レバレッジシリーズの本田さんつながりで興味を持ったこの本。


著者中村亨さんは、本田さんが懇意にされている公認会計士。本田さんが関わる複数の会社で監査役を務められています。


決算書を使った企業の「目利き」を体感する

決算書の読み方本はもう出尽くしただろうと思っていましたが、分かりやすさというものは常に進化し続けるものなんですね。

この本の分かりやすさのポイントは、タイトルにもある「俯瞰」。

三井物産vsヤフー、伊勢丹vsファミリーマート、伊勢丹vs三越、全日空vs日本航空、ソニーvsキャノン・・・と、実在企業のBS、PL、CFを教材に、

・PLで言えば、収益−費用=利益を基本に、特に利益の増減の
 質の良し悪しをどのように見極めるのか、

・BSで言えば、資産=負債+純資産となる原則を理解した上で、
 特にビジネスの「元手」である純資産に軸足をおいて、負債
 や資産とのバランスの良し悪しをどのように見極めるのか、

・CFで言えば、営業CF、投資CF、財務CFそれぞれのプラス・マ
 イナスの意味を理解した上で、営業CFで得たキャッシュの使
 い道として、投資CF、財務CFの増減の質の良し悪しをどのよ
 うに見極めるのか、

・PL、BS、CFという財務諸表同士がどのようにリンクしている
 のか、

様々なレイヤーの俯瞰視点での決算書の見方を、財務諸表3表をスムーズに渡り歩きながら教えてくれます。

細かい簿記や会計の知識はなくても、大雑把に見てこの会社は大丈夫、この会社は危ない、という目利きのポイントが体感できるようになっています。

(残念ながら、この本の知識「だけ」ではあまりに細部を端折り過ぎているので、さすがに実戦は無理です。何度か申し上げていますが、やっぱり簿記は勉強しましょうね。)


私としては、初心者がつまずきやすいBSの説明を、純資産を軸にして説明することに振り切っている点が、ビジネス感覚溢れる中村さんならではの良さであり、この本の最大の特色と評価しています。

「仕事では決算書を使ったことがないので、簿記や会計の知識がどのように役立つのか実感が湧かない」という方こそ、まずはこの本で決算書の活用の仕方を体感してみることをお勧めします。そうすることで、普通にはじめるとつまらなくて続かない簿記や会計の勉強が、ずっと面白く感じられることでしょう。

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