2014年01月13日

2013年のアルバム10枚

 2013年のアルバムから10選のようなものをやりたいと思ったので。
 こうやって振り返ると偏りは明らかにあるのだが(おそらく知らない人はまったく知らない名前ばかりだろうし)その偏りの中にも幅というものがあって、という聴き方をしているような気がする。偏りの中でさらに偏りすぎないようにとは普段から思っているので、その思うままが出たという感じかな。

 そんな感じで、発表順に並べました。数が多いのでコメントは極力多すぎないように。クロスフェードがあるものは並べたのと、ようつべなどで一部のトラックを公式に視聴できる場合はその動画を貼り付けました。
 それでは10枚一気に。(内訳:メジャー7枚、インディー・同人3枚)

小松未可子『THEE FUTURES』
THEE Futures
小松未可子
キングレコード
2013-02-13



 みかこしの多様性と、歌手としての小松未可子の確実な成長を感じられる記念すべきファーストアルバム。
 今年はこのあとシングル2枚を出していて、このアルバムで区切りをつけつつさらに新らしいことをやろうとしているのが分かる。すでにその萌芽はいくらでもあると思うし(たとえば動画を貼り付けた「Baby DayZ」だとか)安心して期待できる人がまた一人増えたのはとても嬉しい。




花澤香菜『claire』
claire
花澤香菜
アニプレックス
2013-02-20



 みかこしと違い、花澤香菜はここが一つの到達点。ファーストアルバムではあるがその意味合いは違う。違うが、花澤香菜は花澤香菜なのであって、彼女らしさがあふれていることには変わりない。
 北川勝利とacane madderによるTr.2の「Just The Way You Are」はたぶん彼女にしかできないテン年代の渋谷系なのだろう(ちょっと矛盾してるけど)。Tr.6、宮川弾の「スタッカート」にしろ、Tr.12、古川本舗の「眠るサカナ」にしろ楽曲提供者の色は強く残る中でどれだけ花澤香菜らしさを主張できるかが試されているように感じた。
 その試みは、基本的にはうまくいってると思う。たとえ好き嫌いが分かれたとしても、好きか嫌いかを判断できる色を出せることは重要だ。

9nine『CUE』



 9nineはセカンドアルバムにして一気に成長の階段を駆け上がっている気がする。到達点はまだ見当たらない。
 


坂本真綾『シンガーソングライター』
シンガーソングライター【初回限定盤】
坂本真綾
フライングドッグ
2013-03-27



 坂本真綾を記憶するための一枚だと思っている。というのは、10曲入りのこのアルバムを評価するにはどうしても坂本真綾が作詞作曲を全て手がけた、というバイアスを避けられなくて、そのバイアスの上であえて選んだということを強調しようかなと。通常のオリジナルアルバムだと非常に多彩な作曲陣が並ぶが、さすがに一人ですべてを作ると地味になりがちだ。でもそれを肯定的に評価してもそう悪いことではないだろうと思う。聴くに値しないわけはないし、先ほどのバイアス混みで言えばとても面白かった。
 Tr.8「誓い 〜ssw edition〜」がそれでもなかなか珠玉の出来で、悲しさのまじった激しさを表した原曲を、反対方向へ優しく転換させた。彼女の中にあった変化なのか、単なる時間の経過なのかは分からない。でもいまの彼女はこうして受け止めているんだと主張していることが、この曲を聴くとよく分かる。
 歌詞が面白かったのはTr.6の「なりたい」で、ああ真綾っぽいなーとにやける。




tofubeats『LOST DECADE』
lost decade
tofubeats
ワーナーミュージック・ジャパン
2013-04-24



 マルチネレコーズなどで曲を発表していたtofubeatsが大学卒業を機にメジャーデビューして出した一枚。ベストアルバムのような位置づけ、かな。
 マルチネ出身らしく、youtubeやsoundcloudで全曲フルサイズで試聴できる。それでもCD版はたとえばタワレコ各店舗で売れ行き好調だったようで、いまの時代のミュージシャンとファンとの関係だなと実感した。





QUADROPHENIA『epitaph』
epitaph
QUADROPHENIA
2013-05-06



 サークル「QUADROPHENIA」4枚目のアルバム。完成度を全く落とすことなく常に新しいことをやろうとしているのが素晴らしい。唯一のボカロ曲Tr.4「祝祭と流転」はこのサークルならではの音を出す宮沢もよよ作。さすがです。ゲストとして今回はWonderlandicaさんが参加。





やなぎなぎ『エウアル』
エウアル (初回限定盤)(CD+DVD)
やなぎなぎ
ジェネオン・ユニバーサル
2013-07-03



 デビュー1年半なので待望といっていいファーストアルバム。初回版でついてくるDisc2のカバー曲集に「カゼノトオリミチ」が収録されていて歓喜したのを思い出す。もちろんDisc1も非常によかったし、凝られたブックレットも面白かった。





多田葵『ホップミュージック』
ホップミュージック
多田葵
BounDEE by SSNW
2013-10-09



 多田葵はAB!のEDで初めて知ったが、それ以前からずっとシンガーとしての活動をやっていたようで、オリジナルアルバムも何枚かリリースしている。去年秋リリースのこの新作は渋谷系テイストが中心の一枚で、ポップではなくホップと名付けられているアルバムタイトルからも遊び心がうかがえて面白い。
 聞き込む度に味が分かる。



ryuryu『Vibgyor』


 びにゅPとしては約3年ぶりのアルバム。前作以降はニコニコ動画へのアップロードのペースを落としていたが、時間をかけて作ったと本人が語るこのアルバムは珠玉の一枚。おなじみ岬さんのアートワークは楽曲の世界観に寄り添ったもので、前回までになかった「色をつけること」をかなり意識しているように見えた。
 初期のキラキラしたミクノポップ路線からは少しずつ遠ざかっていた印象があったが、時間をかけてこういう形でアルバムを作ってきたことは非常に嬉しかった。sasakure.UKさんとは異なるベクトルで現代の寓話世界を作る一人(のボカロP)だろうと思う。



toivoa『KUKKA』

KUKKA
toivoa
BounDEE by SSNW
2013-11-20



 年末に発見したドリーミーなロックバンドのファーストアルバム。2012年に一枚シングルをリリースしているようだが、最初のアルバムでここまで仕上げてくるとは。
 二人の女性ボーカルの癒やしに似た歌声と、その空気を包み込むような優しいサウンド。ピアノが響き、ギターが鳴り、ドラムが叩かれる。バンドの編成としてはシンプルでも、表現の多様性は広がるばかりだ。








 10枚紹介してきたけど、たとえば声優のCDが3枚入ってたり、ボカロは意外と少なかったり、ああいまこういうのを好んで(あるいはやや遠ざけて)聴いてるんだなーというのが分かって面白かった。
 キャリアで言うとファーストアルバムが多い(みかこし、花澤、やなぎなぎ、toivoa、tofubeats)のは新しい人たちの音楽を常に聴こうという現れだと思うので悪くないかなと思います。年を経て追い続けられるかどうかは分からないけど、一瞬のきらめきが多々含まれているファーストアルバムをリアルタイムで経験できたってことは後々意義深いのかなあと思ったりしたり。
 2014年の音楽も楽しみです。ジャンルをあれこれ横断しながらいろんなものを聴いていきたい。

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/burningday/51976871 

トラックバックはまだありません。

コメントはまだありません。

コメントする。

絵文字
 
星  顔