最近、良書にめぐりあう頻度がやけに高くなってる気がするんですが、債権回収というジャンルでこんないい本に出逢えるとは思ってもみませんでした。


「基本のき」どころか、債権回収に必要な知識・ノウハウが一から十まできれいに収められていて、いつかは自分で社内向けに作ろうと思っていたものを、先に作って頂いたような感覚に陥るぐらいの、痒いところに手が届く実践的なマニュアルに仕上がっています。

2部構成になっている本書の第1部は、債権回収の大まかな流れと基本用語をあくまで俯瞰的におさえることを目的としたパート。

見開きで左側に本文があり、その右側に本文中にでてくる基本用語の解説が添えてあります。この構成のおかげで、いくらか知識の有る方は確認程度にさっと読み流すこともできますし、知識が無い初学者でも右側の解説を参照しながら読めばきちんと意味がわかるようになっているわけです。

第2部は、取引の開始から契約、債権管理から回収に至るシーンごとに、このシーンで債権回収担当者として何をすればいいかというHOW TOのパートになっています。

この解説の細かさ、丁寧さが天下一品。
たとえば、取引開始時に商業登記簿謄本を入手するというシーンでは、
・法務局での申請窓口での手順
・実際の申請書フォーマット
・登記印紙の値段等
について解説があり、さらに
郵送で入手する場合には、
)〔涯匹如△△蕕じめ登記事項証明書交付申請書を
 もらってきておく
謄本の枚数が10枚を超える場合を想定して、登記印
 紙を多めに入れておく(用紙に貼ってしまうと、返
 送してもらうのに手間がかかるので、クリップなど
 で止めておくだけにしておく)
J嵜用封筒を同封することを忘れない
の3点に注意しましょう。
なんて感じで、郵送で請求する方法や注意点までもがマニュアル化されているというきめ細やかさ。

土地/建物の登記簿謄本についても、以下のように
・登記簿のどの項目を見て
・何を確認すべきか
が文章だけでなく、実際のフォーマット上に吹き出しをつけて書いてあるのでとっても分かりやすい。
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現場や経理部門から何百回となく質問をうける内容証明郵便の作り方・送り方についても、郵便局でどのように依頼すればいいかまで事細かに記載。

サンプルでついている各種契約書(取引基本契約書・根抵当権設定契約書・集合物譲渡担保権設定契約書・連帯保証書etc)、各種書式(残高確認依頼書・弁済証書・相殺通知・代物弁済証書etc)のレベルもかなり高く、実際にすぐに使えるものばかり。

索引がないことだけが唯一の欠点ですが、目次と構成がしっかりしているので検索性には不自由しないはず。

とくに法務や経理1〜2年目位の方でも、これさえあれば債権回収については現場に自信をもって指示・アドバイスできる、すばらしい出来栄えの本だと断言しておきます。

ちなみに、7/23には著者権田さんが講師をつとめるこの本をテキストとしたセミナーが大阪で開かれるようです。ご興味がある方は是非。


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