが見当たらない。

 しばらくウロウロしていると、S館入り口のちょっと横に新劇場ポスターと案内役の女性を見つけた。訊ねてみると、すぐ横の階段を降りて行って下さいとのこと。案内された通り進んで行くと新劇場が見えてきた。

 駅改札口からすぐ横のS館の下へ降りて、(バスロータリーなどからは)裏手の1階に位置する。初めて新劇場に行く人は、案内役の人やポスターがなければちょっと分かりにくいかもしれない。

 さっそく館内を取材してみると、予想していたよりも広く、ゆったりとした印象を受けた。3スクリーンで、それぞれ160席、148席、136席。1階に2スクリーン、2階に1スクリーン。1階にはコンセッションに加え、キネ旬の映画関連書籍が買える「KINEJUN BOOK STORE」、1940年代からの貴重な「キネマ旬報」バックナンバーが閲覧できる「アーカイブ」が併設され、映画ライフログサービス「KINENOTE」用PCも設置されている。

 新劇場関係者に話を聞いてみると、映写機機、椅子を新設し、壁紙などを新しくした以外は、劇場の構造自体は前の劇場(柏ステーションシアター)から変えていないという。非常に開放感があり、映画ファンは鑑賞前後や合間に落ち着いた空間を楽しめるのではないだろうか。

 この新劇場は、キネ旬にとっては非常に重要な意味を持つ(実際の運営はキネマ旬報DD)。清水勝之社長は、「我々は94年目になる出版社だが、保守的になっていた当社にとって、新規事業となる映画館運営は非常に重要なこと」としている。

 とはいえ、周辺にはシネコン、TOHOシネマズの流山おおたかの森、SMTのMOVIX柏の葉があり、あえてその商圏に3スクリーンで挑むことに社内外から危惧する声が寄せられたという。

 しかし、「2000億円のマーケットをまわりの映画館と奪い合おうというつもりは全くなく、新しいマーケットセグメントを創出できないかと思っている」と清水社長。

 「毎日一本、毎週必ず一本観る映画ファンのための映画館、価格を安くしてでもより頻度高く来て頂き、地元の方々に愛されるような映画館、座席の稼働率を上げられる映画館を目指したい」と、キネマ旬報読者を中心に、映画ファンの新たな客層の集客を目指す。

 オープニング上映作品は、「キネマ旬報セレクション」=『あなたへ』、『北のカナリアたち』、第85回アカデミー賞直前!12年の受賞作品から「映画愛」にあふれたこの2本=『アーティスト』、『ヒューゴの不思議な発明』、第86回キネマ旬報ベスト・テン特集からスタート。

 劇場運営は初めてで、オープンまでに並々ならぬ苦労があったようだが、94年目という老舗映画雑誌のキネ旬ブランドを生かし、これまでの業界の既成概念を打破して、読者、映画ファンから柏周辺の一般客をどこまで取り込めるか注目される。

bunkatsushin at 09:00│clip!和田 隆