法務部必置のバイブルになる予感を漂わす本。ちょっと地味目な表紙、でも中身は見事に垢抜けてます。




百聞は一見にしかず。その垢抜け具合をご覧下さい。

hanrei300

判例百選などの判例評釈の本を読んでいると、解説を書く学者が判例ごとに違うせいで、文体や論点整理の切り口がバラバラでムキーとなりますよね(笑)。

この本も、解説を書く実務家が判例ごとに違っているため、同じストレスに見舞われるのを多少覚悟して購入。
ところがどっこい、掲載される判例すべてが
1)判例のポイント
2)事実関係と判決の概要
3)学説と関連判例
4)企業法務における本判決の意義
5)要件事実メモ
6)発展問題
6つの切り口で綺麗に整理され、解説されているという徹底ぶり。

1)判決のポイントは、上の写真の左側に四角囲み記事が見えると思いますが、ここにその判例の「論点」と「結論」がそれぞれとっても簡潔にまとめられています。

2)事実関係と判決の概要では、写真右上にうっすら見えるように、当事者関係の図解まで書いてあってアツい!
図解の仕方の勉強にもなります。
(法律関係図解の仕方については、以前ご紹介した『図解主義』もオススメです。)

そして何よりも、4)にあるように、アカデミック領域にとどまらず、あくまで企業法務視点で当該判例の意義をまとめているところが今までの判例解説本になかったところ。

6)発展問題は、法科大学院・司法試験論文対策用のおまけといったところでしょうか。まあこれはご愛嬌。

何せ720ページほどあり、まだ通読もできていない興奮冷めやらぬうちにこんなレビューを書いている状態ですが、企業法務パーソンにとって貴重な教科書になってくれることは間違いない逸品でしょう。