森濱田松本という一線の渉外事務所の弁護士が、ITビジネスに関する法的ポイントを地味ながら硬派にまとめた良書。

表紙の装丁も中身の構成もボリュームも、久保利先生が監修されていた『著作権ビジネス最前線』に近いノリ。

・サイバーモール
・インターネットオークション
・アフィリエイトプログラム
・コミュニティサービス
・コンテンツビジネス
・電気通信サービス
・ソフトウェア
このような、今ITを使って行われている主なビジネスの法的問題・法規制について、網羅性高く解説しています。

その中でも私がフムフムだったのは、電子商取引における意思表示(契約)の成立タイミング←今更(笑)。

いわゆる「到達主義」か「発信主義」かというあの問題ですが、
・意思表示成立の原則
 →到達主義 (民法97条)
・承諾の意思表示の成立における例外
 →発信主義 (民法526条)
・電子承諾通知における例外
 →到達主義 (電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律4条)
恥ずかしながら、“電子承諾通知が民法の原則の例外の例外である到達主義をとる”という関係性について、アタマの中できちんと整理できていませんでした。

網羅性が高い分、中身の深さは犠牲になっている感は否めませんが、それでも主要な判例はしっかり引用されていて、その法的見解には信頼感があります。

法務パーソンとして、ITビジネスの立ち上げにあたってのリスクを営業にアドバイスする初期段階にあっては、十分な内容と思います。

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