ケース

Xの子会社Yは、A国で1,000名の従業員を雇用していたが、A国内の景気悪化に伴い、従業員を500名に減らす合理化計画を発表した。
Yの労働組合はこれに強く抵抗、数ヶ月の労使交渉の末、合意が得られず決裂している。
Yと労働組合の労働協約では、労使の紛争解決は仲裁により当事者双方が拘束されるとの合意があるものの、労働組合側はA国内の民事訴訟で解決することを検討している。


問題

設問(1)
労働組合は、A国の管轄裁判所に民事訴訟を提起することはできるか。

設問(2)
Yの立場において仲裁合意をしておくことのメリットは何か。


回答

設問(1)
提訴はできるものの、Yより妨訴抗弁が提出され次第、訴えは却下されることとなる。

設問(2)
仲裁合意によるメリットとして主なものは以下のとおり。
|膾杰佑鯀ぶことができる。
当事者の協議により、仲裁人を選ぶことができ、ビジネス経験豊かな専門性の高い仲裁人に判断を委ねることができる。
非公開審理である。
裁判が公開を原則としているのに対して、仲裁では非公開とでき、ビジネス上の秘密が保持できる。
B┠萓が高い。
仲裁では上訴ができず、また裁判所のように裁判官の都合で審理が細切れに行われるようなことも避けられるため、紛争審理を集中して行うことができるため、スピード審理、迅速な解決が見込まれる。
ぜ更堽呂高い。
裁判で確定判決を取っても執行が困難な場合があるのに対し、仲裁の場合は、A国がニューヨーク条約を批准していれば、執行力が条約により担保される。


要復習ポイント(自分用メモ)

・「妨訴抗弁」がサラっと出てくるかどうか。


参考文献

仲裁条項についてのあれこれ・参考例文などが40ページにも渡りたっぷり解説されている本。今まであまり参照してなかった本なのですが、今回のケーススタディで改めてこの本の価値に気づきました。



(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case47を基に検討)



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