ケース

Aは、以下のような方法でディスポーザーを販売している。
・マンションやアパートを戸別訪問。
・衛生環境、ゴミ問題に関心をもっているかアンケートを
 取る形で主婦に声をかけ、アンケートが終了したところ
 で「ゴミ出しの手間が省ける」「ゴミの量が減るので全
 国どこの役所からも推薦されている」とセールスする。
・代金に5年分の替え刃(1枚1万円5枚まで無料)が含
 まれ、電話に応じ郵送することとしているが、契約時に
 渡す書面にはディスポーザーと替え刃付きで30万円とだ
 け記載されている。
・ディスポーザーを購入したうえで、近所にこのディスポ
 ーザーを紹介、契約にいたれば1件5万円の紹介料を支
 払う。
・モニター契約を締結し、月1回のレポート、近所に300枚
 のチラシ配布をすれば、クレジット24回払いで購入した
 場合の支払月額に相当する15,000円をモニター料として
 支払う。


問題

設問(1)
このような販売方法に対し、どのような法律がどのように適用されるか。

設問(2)
クレジット会社の法務担当として、Aがクレジット加盟店だった場合にどのような点に改善を申し入れるか。


回答

設問(1)
・訪問販売であることから、相手方に対し、氏名を明らかに
 した上で勧誘を受ける意思があるかを確認する義務があり、
 アンケートを装ってセールスを行うような行為は禁止行為
 に該当する。(特商法3条、3条の2)
・ディスポーザーがすべてのゴミ出しを不要とするものでは
 ない点、および全国のすべての役所がディスポーザーを推
 奨しているものではない点、不実告知のおそれが強く、主
 務大臣より合理的な根拠を示す資料の提出を求められる可
 能性があるほか、契約の取り消しが認められる場合もある。
 (特商法6条の2、消費者契約法4条)
・訪問販売の場合、商品と役務の種類、価格を書面により明
 示する義務があるが、ディスポーザーと替え刃の価格内訳
 を明示していない。また替え刃の交換サービスについても
 明示していない点、不適切である。(特商法4条、特定継
 続的役務の提供に該当する場合は42条)
・ディスポーザーを紹介することにより1件5万円の紹介料
 を払う点、連鎖販売取引に該当し、氏名・目的等の表示お
 よび書面の交付義務があるが、これを行っていない。(特
 商法33条の2、37条)
・モニター料としてレポート、300枚のチラシ配布により
 15,000円を対価として支払う点、業務提供誘引販売に該当
 し、概要書面・契約書面の交付義務があるが、これを行っ
 ていない。(特商法51条の2、55条)
・クレジット24回払いでの販売を行う点、割賦販売条件を書
 面により表示する義務があるが、これを行っていない。
 (割賦販売法3条、4条)

設問(2)
・上記(1)で指摘した特商法、消費者契約法、割賦販売法
 に定める義務の遵守を徹底させる。
・替え刃の後日納品について、Aの倒産等により替え刃の交
 換にAが応じなくなることにより消費者からクレジットの
 債務履行を拒絶されるリスクを避けるべく、購入時に一括
 納品させる。
・モニター料の支払い負担が過度になり、Aの支払い能力に
 負担が発生するおそれがあるので、モニターの受付件数に
 一定の制限をかけさせる。



要復習ポイント(自分用メモ)

・特商法だけでなく消費者契約法にも不実告知禁止義務あり。
・業務提携誘引販売への該当について言及がきちんとできる
 ように。
・業務提供誘引販売について、事業所等営業施設を有しない
 個人との契約において、決済を割賦購入あっせんまたは
 ローン提携販売とすると、「不慣れな事業者」として消費
 者と同様支払い停止の抗弁権が発生する。
・ディスポーザーの販売に許可が必要な自治体がある。


(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case41を基に検討)



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