企業法務マンサバイバル

ビジネス法務ネタ・ビジネス書のご紹介を通して、サバイバルなビジネスライフを送るみなさまへの貢献を目指すブログです。

4年ぶりにブログデザイン変更しました

突然ですが、ブログデザインを変更しました。

このブログをいつもご覧いただいている皆様は、ちょっと驚いたでしょ?

というのも、家内に「いい加減デザイン変えた方がいい」と言われ続けていたところに、BLJ懇親会でお会いした@senri4000先生から、

「tacさんのブログは良く拝見してますけど、なんかごちゃごちゃしてて見にくいわねー」

とさらっと追い討ちをかけられたもので(苦笑)。
2人の女性読者の貴重な声ですから、これはやらねばと一念発起したわけです。

私たち夫婦の好きな店「THE CONRAN SHOP」のショッピングバッグ風味のデザインにしてみたつもりですが、いかがでしょう?

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ついでに右サイドカラムに貼ってるtwitterのブログパーツ(widgets)も変えてみたんですけど、公式のブログパーツ(widgets)が知らない間にバージョンアップしていい感じになってましたよ。こちらはtwitterer兼ブロガーな皆様にもおすすめです。

Google Scholarの判例検索機能は、法務業の存在価値そのものを問うている

 
twitterの法務パーソン界隈でも大騒ぎになっているGoogle Scholarの判例検索機能リリース

判例情報DBを無料で解放した点にまず驚き、次に単に判例をキーワード検索できるようにしただけでなく引用文献・関連判例がすぐに参照できるその機能性の高さにも驚かされたわけですが、

私が何よりも驚かされたのは、リリース文にあったGoogleの思想です。
As many of us recall from our civics lessons in school, the United States is a common law country. That means when judges issue opinions in legal cases, they often establish precedents that will guide the rulings of other judges in similar cases and jurisdictions. Over time, these legal opinions build, refine and clarify the laws that govern our land. For average citizens, however, it can be difficult to find or even read these landmark opinions. We think that's a problem: Laws that you don't know about, you can't follow ? or make effective arguments to change.
We think this addition to Google Scholar will empower the average citizen by helping everyone learn more about the laws that govern us all. To understand how an opinion has influenced other decisions, you can explore citing and related cases using the Cited by and Related articles links on search result pages.
they(tac:court opinion) often do it in language that is surprisingly straightforward, even for those of us outside the legal profession.

超抄訳するとこんな感じでしょうか。
コモンローで規律される合衆国においては、ある裁判で導きだされた法的見解が同じ様な裁判でも同様に適用され、そうやって繰り返し磨かれた法的見解が、私たちを規律している。しかし、そのランドマークとなるものを見つけるのは、一般人には難しい。Googleは、そのことを問題と捉えた。Googleは、Google Scholarを改良し、ある法的見解が他にどのような影響を与えているのか、引用文献や関連判例が表示されたページを検索しやすくすることで、あなた自身が私たちを規律する法律を学べるようにした。
裁判所の見解は(難しいものもあるが)、法務の門外漢であっても分かるほど驚くほど分かりやすい言葉で書かれているものも多いのだ。

私たちの日常に密接な存在でありながら、一部の専門家が独占してきた法律という分野。その独占状態を圧倒的な情報量と技術をもって解放し、人々に力を与えようというGoogleの思想と意気込みが伝わってくる文章。

この文章を読んで私がハッと思い出したのが、以前ご紹介したダニエル・ピンクの『ハイ・コンセプト』のこの一節です。
ウェブの活用により、長年、多くの弁護士に高い収入と顧客からの崇敬をもたらしてきた独占的情報が、一般の人でも利用できるようになった。
その結果、法務関連業は「根本的な変革を迫られている。従来どおりのサービスに対する需要が減り、弁護士たちは、より安い報酬で仕事を引き受けねばならなくなる。」とタイムズ紙は述べている。
ダニエル・ピンクの予言どおり、弁護士という専門家の独占市場であったリーガル・サービスという分野に、情報の巨人Googleが風穴を開けた、そんな歴史的1日だったと思います。

Google Booksの著作権問題で日本語の文献が蚊帳の外に置かれてしまった経緯もあり、著作権の障害がない判例検索は実現可能でも関連文献のcitation機能は実装不可能だと思うので、Google Scholar日本版が出来る日はかなり遠いのだと思いますが、いずれにせよ、ただの「法律知識の物知り博士」では法務のプロとは名乗れなくなっていくことが確定した感じがします。

【本】情報法入門―情報を集めて保管して使うだけでも色んな責任を伴う時代になってきちゃいましたからね

 
情報に関する法律を解説する本、といっても、世の中にあるほとんどの本が
・著作権
・名誉毀損
・プライバシー             
・個人情報保護
このあたりのテーマからいくつかつまみ食いをするか、もしくは全部をさらっとおさらいするかのどちらかが関の山。

一方、この本『情報法入門』では、情報を「収集」⇒「保有」⇒「発信」するというライフサイクルの切り口から捉えてみたり、情報を伝達・交換する「媒介者」の立場でリスクを捉えたりしながら、
・IT書面一括法
・e―文書法
・電子記録債権法
・電気通信事業法
・放送法
・プロバイダ責任法
・迷惑メール防止法
このあたりの周辺法にまで視野を広げて、情報を取り扱う者の方的責任をまとめています。

情報法入門 デジタル・ネットワークの法律


私なんかはモロに情報を商材とした企業でコンプライアンスに携わる立場ですので、この著者の横串の刺し方、整理の切り口、取り上げられた法律の網羅性は大変有用でした。

情報が商材でない企業であっても、この情報化社会において情報を取り扱わない企業など皆無。自社における情報の取扱いが法的なリスクを孕んでいないか、この本を読みながらチェックされてはいかがでしょうか。

『フリー』という価値観への変化に法律はついていけるのか

 
先着1万人が無料で全文をDLして読めるという『フリー』を読ませてもらいました。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略


世の中に今起こっている変化についての断片的な知覚が、猛烈な勢いで整理された状況です。

自由と無料にまたがる特許権や著作権などの知的財産権を、フリーが攻撃しているという意見がある。それを唱える人は次のように考える。人々は報酬が無ければものを創作しようとしない、と。特許権や著作権は、クリエーターが報酬を得られるように保証するものだ。では、価格がゼロに近づいていく市場において、特許権や著作権はどういう意味を持つのだろうか。
収入については、彼らは間接的に得ることになる。無料製品の近くでサービスを売ったり(リナックスのサポートなど)、他人が自分の作品に与えてくれた評判という通貨(正当な信用がついてくる)を利用して、よりよい職業を得たり、報酬の得られる仕事をしたりすることで金銭に変えるのだ。


発明や創作といった人間の活動は、“フリー”以前は特許権や著作権として貨幣価値と直接交換することを目的とされてきたわけですが、今まさに始まった“フリー”の時代には、そういった活動は「注目と評判」という新しい通貨と交換することが目的になっているというのが、この本における著者の主張。

そうなると、憲法13条から導かれるパブリシティ権・名誉権や、著作権法における氏名表示権といった、今の法律ではまだ手薄というかあまり活躍してない権利に活躍してもらわなければ時代になりそうです。

一方で、そういった法律・権利が発展したとしても、貨幣経済を前提として作られた今の法律の発想のままでは、(差止権などもあるにはありますが)最終的には金銭に置き換えて損害を賠償させて救済する力しか持ち得ていない、という問題もあります。

社会が“フリー”に一気に移行していこうとする中で、法律はどうこれに追いついていくのか。うかうかしていると、こういった新しい価値観の登場の前に、法律が役に立たないものになるのかもしれません。

社内でビジネス法務な勉強会をやるときに使いやすい本を見つけたよー

 
ビジネス法務の心得がある方が、「自分が講師になって社内でちょっとした法務勉強会を開きたい」と思っているなら、テキストにはこの本をお勧めしたいと思います。

最新ビジネス法務入門 (基礎シリーズ)



実際に、私も新任メンバーの勉強会の教材として使っていて、わかりやすいとの評判を得ていますので。

以下その理由を3つ。


理由その1 易し過ぎない

ビジネス法を語る以上、民法・商法はしっかり勉強したいところですが、法律をやさしく解説しようとすると、細かい知識が端折られがち。

しかし一方で、実務に必要な法律知識は細部にこそ宿る、というマーフィーの法則も。例えば、抵当権は不動産にしか設定することができないのが民法の原則…と、普通の民法の基本書ではここで終わってしまうのですが、実務では船舶、自動車、航空機、農業用動産、建設機械についてそれぞれ特別法が存在し登記・登録の制度があるため、抵当権をつけることが可能、ということぐらいは知っておきたいところ。

この本では、こういった実務に必要な知識が脚注や吹き出しできちんとフォローされているところが心憎いのです。


理由その2 カバー範囲が幅広い

ビジネス法といっても、法律をどこまで拾うかは、センスの見せどころだと思います。

この本では、民法・商法(手形小切手法含む)の他にも、
・経済法−独禁法・不競法・景表法
・消費者法−割賦販売法・特商法
・労働法−労基法・労組法・労調法
についても、まんべんなく触れられているところがよいと思います。

ただ1点、知的財産権については扱いがかなり軽い点はご容赦を。
もっとも、知財をきっちり説明しだすと、紙面がいくらあっても足りないですから、別の入門書で触れるぐらいの割り切りが適切なのかもしれません。


理由その3 挿絵や図版が豊富

法律関係を説明するときには、登場人物や権利義務の関係を図で表しながら説明するのが、聞き手にとって一番分かりやすいと思います。
その法律関係図を、教科書の挿絵のような親しみやすい絵で表現してくれているのが、この本を教材として推薦する最大の理由でしょうか。

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もちろん、説明しながらホワイトボードに絵を書いて説明するのがベストでしょうけれど、やっぱり予め絵があった方が早いんですよね。

加えて、手形や抵当権が設定された登記簿なんかの図版が盛りだくさんなのも、講師としては説明しやすくて助かります。

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この本使って勉強会やって、みんなでビジネス実務法務検定2級ぐらいを目指すといいんじゃないでしょうかね。
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