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□ JAL再建への道のり(1)             
■■■■■  原価構造における問題(人件費) ■■■■■■■■■■
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今回はちと企業経営戦略という新たなカテゴリーを設けて、政府や企業がとっている活動について、鍛治川の勝手な判断に基づく勝手な意見を書こうかと思います。(なので苦手な人は読み飛ばして下さい)

今日は昨今、メディアで見ない、読まない日はない、というくらい騒がれているJALについて、政府が法的整理に持ち込んで、3年以内に企業再生を行なおうという話でした。

実は2007年2月頃にJALが2007-2010年の再生中期プランを打ち出していた頃から、JAL再建は難しいと考えていました。

 詳細はコチラ→http://archive.mag2.com/0000203684/20070220094017000.html

そして今日においても、JALの再建は以下の理由から正直難しいのではと考えています。
もちろん僕自身も内部の人間ではないことから、ココで記載していることはあくまで仮説になるけど、果たして今後、この仮説があたるかどうかちと興味があります。

 1)原価構造における問題(人件費) ★今日の範囲★
 2)日本経済の景気動向による再建の行方
 3)JALの企業体質/事業モデルから来る差別化の実現性

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■■ 1. 原価構造における問題
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個人的に思うことだけど、JALが再建するための一番の足かせになるのは人件費だと思う。
JALは高給で有名な会社でパイロットならびにCAなどなど40、50歳以上の年齢になれば年収1000万、2000万を越える人々がザラと聞く。

本来、給料はその社員が生み出す付加価値がお客さまに高い効果を提供できるからこそ、お客さまから高い対価を頂くことができる。そのため、当然のことだけど需要が低いないし高い付加価値を提供できない場合には高給があること自体あってはならないがJALは依然として、高人件費が上げられる。

戦後の高度成長期の日本であれば好景気の波に乗り、海外旅行や企業の海外進出に伴う海外出張、海外輸送なども頻繁に行なわれた。その結果JALにおける旅客事業も運送事業も大きな需要があり、お客さまから頂いた大きな対価(売上)を人件費に回すことができた。これは継続企業の観点からもよいことだと思う。

でも今は全くもって時代が違う。
国内の移動手段としても新幹線は無論のこと、高速道路の低料金化が進んでいる。
そして何より不景気に伴う消費/投資抑制から旅行客の減少と航空事業に対する需要が激減するという変化が起きた。

つまりは航空業界そのものが、かつてのお客さまに高い効果を生み出していた付加価値ではなくなり、需要も低くなっているのに、これまでと同じ原価構造を継続していては当然経営がうまくいくわけがない。

もちろんJALも馬鹿ではないため、機体変更や燃費を良くするための取組みはしていると聞くが、人件費にメスを入れずにJALの再建はないと考える。




■■ 2. 原価構造改革に向けた課題
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人件費削減というのは言葉で言うのは簡単だけど、いざ実現となるととても難しい。

1)労働組合の抵抗
現状の正式な数は不明であるが、JALには労働組合が8つ存在し、経営陣からの給料削減案が出た場合、各々の労働組合による反対運動が予想される。
労働者に対して、経営がどうのこうのという考えは自分もサラリーマン時代があったことからわかるけど、そんなことしったこっちゃない。給料はもらって当たり前、と考える社員にとって、人件費削減は死活問題だ。

 ・ 給与削減に伴うモチベーションの低下
 ・ モチベーションの低下に伴うサービス品質、効率の低下

人件費削減によって想定される悪影響はあげればキリがない。
しかも8つも労働組合がある場合、どれか1つを特別扱いすることなど困難であり、その調整の手間を考えると、すんなりとうまくいきそうにもない。


人件費削減プランを検討した時に、一番重要なことはどう実現するか、だ。
当然,その先導に立ってプランならびに実現方法を考えるのは経営者の役目であるが、次に来る経営陣が1/10日の新聞によるとCEOに外部人財(京セラの稲盛氏?)、COOに内部人間を登用すると聞いている。

おそらく内部の社員のことを考え、COOに内部出身者を採用したものと考えられるが、中途半端に仲間意識があると再建がうまくいかないのではないか、と考えてしまう。
また外部のCEOについても誰が来るのかわからないけど、同じ日本人の場合、JAL経営陣と何かしらのつながりがあって連れてこられるのだろうから、これまでの人間関係を気にして、大規模な改革に踏み切れないのでは、と考えている。

いずれにしてもJALの再建はまだまだ道のりが遠そうです…

次回はJAL の問題点「日本経済の景気動向による再建の行方」について書きたいと思います。
それではまたっ