企業法務マンサバイバル

ビジネス法務に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きる皆様に貢献するブログ。

今後友人・知人から会社設立手続きについて相談されたら「会社設立 freee」を案内することにします

 
6/23にリリースされたこのサービスの評判がすごくいいです。私自身、今後友人・知人から会社設立手続きについて相談されたら、「オレの説明聞いてメモ取って自分でやろうとするより、こっち使った方が絶対早いよ!」とお勧めしてしまうと思います。
 
会社設立 freee(フリー)
会社設立に必要な書類が、特別な費用・知識なしで5分で作成できます
会社設立 freee(フリー)を利用すれば、法人登記から運営の手続きまで、特別な費用なしで簡単に行えます

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パッと見、設立“時”に必要となる登記申請書や定款を自動作成して、あとは公証人役場と法務局に持っていけばOKというところまでフォローしてくれるサービスなのかー、ついに出ましたかー、と思ったのですが、このサービスはそれだけでは無いんですね。

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設立“後”、数日〜数ヶ月内に届け出が必要となる社会保険各種や諸税の届出書作成までフォローしてくれているのでした。弁護士や司法書士だけでなく、社労士や税理士の領域もカバーしてしまったと。こういったすみずみきめこまやかなところまで意識されたサービス設計に、感動しました。しかもオプションのハンコ作成や銀行口座位開設等を除いて無料。運営者のfreeeさんとしては、本業のクラウド会計サービスへの誘導・囲い込みという戦略のひとつなんだそうです。

人材サービス業に在籍していたときに強く感じましたが、新規開業直後の社長さんや担当者さんは、こういった手続きをしなければいけないことすら知らない方がほとんど。自分で適当な本を1〜2冊買って勉強して数日費やし申請書類と格闘してもいいのですが、経営者はこういう本業と直接関係のないところに力を割く余裕はありません。かといって、士業として領域が幅広義過ぎる上に儲からないためにワンストップ・低料金でサポートしてくれる士業の方もいない。そうこうしているうちに法律上設定されている期限は迫って、経営者から助けを求められることは少なくなく、当時法務部門で(営業サポートツールとして)似たようなペライチのガイドを作ってお助けしていたのを思い出します。

士業領域であった法務業務のコモディティ化・自動化がこうしてどんどん進み、一介の企業法務パーソンが貢献できることはどんどん少なくなってきたなあ・・・などとどうしても感傷に浸ってしまうのですが、このサービスの登場に関しては、世の中のみんなの法的なお悩みをITで一気に解決してくれるものとして、素直に歓迎・賞賛したいです。
 

【本】『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル』― 企業にとっては名誉権が頼みの綱


法律事務所アルシエン 清水陽平先生のご著書。同事務所では、インターネット上の誹謗中傷・炎上対策を数多く扱い、2014年にはTwitterやFacebookに対して日本初となる開示請求事案も担当されたそうです。





本書全体の見取り図ともいうべき図表がこちら。本書冒頭で紹介される10の事例に照らし、表見出しに記載されている4つの要件、すなわち
 要件 ‘営蟆椎柔があること
 要件◆仝⇒侵害性があること
 要件 違法性阻却事由がないこと
 要件ぁ ̄蠑絏椎柔がないこと
に当てはめながら、削除依頼および発信者開示請求ができるか・すべきかどうかを考えていく構成となっています。

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法律上もっとも問題となる要件△痢峺⇒侵害性」を考えるにあたって、本書では、その根拠となる権利を以下の7項目として整理しています。あくまで名誉権が中心であり、それ以外の権利は結局のところあまり使えないケースが多いということが、クリアに分かります。

(1)名誉権:◯ 
   違法性阻却事由がなければ法人にも認められる
(2)名誉感情:△ 
   看過し難い&明確&程度が甚だしければ認められる、ただし法人は×
(3)プライバシー権:△ 
   プライバシーとして認められる範囲は広がりつつある、ただし法人は× 
(4)肖像権(パブリシティ権):△ 
   公開拒絶権という意味ではプライバシー権とあまり変わらない
(5)著作権:△ 
   ネット(公衆送信)では私的使用の複製は認められないが、引用は主張されうる 
(6)商標権:△ 
   商品やサービス名を挙げて批判・中傷されても、それ自体は商標権侵害とはならない 
(7)不正競争防止法:△ 
   秘密管理性等要件を満たさない場合がほとんど 


個別サイト対応のマニュアルパートについては、本書全230ページのうち約120ページあまりを割いて、30の代表的なウェブサイトおよびサービスについて、それぞれの企業の削除・開示請求への対応スタンス、請求画面への辿り着き方、フォームの書き方をスクリーンショットを交えて具体的な対応方法を紹介しています。2ちゃんねるはもちろん、みん就、ニコ動、Yahoo!知恵袋、Ameba、LINE、さらには外国勢のtwitter、Facebook、Google、Amazonにいたるまで幅広くカバー。

例えば、「FC2」や「みん就」の削除請求フォームとその書き方については、こんな感じだそうです。フォームが載っているだけでなくて、そこにどのくらいの細かさ・ボリュームで記入すべきかが具体的に分かるのがいいですね。

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過去弊ブログでも紹介した、法律実務家向けに書かれた類書として、『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル』があります。あちらと比較すると、まず問題を評価し、対応を取るかスルーするかを判断し、ネット上で行いうる一次対応を取るまでのスピードを要求される企業法務パーソン向けに、ちょうどよくチューニングされている本になっていると思います。
 

MicrosoftもFacebook流の利用規約&プライバシーポリシーを踏襲 ― ネットサービスにおける法律文書の標準スタイルが固まってきた

 
2014年11月にレポートした「Facebookのデータポリシー改定案に見るプライバシーポリシーの新潮流」から約半年が経過したところで、今度はMicrosoftが、Facebook同様のインタラクティブな利用規約&プラポリへと変更します(規約の発効日は2015年8月1日)。

Microsoft サービス規約
Microsoftのプライバシーに関する声明

あたらしいプラポリのほうで、全体像と動きを確認してみました。



2カラム & 概要/詳細を折りたたみ式のスタイルにするという基本的なアイデアは、Facebookのものとまったく同じ。ITサービスの最大プレイヤーにして重鎮の一社であるMicrosoftまでもがこの2カラム & 折りたたみ式に追随してきたということで、ネットサービスの利用規約&プラポリは、このスタイルが標準となっていきそうです。

違いとしては、全体共通ポリシーの後にBing・MSN・Skype・Xboxといったサービスごとの個別詳細項目がぶら下がっているところ(プラポリのみ)。Microsoftの場合、どうしてもサービスが多岐に渡っていること、プライバシー管理もそのサービス特性ごとに異なることから、こうせざるを得なかったのでしょう。

また、違う側面で私が気になっているのが、こうしてユーザーへの分かりやすさ・透明性を追求しているはずのFacebook・Microsoftの両社が、いずれもアプリごとの個別プラポリ(いわゆるアプリケーションプライバシーポリシー)については設置しないスタンスを採っている、という点です。日本では総務省が、米国ではプライバシー問題に敏感なカリフォルニア州や米国商務省電気通信情報局(NTIA)が、それぞれショートフォーム形式のアプリプラポリを作成・設置することを推奨していた時期が2012〜2014年にかけてありましたが、サービスごとのプライバシー管理に加えてアプリごとにも分けていくとなると掛け算式に文書量が激増し負荷が高すぎて・・・ということなのかもしれません。
 
今後、アプリサービスにおける法律文書のスタイルがどう固まっていくのかにも、注目していきたいと思います。
 
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