この本には、部下とともに仕事をすることで成果を出さなければならない上司の悩みに対する疑問の答えとその解決のための理論が詰まっています。

「仕事ができない部下に対して上司は何をすべきなのか」という、普通であれば答えに窮するような、禅問答のような哲学問答のような質問に、明快な論理でさばさばと答えてくれる本です。


禅問答のような哲学問答のような質問その1:
「仕事とは何か」
仕事とは、行動の連続である。社員の行動が積み重なって仕事の結果が出る。組織もまた、所属する人の行動によって成り立っている。行動を変えれば仕事の結果も変わり、組織も変わる。売上を伸ばしたいのであれば、売上を伸ばすための行動を全員にさせればいい。きわめて簡単な真理である。

禅問答のような哲学問答のような質問その2:
「部下はなぜ仕事ができないのか。」
「どうすれば仕事ができるようになるのか」
第一に、仕事のやり方が分かっていない場合。仕事の仕方が分からない。やり方を知らない。行動分析で言えば「正確な作業手順が分かっていない」状態である。

第二に、仕事のやり方は分かっているのだが継続できない場合。これは部下の問題だけでなく、ダイエットや英会話の学習などセルフマネジメントにも通じる問題だ。いわゆる三日坊主である。

望まれる行動ができない部下は、右に示した状態のどちらかにある。この二つをいかに解決するかを考えていけば、あなたの抱える悩みは解決に向かうだろう。
仕事ができないのは能力の問題でもなく、やる気の問題でもない。ましてや人格の問題であろうはずがない。

禅問答のような哲学問答のような質問その3:
「リーダーの仕事とは何か。」
仕事のやり方は、まず細かく分解する。その中から結果に直結する「ピンポイント」の行動を見つけ、その仕事だけを徹底してやらせる。途中で、その行動のフィードバックをする。行動は増やすか減らすかのどちらしかない。なおかつ、行動を実施したら即座にリインフォースする。

この3つの問いとその答えから導かれる、「仕事ができない部下に対して上司は何をすべきなのか」の具体的な答えとは、
1)部下が行うべき正確な作業手順のチェックリストを作成し
2)その中で成果に直結する行動を強化し
3)結果に対してではなく成果に直結する行動を行ったことに
  対して即座にフィードバックしそれを継続させる

ということ。

著者の石田さんはこれを「行動科学マネジメント」と定義しています。

これだけで済むなら誰も苦労しないよね、と言いたいところですが、マネージャーになったこの4月から、メンバーに週報として書いてもらっていた週次チェックリストを今見直してみると、実際のところ、きちんと結果がでている仕事はチェックリストがきれいに書けていた仕事で、結果がおもわしくない仕事は当初からチェックリストがきれいにかけていなかった仕事だったり。

チェックリストによる管理が上司の仕事のすべてとは思いたくないものの、部下にしっかりと権限委譲しつつチームとして得たい成果を得ていくためには、このような科学的なアプローチも必要だと理解しています。

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