コナカの元店長が、未払い残業手当て690万円の支払いを求め、横浜地裁に“労働審判”を申し立てていたところ、600万の支払いで会社側と合意したとのニュースが報道されました。

報道では、労基法上の休日や労働時間などの規定が適用されない管理監督者としての権限が実質的には無いのに、肩書きをつけただけで残業を不払いにする、いわば「偽装管理監督者問題」という捉え方をしていますが、人材業界法務マンとしては、別の観点で興味深い事件でした。

それはどんな観点かというと、一見、裁判上の和解が行われたように見えて、実は似て非なる“労働審判”という新しい紛争解決手段に基づく申し立てを行っていたところ。

今回、最終的な解決は労働組合と会社との団体交渉による合意解決での決着だったようですが、労働審判制度には注目をしておいたほうがいいと思います。

主な通常の訴訟とこの労働審判制度の差異を比較すると・・・

       通常訴訟         労働審判
期 間   1〜2年          3〜4ヶ月
       控訴・上告有      3回以内
審理者   裁判官          裁判官+専門家2名
審理法   書面審理中心      口頭審理中心
解決法   判決or和解        調停
費 用   訴額百万で1万円   訴額百万で5千円

こんなカンジで、労働審判制度は通常の裁判よりも短期解決しやすく、低コストで、現実的な解決に結びつきやすい制度になっています。

2006年4月から使えるようになったばかりなので、まだ認知度が低いのですが、今後、労働者側からの申し立てはこの制度が使われることが多くなるはずです。


この本では、基本的には労働者の立場から、この労働審判制度のメリットを解説し、さらに
・労働基準監督署の活用
・労働局・総合労働相談センター
・道府県労働委員会のあっせん
・労政主管事務所のあっせん
・弁護士会のあっせん・仲裁
・裁判所の調停
などなど、裁判外の労働紛争解決手段についても広く触れています。

いざという場合の従業員との紛争に備える企業防衛という観点から、人事のご担当者にもオススメします。