平池 由典

2013年02月28日

しょこたんの吹き替え

 先日、完成したばかりの『DRAGON BALL Z 神と神』(3月30日公開)をマスコミ試写で観ました。自分はモロに「ドラゴンボール世代」なので、懐かしい気持ちで久々にあの世界観に浸りました。

 ところで、後日宣伝担当の方と話をしている時のこと、ゲスト声優として起用された「しょこたん」こと中川翔子さんの話題となりました。実は、映画を観ている最中はしょこたんがどのキャラクターの吹き替えを担当しているのか全くわからず、あとで資料を確認して、「あ〜あのキャラだったのね」と知った次第。

 そのことを宣伝の方に話すと、「そうなんですよ。中川さんは、できるだけご自分のことが観客にわからないように演じられていました」とのこと。観ている人が少しでも自分の顔を思い浮かべてしまうようなシーンがあれば、それだけで興ざめされてしまう。ドラゴンボールの世界観を壊さないためにも、「絶対にわからないように」という並々ならぬ意気込みでアフレコに臨まれたそうです。

 それを聞いて、ちょっと感動してしまいました。一ドラゴンボールファンとして、その心意気が嬉しい! 作品への愛を感じます。

 そういえば、しょこたんの吹き替えでは、ディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル』でも印象的なエピソードがありました。ディスニーアニメの日本語吹き替えは、毎回声優の選出に時間をかけます。米国本社の審査が厳しく、十何人も候補者を挙げて、ようやくOKが出るそうなんです。

 しかし、ラプンツェル役として候補に挙がったしょこたんは、なんと一発OKで起用が決まったと聞きました。あの作品を日本語版で観た時も、後で「しょこたんがやってたの??」と知ったぐらいで、本当にラプンツェルのイメージにどんぴしゃの吹き替えをされていました。

 タレントの吹き替え版起用に異論を唱えるような記事も目にしたことがありますが、そんな中で、完全にその映画に同化できる、役になりきれる、貴重な存在ではないでしょうか。

 というわけで、しょこたんのさりげない名演をチェックするためにも、皆さん『DRAGON BALL Z 神と神』を劇場に観に行きましょうー!


【お知らせ】
※編集局ブログ“BunLOG”は、2月末を以て一旦休止となります。
 Webサイト「文化通信.com」で新たなコンテンツ配信をスタート(春予定)させる予定ですので、そちらを引き続き閲覧ください。
 長い間、ご愛読頂きまして誠にありがとうございました。(編集部)

bunkatsushin at 09:00|Permalinkclip!

2013年02月14日

2013年春休み公開の主な映画

 ちょっと前に年が明けたと思っていたら、いつの間にかもうすぐ3月ですね。というわけで今日のブログでは、今年3月に公開の主な春休み映画をご紹介したいと思います。

 まずはファミリー向け映画から。今年は例年にも増してアニメが激戦です。

 春休み映画の王者『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』は3月9日公開。今回はドラえもんの大事な首の鈴が盗まれたことから冒険が始まります。一般応募から選ばれた18作品のアイテムも登場するとか。ひみつアイテムに焦点を当てた物語はなかなか興味深いです。

 こちらも定番『映画 プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』は3月16日公開。全プリキュアが登場する「オールスターズ」シリーズの最新作。今回は総勢32名のプリキュアとなりました。もう学校の1クラスが作れますね。今回は「イジメ」がテーマだそうです。

 もしかしてとんでないヒットになるんじゃないかと密かに期待しているのが、洋アニメ『シュガー・ラッシュ』。人気ゲームの悪役が主人公というユニークな設定で、予告編を観ただけでウキウキ。「スーパーマリオ」のクッパも登場するそうです。3月23日公開。

 同じく、すごいヒットになりそうな予感が『DRAGONBALL Z 神と神』。ご存じドラゴンボールの17年ぶりの劇場版アニメ。少年たちはもちろん、ドラゴンボールにはまった20〜40代も必見でしょう。主要キャラはもちろん、ピラフ一味など懐かしいも顔を勢揃いする、お祭りムービーになるそうです。3月30日公開。

 某ホラー映画と一瞬見まがうタイトルの『パラノーマン ブライス・ホローの謎』は3月29日公開。『コララインとボタンの魔女』のチームによる3Dストップモーションアニメです。アカデミー賞の長編アニメ部門にもノミネートされている作品。

 続いて実写の洋画にいきます。

 我らがクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』は3月1日公開。アメリカではタランティーノ監督作品史上最高のヒットを飛ばした作品。ディカプリオの悪役をはじめ、『イングロリアス・バスターズ』以来大作への出演が相次いでいクリストフ・ヴァルツ、そして『Ray レイ』のジェイミー・フォックスによる共演が見物の西部劇。

 この人が主演ならまず心配なし、安心マークのデンゼル・ワシントン主演『フライト』も同じく3月1日公開。奇跡的な着陸で大勢の命を救った機長から、アルコールが検出された。偉いのかアカンのか。どっちなの!? ひっくり返って飛んでいる飛行機の予告編はすごいインパクトです。

 『死霊のはらわた』『スペル』・・・というより『スパイダーマン』のサム・ライミ監督によるファンタジー映画『オズ はじまりの戦い』は3月8日公開。あの「オズ」をディズニーが映画化。爪で机を「キキキ〜」とひっかく予告編はゾゾゾッとしました。

 予告編観てもよくわからん!と言いたくなるのが『クラウド アトラス』。6つの時代と場所、6つの人生を生きる男が主人公。19世紀から24世紀を股にかけて、魂の成長を描くそうです。「考えるな、感じろ」ってな感じでしょうか。名優トム・ハンクス主演、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟が監督を務めた作品。

 「ジャックと豆の木」を3D映画化した『ジャックと天空の巨人』は3月22日公開。原作は巨人から間一髪で逃げ切りましたが、この作品では次々とその巨人が落ちてくるそうです。えらいこっちゃ!高低差1万メートルの攻防は3Dの威力を存分に発揮することでしょう。ブライアン・シンガー監督作品。

 ロシア文学の最高峰、文豪トルストイの傑作を映画化した『アンナ・カレーニナ』は3月29日公開。キーラ・ナイトレイの深紅のドレス姿が印象的なビジュアルですよね。共演はジュード・ロウ。『プライドと偏見』『つぐない』のジョー・ライト監督作品です。

 最後は邦画にいきます。

 東野圭吾の原作を、嵐の二宮和也主演、『るろうに剣心』の大友啓史監督で映画化した『プラチナデータ』は3月16日公開。最先端のDNA捜査により、検挙率100%、冤罪率0%の社会が訪れようとしていた時、警察庁の天才科学者で数々の難事件を解決してきた主人公が、担当した事件でまさかの「自分」が犯人として追われるハメに。えらいこっちゃ!

 山田洋次監督とタッグを組んできた平松恵美子監督による『ひまわりと子犬の7日間』は3月16日公開。子犬を守ろうとする母犬、その母子犬を守ろうとする父親、その父親を応援する家族、彼らの姿に心を動かされる周囲の人々…絆が次々と結ばれていく様子を描き出すヒューマンドラマ。実話です。

 特殊ガスを吸わされて、子供になってしまった刑事が主人公の『コドモ警察』は3月20日公開。主人公は鈴木福君。もう予告編から笑ってしまいますが、数々の刑事ものにオマージュを捧げるシーンもあるとか。今から楽しみです。

 人気ドラマ「相棒」の新作『相棒シリーズ X DAY』は3月23日公開。そりが合わないサイバー犯罪捜査官と捜査一課刑事のコンビが、国家を揺るがす陰謀に挑む。この作品は試写で観ましたが面白かったです。2人が終始いがみ合いながらも、少しずつ認め合って協力していく姿が、定石ながらもしびれます。

 ウッチャンが監督を務めた『ボクたちの交換日記』は3月23日公開。ピュアで残酷なお笑いの舞台裏を描く青春の物語。伊藤淳史、小出恵介、長澤まさみなど豪華俳優が共演。主題歌はファンモンが務めます。

 「五体不満足」の著者である乙武洋匡の、3年間に渡る小学校教師としての実体験を映画化した『だいじょうぶ3組』は3月23日公開。国分太一、乙武洋匡が先生役で共演。監督は『余命1ヶ月の花嫁』の廣木隆一。撮影本番まで先生と生徒の顔合わせはなかったそうで、劇中の子どもたちの驚きや戸惑いの表情は本物のようです。

 以上、ざっとでしたが3月公開の主な映画をご紹介しました。ほかにも、2月から『ダイ・ハード/ラスト・デイ』、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『草原の椅子』あたりが公開されているので、春休みにも楽しめるでしょう。

 ミニシアター系からは、個人的には『ザ・マスター』が気になっています。


bunkatsushin at 08:30|Permalinkclip!

2013年01月31日

男の初恋映画『建築学概論』

 今年初夏に、1本の韓国映画が公開されます。タイトルは『建築学概論』。先日この作品をひと足早く鑑賞し、非常に素敵な作品だったのでご紹介します。ずばり「男に響く初恋映画」なんです。

 初めてタイトルを聞いた時は「なんじゃそりゃ?」という感じでした。配給会社の人に話を聞くと、いわゆる「純愛もの」といいます。当方、純愛ドラマには全く興味がないので、当初は「あっそう…」程度の印象でした。だって韓国の純愛ものなんて星の数ほどありますもの。

 ところが、よくよく話を聞いてみると、何やら面白そうな匂いがしてきます。なんでも、韓国でこの映画にハマったのは「男性」なんだとか。「これは俺たちの初恋だ!」てな感じで熱狂的な人気を博し、『頭の中の消しゴム』などを抜いて恋愛映画の興行成績を6年ぶりに塗り替えたそうです。

 最初はカップルで映画館に観に来ます。けど彼女がいる手前、男性は泣くことができない。そこで、もう1回1人でこっそり映画館に来て思いっきり泣く…てな流れが出来ていたとか(全部配給担当さんの受け売りですが)。夜の回は、缶ビール片手に鑑賞する男性の姿が目立ったそうです。

 結局、劇中の台詞「どうする、お前」が流行語大賞に選出されたり、この映画で女優デビューした、K‐POPグループ“Miss A”のスジがこれをキッカケに大ブレイクするなど、社会現象を巻き起こしました。

 「ほう…そんなに面白いのか…」というわけでサンプルDVDをもらっていざ鑑賞。いや〜配給担当さんの熱弁も納得の素晴らしい映画でした。

 ざっと作品の説明をしますと、物語の主人公は建築士のスンミンと、ヒロインのソヨン。スンミンの大学の初恋相手だったソヨンが15年後に突然現れ、スンミンに家を建ててほしいと頼むところから始まり、現在の家を建てる過程と、15年前の思い出を回想する構成となっています。

 個人的には、現在パートよりも15年前パートが印象的。冴えないスンミンが、評判の美女であるソヨンに恋い焦がれ、関係を深めていくも、色々あってうまくいかない…。「初恋が大学生って遅くない?」とか「そんな美女がいつまでもフリーでおるわけやろ!」とか、「そんな冴えない男に美女の方から声掛けてくるわけないやろ!」なんてツッコミどころは満載ですが、そこは男子の「美しい妄想・願望」の部分を表現したもの。一方で、彼女とうまくいかずに苦い思いをし、夜中に友人にあーだこーだと相談している姿は、まさに男子の「実体験」ではないでしょうか。懐かしい思いと妄想の部分がうま〜く融合し、「美しい自分の実体験」として観てしまえるのです。

 現在パートでは、すでに綺麗な婚約者がいるにも関わらず、初恋のソヨンの登場で揺れ動くスンミンが描かれます。そして、15年前には互いが不器用だったためにわかり合えなかった部分が、少しずつ紐解かれていく暖かみを感じます。ハッピーエンドでもあり、ちょっと切ないエンディングでもあり、観終えた時にはなかなか良い余韻が漂います。作風は違いますが、初めて『猟奇的な彼女』を観た時のような感覚でした。

 そういえば、『猟奇的な彼女』公開からちょうど10年経ちました。今は、「韓国の純愛映画」というだけでシャットアウトしてしまう人もいるかと思いますが(自分もそうだったので)、まあ試しに観てみてください。10年前、ちょっとでも純愛ブームに乗っかった人は、たぶん楽しめると思います。


bunkatsushin at 09:00|Permalinkclip!

2013年01月17日

時代劇『蠢動』、“走る『切腹』”に注目

 15日に、都内で映画『蠢動‐しゅんどう‐』の製作発表会見が行われました。大阪で創業100年の歴史があるメーカーの(元)社長さんが、会社の全株式を売却して、その資金を製作費に充てたという、凄まじい情熱を感じる作品です。映画ファンは要注目でしょう。

 元社長さんの名前は三上康雄氏。三上氏は、学生時代に自主映画を製作しており、最後に撮ったのが『蠢動』でした。今回製作発表された『蠢動』は、この作品のリメイクです。

 内容は時代劇。三上氏は『切腹』『上意討ち 拝領妻始末』などの昭和の時代劇を好んでいるそうですが、最近は観たいと思える時代劇がなく、「それなら自分で作ってしまおう」と考えたのがことの発端。旧作『蠢動』から33年を経て、再び映画の製作に乗り出したわけです。監督も三上氏が務めています。

 享保年間。山陰のとある藩を舞台に、藩の存続を貫こうとする城代家老、藩の命令を貫こうとする剣術師範、正義を全うしようとする若き藩士、藩士への想いを貫こうとする藩士の妹。それぞれの正義と正義の激突が始まる―というのがあらすじ。前半は藩の内情を描くサスペンス、後半は雪中での「走る」「斬る」の活劇が描かれます。

 三上監督は会見で、「『切腹』には及ばないが、気持ちは負けないようにしたい。作品を説明する時は“走る『切腹』です”と言っている」と話しているように、『切腹』を意識した作りになる模様。オマージュを捧げるシーンも入れ込むようです。

 キャストは脇坂智史、平岳大、若林豪、目黒祐樹、中原丈雄、栗塚旭、さとう珠緒の各氏。また、監督自らオーディションを重ねて選び抜いた13人の殺陣集団「チーム激動」も作品を盛り上げます。

 会見で印象的だったのは若林さんのコメント。「時代劇は、最近は変化球ばかり。この作品はど真ん中。脚本を読んで『すごい作品だ』と思い、ぜひやらせてほしいと頼んだ」と熱く語っていました。

 撮影はまさに本日から。クライマックスの雪中での殺陣は、鳥取砂丘で撮影を行うそうですが、ここ3年くらいは2月の3〜5日に雪が積もっているらしく、今回はその日程を狙って鳥取に行く予定となっています。えらいギャンブルですが、何とかその日程で大雪が降ることを願っています。


bunkatsushin at 09:00|Permalinkclip!

2012年12月27日

2012年公開の映画ベスト10

 当ブログで毎年勝手に発表している「マイ映画ベスト10」を、今年も発表したいと思います。よかったらご覧ください。
 昨年と同じく日本映画・外国映画別でご紹介します。ランキングは個人的な好みによるものなので、偏りがあることをご了承ください。対象は、昨年末(11年12月23日〜)から先週(〜12年12月22日)までに劇場公開された作品。私が観た177本(洋画124本/邦画53本)の中から選びました。それではどうぞ!
(ネタバレを含みますのでご注意を)


〜日本映画ベスト10〜

第10位: 「009 RE:CYBORG」
(川井憲次さんが担当した音楽が終始カッコイイ! サントラを毎日のように聴いています。スピード感のあるアクションと非常にマッチしていて、とにかくシビれます。哲学的な結末に、頭の中でいくつか「?」が浮かびましたが、余韻の残る作品です。)



第9位: 「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」
(オッサンには嬉しいギャバンの復活。必殺技『ギャバンダイナミック』が眩しかった! ゴーカイジャーとギャバンの過去は感動的で、「よろしく勇気!」の決め台詞に奮い立たせられました。)



第8位: 「鬼に訊け 宮大工西岡常一の遺言」
(建築業界では有名な宮大工・西岡常一氏(故人)のドキュメンタリー。現場で培った経験と、遥か昔まで遡る建築技術の豊富な知識が次々と披露されますが、どれもこれもが興味深い。槍鉋(やりがんな)など道具へのこだわりは特に注目です。最後の木組みのシーンは最初から最後まで全部観たくなります。)



第7位: 「アシュラ」
(生きるために必要な“殺し”という概念があまりに重い。半端な優しさがアシュラを苦しめる事実にも息が苦しくなります。しかし、「絶望」を通して、激しくヘビーな「生」を描いた作品です。東映アニメーションの気迫を感じる凄い作品。)



第6位: 「BRAVE HEARTS 海猿」
(あまり批評家や映画ファンの映画ベスト10に入ってくる類の作品ではないと思いますが、素直に良かったと思います。航空機の海上着水のシーンで、海上自衛隊が総員体制で待機している姿は胸が熱くなってしまいました。大事件→無事救助→隊員の誰かがピンチ→でも生還。この決まりきった展開は今回も踏襲されますが、なぜか飽きない。黄金のワンパターンと言えるでしょう。)



第5位: 「のぼうの城」
(昨年から今年に公開延期したのが納得の、リアルで迫力のある水攻めシーンでした。2万の豊臣軍にたった500人の兵士で挑んだという、時代劇版「300〈スリーハンドレッド〉」ですが、これが実話だから凄い。これまでの映画の主人公には当てはまらない特異な主人公でしたが、野村萬斎さんが見事に演じられていました。)



第4位: 「麒麟の翼〜劇場版・新参者〜」
(真犯人は誰なのか? 死んでしまった容疑者・八島の疑いを晴らしつつ、少しずつ真実に迫っていく展開にグイグイ引き込まれます。サスペンス的な側面だけでなく、家族の繋がりを描いた人間ドラマに感動できる作品。当初はもっとドロドロと重厚なエグさを期待していましたが、意外とクリーンな内容。でもこれはこれで良かったです。)



第3位: 「アウトレイジ ビヨンド」
(いや〜西田敏行さんが怖い。普段、探偵ナイトスクープでニコニコしてるおっちゃんにはとても見えない迫力でした。実質的な主人公である小日向文世さんの暗躍ぶりも楽しい。全登場人物の思惑が交錯していますが、脚本が上手なので全く問題なし。くどくなり過ぎない、ぎりぎりのところで留めてある説明的な台詞も自分には良かったです。)



第2位: 「へんげ」
(今年の日本映画で、ビックリ度ではナンバーワン。詳しい説明はなしに、いきなり化け物に変形していく夫と、献身的にエサの調達に勤しむ妻。独特の音楽と色で魅せるサスペンスフルな内容から一転、クライマックスは仰天の特撮怪獣映画に! 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』ばりの急展開です。出色の自主特撮映画「大怪獣映画G」の田口清隆さんが特撮監督を務めており、創意工夫を感じる非常にユニークな映像です。同時上映の短編『大拳銃』も良かった!)



第1位: 「外事警察 その男に騙されるな」
(ドラマ版は観ておらず、映画が初見。テロ集団、核博士、NISの思惑が絡み合う謎に引き込まれ、外事コンビの鬼気迫る演技と梅林茂氏による音楽が素晴らしい! 日本映画では珍しい重厚感に溢れる、満足度の高い作品。そして、“その男に騙されるな”って言われてるのに騙されました。)



番外: 「宇宙戦艦ヤマト 復活偏 ディレクターズカット」
(2年前に公開され、個人的には大好きだった作品のディレクターズカット版。結末が大幅に変わっていますが、これもアリだなと。いや、こっちの方が自然だったりして。)


つづいて・・・
〜外国映画ベスト10〜

第10位: 「ロボット」
(インドはなんちゅう映画をほり込んでくるんでしょう。スーパースター、ラジニーカント扮するロボット「チッティ」が大群で不気味なフォーメーションを組んで襲ってくるクライマックスは、ちょっと夢に出てきそうな衝撃度。アクション、ダンス、恋愛、感動と、映画の良いところを全て盛り込んだスーパーエンターテイメント。)



第9位: 「ファミリー・ツリー」
(ハワイの美しい景色を背景に、バラバラだった家族が妻の事故と浮気発覚により、結束する様子を描くドラマ。真相の解明と妻の浮気相手との接触にドキドキしたり、クルーニーのドタバタ走り回る姿にクスッと笑ったり…。小さな話を、こんなに面白いストーリーに仕上げるのだから恐れ入ります。良作。)



第8位: 「アルゴ」
(実際の映像と、それを忠実に再現した映像を融合した冒頭のシーンから、ベン・アフレック監督のこの作品に懸ける意気込みが伝わってきました。イランから人質を救出するため、ニセの映画製作を実行するという前代未聞の作戦。緊張感と滑稽さが表裏一体となった痛快な作品で、素直に面白い!と言えます。これが実話だから驚き。俳優も実際の人物と非常に似ていました。)



第7位: 「遊星からの物体X ファーストコンタクト」
(いや〜キモかった。より不気味になった宇宙生物が現れる中、今回も人間同士の探り合いを緊迫感溢れる中で描いています。変な要素を付け加えたりせず、前作「遊星からの物体X」の骨子をしっかり受け継いだ、忠誠心を感じる内容。この作品を作った人たち、前作のことが大好きだったんでしょうね。)



第6位: 「オレンジと太陽」
(ケン・ローチ監督の息子、ジム・ローチ監督のデビュー作。英国のスキャンダル、強制的な「児童移民」問題に真っ向から向き合った女性の実話。脅しの恐怖にも静かに粘り強く耐え、誠実に問題に取り組む主人公を、エミリーが名演。元児童移民たちの気高さにも感動します。)



第5位: 「バトルシップ」
(ストレス溜まってる人はこれを観てください。何も考えないで楽しめます。海軍へのリスペクトを感じるド迫力アクション。クライマックスの戦艦ミズーリでT字戦法の場面は爽快感MAX。監督は日露戦争のこともよく知っているんですかね。CCRやAC/DCの楽曲も最高でした。)



第4位: 「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」
(ちょっと不気味だけど心優しい2人。でも彼らを殺人鬼と勘違いした若者グループが、勝手に自滅していくという、ブラック・コメディ・スプラッター。いや〜笑いました。木材破砕機に勝手にツッコむ奴、逃げている最中に前方不注意で木の串刺しになる奴…。さらに、若者グループに一人、猟奇的な学生が混ざっていたからさあ大変! 今年一番の爆笑作品です。)



第3位: 「戦火の馬」
(第一次世界大戦下のヨーロッパを転々とし、敵・味方、どちらの部隊の手にも渡る軍馬ジョーイだが、そこには必ず、馬を愛する人間がいた…。激動の戦時下でも、必ず良心は存在する。希望に満ち溢れた感動の傑作。敵対する英独の兵隊が、鉄網に絡まったジョーイを助けるために協力するシーンは涙なしでは見られません。)



第2位: 「最強のふたり」
(「映画っていいな」と思える作品。障碍者にもズケズケと遠慮なしに物申すドリスと、それを楽しそうに聞くフィリップ。彼らの友情に、観ているこっちもぬくぬくと心が温まっていくのを感じます。冒頭に流れる「セプテンバー」も最高でした。)



第1位: 「ドライヴ」
(今年というか、近年最高の作品。惚れた女とその息子のために、命を懸けて危険な戦いに挑む寡黙なドライバー。夜の街をスタイリッシュに映し出す映像、ライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンの余韻や間を楽しむような会話、容赦のない残酷描写、そしてあまりにも素敵なシンセサイザー・ポップの音楽…。その酔いしれるような雰囲気を楽しむ映画です。カッコイイいいを通り越して、映画に惚れてしまいました。)



 以上が私の日本映画・外国映画別の2012年ベスト10です。総合では「ドライヴ」を1位に推します。
 なお、このランキングに入った作品以外で、私が好きだった作品も下に列挙しますので合わせてご覧ください。


〜日本映画〜
「あなたへ」
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」
「ALWAYS 三丁目の夕日 `64」
「北のカナリアたち」
「苦役列車」
「死刑弁護人」
「人生、いろどり」
「天地明察」
「はやぶさ 遥かなる帰還」
「HOME 愛しの座敷わらし」
「放課後ミッドナイターズ」
「LIGHT UP NIPPON〜日本を照らした、奇跡の花火〜」
「るろうに剣心」
「聯合艦隊司令長官 山本五十六」
「わが母の記」
「ONE PIECE FILM Z」

〜外国映画〜
「アーティスト」
「アタック・ザ・ブロック」
「アベンジャーズ」
「アメイジング・スパイダーマン」
「依頼人」
「イラン式料理本」
「エクスペンダブルズ2」
「おとなのけんか」
「ザ・レイド」
「人生の特等席」
「ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春」
「ダークナイト ライジング」
「TIME/タイム」
「007 スカイフォール」
「誰も知らない基地のこと」
「デビルズ・ダブル‐ある影武者の物語‐」
「デンジャラス・ラン」
「トールマン」
「トガニ 幼き瞳の告発」
「ドラゴン・タトゥーの女」
「フライトナイト/恐怖の夜」
「ヘッドハンター」
「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」
「マイウェイ 12,000キロの真実」
「マダガスカル3」
「マリリン 7日間の恋」
「ミッドナイト・イン・パリ」
「メリエスの素晴らしき映画魔術/月世界旅行」
「メン・イン・ブラック3」
「ヤング≒アダルト」

長々とお付き合いありがとうございました。
2011年のランキング
2010年のランキング
2009年のランキング
2008年のランキング

bunkatsushin at 08:30|Permalinkclip!

2012年12月13日

すごいぜ!『デッド寿司』

 ユーチューブにアップされた予告編が100万アクセスを記録したという注目の日本映画『デッド寿司』を試写で先日観たのですが、めちゃくちゃ面白かったです。「予告編が一番面白かったりして…」なんて一抹の不安を抱えながら試写に赴きましたが、そんなもんは杞憂に終わりました。

 ある薬物を注入され、殺戮生物と化した寿司が人間に襲い掛かるという、超おバカなこの映画。『片腕マシンガール』や『ロボゲイシャ』の井口昇監督がメガホンをとり、『ハイキック・ガール!』の武田梨奈さんが主演しました。

 とある寂れた旅館を舞台に、悪徳製薬会社の社員らが泊まったことによるトラブルで、寿司が殺戮生物に変身。旅館に務める人や、製薬会社社員が襲われる中、主人公のケイコ(武田)と旅館の雑用係(松崎しげる)がこれに立ち向かうというのが物語の概要。

 まず、変身したデッド寿司のキモかわいいこと! 特に、弱気で愛らしい玉子ちゃんにはなぜか胸キュンしてしまいます。性欲溢れるエビゾーには笑っちゃいますし、ほかにも個性的なヤツらが何匹も。全キャラをストラップ化して集めたくなります。

 しかし、それ以上に出演者の皆さんの爆笑熱演が最高です。寿司が人を襲うという設定だけで90分も持たせるの難しいと思っていたのですが、登場人物がみんなイキイキとおバカをやっていて、全然飽きません。井口監督の作品は『ロボゲイシャ』と『ゾンビアス』の2本だけ観たことがありますが、それらの作品に比べ、今回はより登場人物が濃厚で個性が際立っていました。

 特に、旅館の女将役で登場する亜紗美さんは物凄いですよ。詳しくは書きませんが、大量の白飯が口から出るシーンは、マスコミの試写室で爆笑が起きました。そのシーンが終わった後も、自分は思い出し笑いを抑えるのに必死でした。個人的には、来年の日本アカデミー賞助演女優賞は彼女に差し上げたいくらいです。(今、この文章を書いている最中も、思い出し笑いしています)

 ほかにも、日本でよくあるキスシーン(?)や、女体盛りのシーンなど、爆笑必至の場面がテンコ盛り。スカッと笑いたい人には自信を持ってオススメします。

 あと、主演の武田さんは、『ハイキック・ガール!』の時より演技が上手くなったような気がします。今回はハイキックの場面は少なかったですが、寿司ヌンチャクはお見事でした。

 公開日は2013年1月19日(土)。年明け一発目に観て、ぜひ幸せなひとときを味わってもらいたいです。


bunkatsushin at 09:00|Permalinkclip!

2012年11月29日

映画ファンに朗報、「未体験ゾーンの映画たち」第2回開催

 東京と大阪の映画ファンの皆さんに朗報です。なかなか一般では劇場公開されにくい、未公開系映画を集めて一挙上映する特集「未体験ゾーンの映画たち」が帰ってきます。

 今年のはじめ、東京ではヒューマントラストシネマ渋谷で第1回が行われました。ホラー、アクション、人間ドラマ、エロ、サスペンスとジャンルは何でもありで、計17本が2週間ずつ、約半年間に渡って上映されました。私はそのうち7本を鑑賞。自主映画の延長では??と思うほどローバジェットのアクションもあれば、ビックリするほどハイクオリティな映画もありました。特にスプラッターコメディ『タッカーとデイル』は秀逸。今年観た映画の中でも屈指の傑作でした。いや〜侮れない「未体験ゾーン」!

 この企画、お客さんだけでなく、参加する配給会社からも好評だったそうで、待望の第2回が決定しました。渋谷の同館では来年の1月12日から、大阪ではシネ・リーブル梅田をメインに開催されます。今回は作品数が増えて計21本に。期間は3月22日までで、前回の1作品2週間ずつの上映形式を変更し、約3ヵ月間、ランダムに上映していくそうです。

 未公開系の映画と言っても、出品されたラインナップを見る限り、「なんでこれを通常のロードショー公開しないの??」と思ってしまうような作品ばかり。ブルース・ウィリス出演作、ポール・ジアマッティとダスティン・ホフマン共演作、スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイ共演作、アーロン・エッカート主演作、マーク・ラファロとイーサン・ホーク共演作などなど…。個人的には、ウィル・フェレル主演『俺たちサボテン・アミーゴ』や、『チョコレート・ファイター』のジージャー主演『チョコレート・ガール バッド・アス!!』が気になっています。

 まだチェックしていない方、至急劇場のホームページでラインナップを要チェックです。ちなみに、前回人気のあった3作品を再上映する企画も実施される予定。もちろん『タッカーとデイル』も入ってますよ!


bunkatsushin at 09:00|Permalinkclip!