明治20年

上方落語史料集成 明治20年(1887)ニ

明治2068日 朝日新聞

◇[広告]純粋傍聴無料 ぜに一厘もいらず 明治政談演説会/生儀兼テ内務大臣ヨリ日本全国内政談停止ノ命ヲ蒙リ居候処、今般期限相満候ニ付、来ル六月九日道頓堀角演劇場ニ於テ午后七時ヨリ開会ス 但シ無料通券ハ芝居裏相合橋筋東へ入松井ミネ方ニテ相渡申候/弁士 川上音二郎君出席

明治20611日 朝日新聞

◇川上音二郎の演説 一昨日道頓堀角の芝居にて改良二〇カ師川上音二郎が政談演説会を開きしが、何が偖(さて)傍聴無料なる上に白米五合づゝの券を施与するといふ事なれば、場中立錐の地もなかりしが、同人は演説を了りて、拙者は御承知の如く芸人仲間に入り諸君の愛顧を蒙り銭儲けをなしたるに付き、白米五合づゝの券を千五百枚施行致したければ、聴衆の最寄に貧民あらば与へられたく、本夜より三日間相生橋筋芝居裏松井かたにて現米と引替申べしと述べたるにぞ、之を貰はんと我一に木戸口へ詰懸け、大に混雑を極めたりといふ。

明治2072日 朝日新聞

◇[広告]七月二日三日両日午后第六時・於松島文楽座/まよいのめざまし 哲理学演説会 川上音二郎出席

明治20721 神戸又新日報

三遊亭圓生広告<永瀬の円喬、神戸に現れる

◇三遊亭圓生 本日の広告欄にある如く、常春来楠社内定席に出勤せる東京落語家三遊亭圓喬は、此度師匠圓朝の勧告により、前人の跡を継ぎて三代目圓生と改名したるよし。同人は三遊亭連中にても若手の花形にて、前年清佛戦争の際、福州に渡りて親しく戦地を一覧し、帰路朝鮮にも立寄り、其後九州辺に久しく滞在して、修行旁腕前イヤ口前を顕し居り、當港に来たりてよりも既に半年余に及びたるを以って、来る九月頃には一応帰京のうえ改名の披露をなす積なりとか。因みに云う、同人が品行に関し此程云々の噂ありしは、別に取留もなき浮草の根無し言なりとのこと聞く、好まゝに付記す。

<編者註>この噺家は本名永瀬徳久。長崎で圓喬を名乗り、露の五郎兵衛、圓寿、圓相、全亭武生などを経て、六代目朝寝坊むらくを襲名した。東京の橘家円喬とはまったくの別人である。

明治20731 日出新聞

落語家のお誂物 明一日より伏見平野町の定席にて京都新京極通り笑福亭の落語家桂力造、桂菊枝の一座が当世娘演舌と即席曲弾等をなすよし

明治20814 日出新聞

落語研究会 去る十一日の夜より伏見風呂屋町末広亭にて京都新京極通り幾代席の落語家曽呂利新左衛門の一座がかゝり例の判穴戯長、弁誤人等を設け落語研究会を催ふせし処頗ぶる好人気にて毎夜大当りなりと

明治20818 愛知絵入新聞

◇桂福助 兼て芝居噺等を以て名の高かりし落語家桂福助は、病気にて長らく床に臥し居りし処、頃日(このごろ)、遂に冥土の旅へ出稼ぎと出掛けたるよし。

明治20826日 朝日新聞

◇[広告]今八月廿六日午後六時・天満天神芝居ニ於テ、宗教論駁哲理学演説会 川上音二郎氏出席

明治20911日 金城新報(名古屋)

◇当区富沢町富本座に於て、今日より例の講談師石川一夢は大奮発にて、昨今音羽屋が興行し居る、「四千両黄金の白浪」実録を講釈して、何れが一番入りを取るか競争して見んと心掛丈けの意気組にて、兎に角、聞物ならん。

明治20915日 朝日新聞

◇[広告]今九月十五日午后第七時・北新地福井座ニテ宗教駁撃哲理学演説会/何人ヲ論ゼズ質問討論ヲ許。弁士若シ敗ヲ取リタルトキハ玄骨三ツハ不苦/本会弁士川上音二郎謹白

明治20915 日出新聞

<弟子が師匠を破門する>

曽呂利新左衛門 サテ替り合ましてと出掛けるやうな陽気な話ではないが京都大坂の間で落語家の真打といへば先づ曽呂利新左衛門桂文枝桂文東翁亭三馬の四人に止まる其内の新左衛門(四十四年)は女房おたか(四十二年)との間に長女雪松(十八年)とて当時伊予の宇和島にて芸妓を稼ぎをる外に長男栄次郎(十三年)次女おあい(五年)とて都合三人の子あり随分所帯苦しき身なるに近頃またお千代と呼べる妾をおき此千代に延三郎といふ連子もあり中々落語家には似合しからぬ大暮しなるより自然家内が不手廻りとなり始終ゴテ〳〵してゐるを弟子中のものが心配して種々意見すれど疲ても枯ても曽呂利新左未だ弟子から意見を聞くやうな耄碌はせぬと取合ぬ所より弟子中も立腹し師弟の因みがあればこそ斯く意見もするなるに師匠が爾いふ気前なら迚も末の見通しがつかぬゆえ此上は弟子の方から師弟の因みを断んと熬かへつてをるよし東京では力士社会で弟子が師匠を破門する事の流行すると聞しが其風が京都の落語家社会に吹入つたものか知らんテ

明治20101日 朝日新聞

◇[広告]今一日午后第七時ヨリ堀江明楽座ニ於テ開会/血涙政談演説会 弁士川上音二郎氏主席

明治20102 金城新報

◇本年六月頃より区内の芸人と寄席亭の間に紛紜を生じたる事、其頃にも一寸揚げたるが、其紛紜は未だにとけあわずありし処、今度、当区花園通り伏見町角の鳥周(ちょうしゅう)とか云へる小間物屋が大奮発にて、千円の金をなげうって、京阪にもなき大寄席を設けんとて、先頃、区内芸人達を招き、種々相談したりという。

明治20102日 朝日新聞

◇[広告]兵庫日向神社内日本座ニ於テ今二日午后七時/哲理学演説会 弁士川上音二郎氏出席

◇[広告]愈明三日午后七時開会道頓堀角芝居ニ於テ第二回無料演説/傍聴人ハ煙草盆敷物等一切請求スルヲ許サズ/無料通券ハ中之芝居西横丁自宅於テ相渡ス/会主 川上音二郎謹告

明治20105日 朝日新聞

◇[広告]十月六日午后六時ヨリ堀江明楽座ニ於テ開会/児童教育理学の演説会 会主川上音二郎外有志/十五歳以下ノ児童ニ限傍聴無料、且飛入勝手

明治20109日 朝日新聞

◇[広告]西区新町新町座ニ於テ第三回傍聴無料明治政談演説会 今明両夜 晴雨論ゼズ/無料通券ハ中芝居西横丁川上学舘及ビ新町座ノ両処ニ於テ相渡ス/弁士 川上音二郎氏出席

明治201013 愛知絵入新聞

◇寄席と芸人の和解 當区の寄席と芸人の間には兎角扮擾絶へずとのことは曽て聞く処なるが、其筋に於いても此辺へ注意せられしや、右等の取締の為め今度芸人(興行師)の内紛を定め、取締役壱名ヅツを取極め願出ることになりし由にて、其取締役は浄瑠璃にては名越太夫、軍談にては高田伯龍、噺し家にては三玉斎等なりと聞及べり。

明治201022日 朝日新聞

◇大阪府公文 府令第百五号

非政談演説若くは学術演説会と唱へ公衆を集め木戸銭又は敷物料等を受くるものは、名義の何たるに拘はらず明治十五年「九月」甲第九十三号布達寄席取締規則に準拠すべし(但即日より施行す)/明治二十年十月二十二日 大阪府知事 建野郷三

明治201022日 朝日新聞

◇[広告]京都諸君ヘ広告/明廿三日午后第七時ヨリ四条南芝居ニ於テ 迷信破覚  無宗教演説会/本会ハ古来未曾有ノ演説ニシテ拙ナシト雖、余ガ一生懸命ノ学才ト弁舌ヲ奮ツテ無宗教説ヲ伸張シ、以テ宗教家ノ御本陣タル京都民心ニ一大運動ヲ試ミント欲ス、乞フ志アラバ来レ

/弁士 川上音二郎 謹デ告グ

明治201025日 朝日新聞

◇寄席の混雑  (前略)此程より市中は勿論接近郡村の場末の人寄席迄も一種の手段を考へ付、非政談とか学術とか仏説とか云ふ冠辞を付て演説会を興行し、表看板には傍聴無料と大書し、其内幕にては弁士と相談の上、五分五分若くは四分六分杯との割合にて、油代等の口実を設け二銭、三銭宛の料を取る事が流行なし、尤も右の仕組にては警察署へ届出る世話もなく、又演説とさへ云へば当時の人気に適すると表面無代価とある二つにて、聴人の殊の外多かりし処、之に就ては落語、俄狂言其他の芸人は窃に不平を抱けると。

又一つには右の如き演説会の興行を不都合なりと認めしか、去廿二日の紙上にもあるが如く、此度府知事は一令を発し、非政談演説若くは学術会と唱へ公衆を集め木戸銭又は敷物料等を受くる者は、名義の何たるに拘はらず、明治十五年九月甲第九十三号布達寄席取締規則に準拠すべしと達せられたるより、頃日の勢にては各席毎と云ふも宜しき程に何々演説との看板を出しあるを一時に取下す傍ら、弁士の中には芸人仲間に加入する手続きをなすもありて、なかなかの混雑なりしが、又寄席の中には今斯る事に立至る以上は是迄の如く官吏を罵詈し、巡査を悪口するを以て秘訣とする如き演説を興行して、若し万一の事あれば其責我々に帰して甚迷惑を被るべき故、以後は矢張り落語、俄狂言等の方を取らんと云ふ者多く、僅か二三日の間にして其目的に大変動を生じたる由。尚各警察署にては従前夫の非政談云々杯との演説会には特務掛りが一二名出張せしに過ぎざりしも、今後は公然警官の出張する事となりしと云ふ。

明治201028 中外電報

三遊亭円喬 円朝の門人なる円喬は今度東京より来り新京極笑福亭に出席し改良人情続物語といへる一枚看板を掲げ得意の滑稽人情話しをなし居れり

明治201029日 朝日新聞

◇席主の一手段 非政談演説会の弁士も第百五号の府令に依り寄席取締規則に準拠する事となり、従来の如く勝手気侭に演説会を開く事のなり難くなりしより思付きしものか、一昨日北警察署へ三日間傍聴無料にて浮世ばなしを催さん事を届出たる処、同署にては早くも夫と眼付けん、浮世ばなしの趣意を記して届出でよとありしにぞ、席主は再び其趣意を書して更に届出しに、不都合の廉ありし故ありし故認可ならざりしといふが、是も席主の一手段にてありしなるべし。

明治20113日 朝日新聞

◇何も角も筋書 二〇カを興行するにも其筋書を添て警察署へ届出るやうになりし事は先号[一日に記事あり]の紙上に記したるが、猶警察署にては以来二〇カに限らず軽口、落語、錦影絵等と雖も夫々筋書を要する事となし、其中風俗を紊るが如き者ある時は之を認可せず、而して其筋書の要ぬものは只浄瑠璃のみなりといふ。

明治20115 日出新聞

幾代席と笑福亭 新京極通りの落語幾代席にては過日真打の曽呂利新左衛門(桂文之助改め)が大阪へ赴きし以来元呉[]竹と云ひし可楽が真打となり外に桂藤兵衛とこれまで笑福亭に出てをりし吾妻こと改め芝楽の一座が昼夜張扇子をパチ〳〵させて勉強するゆゑ昨今は至極評判よろしく次に笑福亭は当時東京の円喬が人情噺しを演じをり是亦た存外の好評なりといふ

明治20118日 浪華新聞

<桂文若死亡>

◇(前略:手品師大鹿由太郎の縊死の記事の続)同日同刻(十一月五日昼)ごろ、此(神戸楠公社内戎座)の向ふなる菊の席に懸って居た落語家桂文若(四十八)は、何か頻りにお饒舌(しゃべ)り中、ウンと言って反替(そりかえ)り、是れも其の儘に頓死したとは、否(いや)な話しの二幅対。

編者註〉『明治の演芸』(4)より孫引き。『落語系図』の初代桂文枝門人の欄に「文若」と名前だけ出ている。

明治201119 日出新聞

落語家の泥棒 新京極の笑福亭へ出席する落語家江州蒲生郡八幡宮田町の林[]米助は去る十二日丹波国へ往き瀬生より貴船へ越す峠にて束髪の道具と外二品を風呂敷に包みしまゝ拾ひ取りて届け出ず又去る十六日八坂神社へ参詣し同境内東林揚弓店浅田ふみ方のブランケツト一枚と首巻二枚を窃取したる科により一昨日京都軽罪裁判所にて重禁固二月十五日監視六ケ月に処せられたるが監獄では見台を叩く事も出来まいから大分藁でも叩くであらう

明治201121日 神戸又新日報

◇愛知岐阜震災義捐金/…金五圓 菊水某 菊野菊松 日の出開山 平野治郎右衛門 古満清七 田中庄太郎 住谷儀助

明治201126日 朝日新聞

<宮崎八十八逮捕される>

◇出版条例違犯の嫌疑 南警察署部内にて京都下京区三十一組鉾田町二十四番戸神崎総八の出版にかゝる□□要略とて、廿年暦に類似の者を買受し者あり。又神崎といふ名に就ても不審の廉あれば、段々取調しに、其購ひたる者は難波新地四番町三十一番地人相見業宮崎八十八たる事の知れ、早速同人を召喚、審問の末、服部警部補は八十八方へ出張して家宅を捜索せしに、二階釣天井の上と畳の下より該本四百十七冊と版木十五枚を発見せしを以て、猶同人を取調し処、右は全く購ひし者にあらずして、同人の出版にかゝる無免許の本を他人の名義を付して出版せし者の如く思はるれば、其の嫌疑により一件書類を取纏め、出版条例違犯の廉を以て昨日検事へ求刑の手順をなせりとの事。

明治201126日 朝日新聞

◇[広告]今般徳島県有志家ノ招待ニ応ジ政談演説ノ目的ヲ以テ該徳島ニ向テ発ス、依テ明日ヨリ一週日間不在ニ付、此段来訪諸君ニ告グ/南区西櫓町 川上音二郎

明治201211 中外電報

落語師の芝居 新京極幾代席笑福亭に出勤の落語師聯合して来る廿日迄の中二夜四条南の芝居か又は新京極夷谷座にて(未だ確定せず)催す芝居の芸題は切られ与三郎、伊勢騒動油屋おこん、鎌倉三代記三つ目切狂言に手踊り景事一幕を出すよしにて昨今稽古最中なりと

明治201220 日出新聞

了○落語の添へ物 歳首。歳末に祝儀とか何とか云ひて各商店より夫々添物を出す事は左のみ珍らしからねど落語家が添物を出すとは一寸代つた趣向。新京極蛸薬師下る幾代席にては桂藤兵衛。三笑亭芝楽。同可楽の一座にて落語を興行中なるが本年の歳暮として聴客の依頼に応じ三題宛洒落噺を添物に演ずる由

明治201222日 朝日新聞

◇[広告]川上音二郎事芸名浮世亭〇〇/今月廿一日ヨリ昼夜共弊席ヘ出勤ス/神戸楠公社内はなし席

明治201222 金城新報

◇朝日亭 新地花園通り富岡町角に新築の寄席朝日亭は、弥々落成に付、明二十五日に席開きをするといふ。その出方は諸芸の大寄せにて、大切は大坂の女義太夫照玉が出席するとの由。又此際を機とし、暫く葛藤筋にて聘せられず、意地張って居た席主と芸人との和睦を或る人が仲裁してされらりたりと。是は宜しきお扱いなり。

明治201223日 朝日新聞

◇千日前一月の興行 同所の大紋日と為す一月の諸興行は、西側の分常磐家重尾ヘラヘラ踊、曽呂利新左衛門改良噺、たにし一座改良二輪加、桂文枝一座落語、諸芸博覧会。東側の分竹沢万作曲独楽、中村一座女手踊、桜井亀井両座合併照葉狂言、伊勢川扇女大女、大江の絨細工天神一代記の活人形、宮川松之助一座緞帳芝居なりと。

明治201224 金城新報

<旭亭開場>

◇新地花園町通り富岡町角に新築の寄席朝日亭(編者註:旭亭)は、愈々落成に付き、明二十五日に席開きをするという。

上方落語史料集成 明治20年(1887)一

明治2016日 朝日新聞

◇[広告]二〇カ改良会 一月六日ヨリ於日本橋沢ノ席 作者兼出席 川上音次郎 外二〇カ竜玉一座

明治20114日 朝日新聞

◇[広告]今明十四五両日午后六時ヨリ新町扇屋席ニ於 英国発明機械幻灯大演説会 運転手ゲリーイ 講師野崎詮 客員川上音二郎

明治20115日 朝日新聞

◇[広告]今十五十六日両日間午后六時・於堀江明楽座 賽子のばくちのえんぜつ 賭博論大演説会 きかねばならん 自由童子川上音二郎氏出席

明治20118日 朝日新聞

◇[広告]

今一月十八十九日両日午后五時ヨリ日本橋沢の席におゐて 児童教育演説 弁士川上音二郎出席

明治20120日 朝日新聞

◇[広告]今二十日・三日間午後六時生玉おたび席にて 英国発明幻灯機械 通俗教育大演説会弁士 成等凌雪居士自由童子川上音二郎野崎覚念居士運転手 大寺六太郎

明治2024日 山陽新報(岡山)

◇落語研究会 天瀬巴玉亭にては昨日より向う三日間、落語研究会を開く。

明治2028日 朝日新聞

◇劇場通信 京都坂井座は正朝、駒之助、仙昇、鰕太郎等の一座にて、前八犬伝、切南洋嫁島月。是は東洋のロビンソンと称する田中鶴吉氏の牧畜事業を新に脚色しものにて、加ふるに彼自由童子川上音二郎が俳優となつて此一座に加はり一等属辻森の役を勤むるにぞ、日夜大入を占め、近頃多く見ざるほどの好景気なりと。

明治20215 日出新聞

京角座の演説 明日午後七時より道場芝居にて催ふす演説者永瀬徳久といふ男は熊本県士族にて支那へも折々渡航し今度東京より来りて一場の演説を試みるとの触込なるが其演題へ演劇改良の利害を論ず又日清両国水兵事件結局に感ありの二題なりと

明治20218日 扶桑新聞(名古屋)

◇芸人の税金 当区内の内、芸人にて一等の税金を納める者は、先般東京より小川町へ寄留せし俳優市川荒五郎又た中山喜楽の二人にて、次ぎは八坂町の説教源氏節手踊人形使いの岡本美狭松及び外田町の祭文読桜川雛元の二人。其他相撲にては三ツ湊一人。又た東京より当区に寄留して居る講談師小林天山、浮れ節東三光などは、芸は相当なれど、二等なりと云う。

明治20223 日出新聞

吹よせ興行 本日より昼夜三日間の間新京極道場京角座に於て下京廿組宮川筋五丁目に住み新京極笑福亭に出席せし落語家吾妻こと加藤栄太郎が催ふしにかゝる見物無料の諸芸吹寄せを興行するといふ

明治20224 中外電報(京都)

<永瀬の円喬京都に現れる

三遊亭円喬 東京の落語家三遊亭円喬は一昨夜より新京極幾代席に出席する由なるが中々評判よくして意外に大入を占むると聞けり

明治2033 日出新聞

諸芸吹寄せ 下京廿組宮川筋五丁目の吾妻こと加藤栄太郎が発起となり新京極道場にて催す諸芸吹寄せ会は其後内幕に種々の捫着ありて頓と興行する運びに至らざりしが愈よ昨二日より五日間同通りの大西座にて催ふす事になり笑福亭。幾代席の落語家及び大西座の俄師等も出席するといふ

明治2034日 朝日新聞

◇[広告]今四日午後六時・松嶋千代崎橋日ノ出席 滑稽悲憤慷慨血涙改良講談/○大久保参議ヘ島田壮士輩暗殺宿意ノ事実○ギリシヤ自由ノ籏揚○盗賊秘密之法○束髪洋服ノ日本婦人ニ適セザル事○仏教無仏論耶蘇教無神論自由童子川上音次郎氏出席

明治2039日 朝日新聞

◇[広告]今九日晩・堀江明楽座ニテ一週日間 新奇妙作おどけしばい 滑稽演劇/芸娼妓官員書生坊主南京の穴さがし・束髪チヨンマゲの理屈裁判其外めずらしき芸題川上音二郎外 座摩二〇カ一座

明治20310 日出新聞

曽呂新の企て 芸人社会に在て先づ芸の巧拙は措おき兎角品行を紊し醜聞の世上に流るゝもの尠からず毎度新聞紙のご披露にあづかる所なるが近ごろ諸事改良の議論八釜しく着々其好結果を見るに当り右芸人社会の風儀も亦因襲のまゝ存じおかんは宜しからざる事は今更申までもなけれど之れを改良すると共に其肝心なる技芸も改良を計らざるべからずとて曩にも記せし如く新京極幾代席の落語家曽呂利新左衛門が発起者となり同席主中島清兵衛。同落語家桂藤兵衛等と計り家業の暇ごとに品行矯正兼演芸改良会を催ふし昨今に至りては追々賛成者も加はりて発句狂歌冠句付等をも催し専ら此会の盛大を企て当分月三回づゝ開会しをるとか

明治20311日 朝日新聞

◇[広告]昨十日正午十二時・昼稲荷裏門前講釈席於て改良講談〇耶蘇教無神論〇宗教未来記〇民権国家破烈論〇盗賊秘密談川上音次郎氏出席

明治20315日 朝日新聞

◇[広告]今十五日より毎日昼だけ当境内俄席に於て従来の一座の上へ有名なる川上音次郎君を聘し、新奇珍作改良二〇カ興行仕候に付、当世に意を注ぐ諸君は続々御来場奉待候以上/座摩神社境内 二〇カ定席

明治20317日 朝日新聞

◇[広告]今十七日千日前神崎席 改良民権二〇カ/作者兼出席 川上音次郎君/外三玉一座〇たにし一座〇竜玉一座合併

明治20320日 朝日新聞

◇[広告]今廿日有名ナル川上音二郎君ヲ聘シ、新奇珍作腮はづし臍の宿がへナル改良二〇カヲ興行致候間、当世ニ意ヲ注グノ志士ハ来観アラン事ヲ/御霊社内 尾野俄定席

明治20331日 朝日新聞

◇[広告]来ル四月一日ヨリ十二日間堺宿院卯ノ日座ニ於テ 新奇妙作  改良二〇カ/右有名ナル川上音二郎君ヲ作者ニ聘シ、且ツ改良狂言ヲ仕組、諸君ニ入御覧候間、御入来ヲ願/作者兼出席 川上音二郎君 外三玉二〇カ一座

明治2041日 朝日新聞

◇[広告]四月一日ヨリ十日迄午后一時ヨリ御霊社内尾野席ニテ 川上音二郎君戯作改良民権二〇カ 芸題がへ・ 新奇妙作/右同席ニテ同午后後三時ヨリ同八時迄 哲理学演説 婦女子早わかり 弁士川上音二郎君出席/右同席ニテ同八時ヨリ十二時迄 川上音二郎君戯作出席 改良二〇カ 御霊社内 尾野席主

明治20331 日出新聞

慰みもの 上京千本一条上る劇場にては本日より女浄瑠璃。岩神の席にては明一日上京三組寺の内通り大宮西入る二丁目中猪熊町実川若之助が舞の大温習。新京極道場の京角座にては来る三日より松旭斎天一の西洋手品と水芸。新京極四条上る元勧商場に新設の大寅座は新規開場かた〴〵明一日より尾半。小半の一座にて俄。同通り四条上る西側千切屋席にては東京下りの松林正遠が明日より新古通称教伝講談をなすよし

明治2042 日出新聞

影絵 昨一日より伏見風呂屋町高島喜助所有の芝居小屋にて富士川都正同正九同正蝶等の一座が俳優似顔演劇の大仕かけ影画を興行せし処何れも真に迫りて至極の好評なりといふ

明治20416日 朝日新聞

◇[広告]神戸楠公社内戎座ニテ十六日・一週日間昼夜/新奇妙作改良二〇カ 大坂上等□二〇カ一座/作者兼ル 川上音二郎氏出勤

明治20427日 朝日新聞

◇[広告]川上音二郎改良二〇カ一座初日ヨリ大入ニ付、祝ヒトシテ表方一統ヘ昨廿五日ノ一日間上リ高金悉皆被下表方、一統欣喜ニ堪ヘズ、難有奉鳴謝候也 神戸楠公社内戎座表方中 川上音二郎君外二〇カ一座御中

◇[広告]川上音二郎氏戯作改良二〇カ大入ニテ三日間日延ベ候処、尚大入ニテ木戸〆切遅刻来場ノ御客ヘ気ノ毒千万夫故、尚ホ本日ヨリ三日間日延ベ木戸午後六時限〆切/芸題替国事犯磯山清兵衛就縛之事実其他新作狂言神戸楠公社内 戎座々主

明治2051日 朝日新聞

◇[広告]五月一日ヨリ北新地裏町席ニ於テ第弐改良二〇カ 朝日新作糸山清兵衛続き二冊/作者兼ル 川上音二郎氏出席

明治2053日 神戸又新日報

◇改良演劇 二三日前の夜限開場したる楠公内戎座川上音次郎一座の改良二○加は、意外の大入なりしに付き、更に同人が若手の俳優と一座となり、改良演劇という同座に興行せんとて目今用意中なりとか。

明治2059 神戸又新日報

◇改良演劇 去日の本紙上に、かの改良二○加を楠公社内戎座に於いて興行せし川上音次郎が、更に改良演劇というを興行せんとする由を記せしが、愈々中村駒冶郎、坂東多三郎等の俳優と連合し、本日より右改良演劇を同座に於いて興行するとの事なり。

明治20510 中外電報

人情噺 三遊亭円朝門人三遊亭円生及び橘家延三郎(橘家橘之助の師匠)の両人は此頃尾州名古屋に於て興行中なるを京都にも招き来り来月一日より新京極道場か福井座にて興行するとかいへり

明治20511日 朝日新聞

◇劇場通信 彼川上音次郎は今度神戸楠公社内の芝居に出勤して幕の間に演説をなし、又一場丈改良芝居に首を出す由にて、其芸題は日本魂自由旗色、前後の狂言はミドリにて、二三日の内に開場。俳優は尾上多井蔵中村福丸等の一座(後略)。

明治20520 日出新聞

為永栄二翁の追善 昨年虎列刺病流行に付諸興行物停止を受け尾州名古屋伏見町三丁目の旅人宿三嘉方に滞在中憐れ無常の風に誘はれて黄泉の人となりし娘演説の開祖東京本郷区湯島天神一丁目十二番地講談師為永栄二翁のため特に同人贔負の四条御旅町襟善こと山崎某他数名が施主となり来月四日翁の一週[]年忌に相当するを以て追善大施餓鬼を修し当日は京都大坂等の講談師を招きて大会を催ふすとて目下其場所等を準備中の由



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丸屋竹山人

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