ケース

X社はY社に対し、Y社製品の部材を継続的に供給していたが、Y社が代金を2ヶ月分滞納。
Y社社長は販売不振と売掛金未収を滞納の理由とした上で、親族の個人資産を担保とした銀行借入の交渉中であり、これが纏まる迄の支払猶予をX社に求めている。また、Y社製品の製造に不可欠な部材の継続的納入も要請している。
Y社の資産は評価額を上回る抵当権設定済みの不動産(工場の土地・建物)のみ。


問題

設問(1)
現時点での売掛金回収手段

設問(2)
支払を待つ場合に注意すべき点

設問(3)
部材の納入要請について、応じるべきか拒絶すべきか。納入要請に応じる場合の注意点。


回答

設問(1)
。拏劼紡个垢觝通殻承措萋澄Χ制執行の前提としての仮差押
Y社の資産状況から、所有不動産に対しての仮差押は回収見込み薄であるため、Y社の売掛金等債権に対する仮差押を行う。
動産売買先取特権の行使
動産売買先取特権に基づき、競売を申し立てる。これにあたっては、対象動産の差押についてY社の承諾、または裁判所の許可が必要となる。
対象動産が第三者に譲渡されている場合は、その対価に対し物上代位を行使する。物上代位の行使にあたっては、債務者の対価受領前に先取特権の存在を証明する文書を提出し、差押える必要がある。

設問(2)
支払い猶予に当たっては、Y社の債権債務の状況、事業継続による収入計画、資金繰り計画等を提出させ、支払い猶予により支払いが実行される可能性が高まることを確認する。
また、支払い猶予という新たな期限の利益の供与と引き換えに、担保の設定または個人保証を要求するとともに、支払い猶予内容について執行認諾文言付き公正証書により文書化しておくことが望ましい。

設問(3)
Y社製品のポートフォリオ、その中に占めるX社製品を部材とする製品の売上/利益シェアを確認し、要請を拒絶した場合のY社への事業影響を検討の上、決定する。
納入拒絶により直ちに事業継続が困難となることが明白なのであれば、設問(2)の検討結果を踏まえ支払猶予による回収可能性が上昇することを前提に、製品引渡し時現金払いとするなど与信リスクを不用意に拡大させない支払い条件を設定の上で、これに応じるべきである。


要復習ポイント(自分用メモ)

・動産先取特権の行使→物上代位の手続き


(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case26を基に検討)


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