ケース

以下の文章は、取引先との契約書の押印者を誰にすべきかについての法務部員の意見書である。
会社を代表する者としては、代表取締役・代表執行役・支配人等がある。契約書への押印は、代表権を有するものによってなされるべきである。
一方で、会社法14条1項では「ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人」もその委任事項に関する一切の裁判外の行為をする権限があると定めている。通常これは部長・課長を指す。
また、平成2年2月22日最高裁判決でも、会社法の上記条文に該当する旧商法の規定について以下のように述べている。
「反復的・集団的取引であることを特質とする商取引において、番頭・手代等について、取引の都度代理権の有無及び範囲を調査、確認しなければならないとすると、取引の円滑確実と安全が害されるおそれがある。」
「本条項による代理権を主張するものは、代理権を授与されたことまで主張、立証することまでを要しない。」

以上の見解を踏まえると、<結論部>


問題

設問(1)
‖緝充萃役・代表執行役、∋拉杰諭↓ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人の3者の違いについて、法的知識が不十分な新入社員に説明することを前提に簡単に説明せよ。

設問(2)
この意見書の結論部を簡潔に書け。


回答

設問(1)
‖緝充萃役とは、取締役会で選定され、会社の業務に関する一切の行為について包括的に権限を備える会社の機関である。これに対し代表執行役とは、企業の経営を監督し意思決定を行う「取締役会」と、実際の業務の執行を行う「執行役」の二つの役割を明確に分離している委員会設置会社において、執行役の中から取締役会によって選定される機関である。

∋拉杰佑箸蓮会社の使用人のうちその本店又は支店の事業に関する一切の行為をする権限を備える者を言う。
会社が雇用する従業員である点が会社と委任契約関係にある代表取締役・代表執行役との違いである。また、権限についても本店または支店の事業に関する事項に限定されている。
一般に支店長や所長といった役職者がこれに該当する。支店長などの役職者であっても支配人としての権限が無いものは支配人ではないが、権限を有しないことを知らない第三者を保護するため、事業の主任者であることを示す名称を名乗る使用人は、裁判外の行為においては支配人と同一の権限を有する者とみなされる。

ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人とは、会社の使用人であって、販売・仕入れ・貸付など限定された業務について裁判外の一切の行為を備える者を言う。
会社が雇用する従業員である点は支配人と同様だが、裁判上の行為については権限を持たない点が支配人との大きな違いである。
一般には部長・課長といった役職者がこれに該当する。担当業務の範囲内で代理権を備えるものとみなされ、この代理権になんらかの制限があったとしても、そのことを知らない第三者は保護される。

設問(2)
契約書の押印者としては代表取締役または代表執行役が最も望ましいが、特に相手方よりそれらの者が持つ権限が制限されている旨の情報を入手していない限り、支配人、当該契約の交渉窓口たる部署の部長、課長のいずれかでも押印者たりうる。


要復習ポイント(自分用メモ)

・表見支配人が支配人と同一の権限を有する者とみなされるのは
 裁判“外”の行為のみ。


(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case4を基に検討)



「企業と人との新しい結びつき」の実現を目指して頑張ります。ご支援いただける方はこちらをクリック!(blogランキング)