ケース

Xは、部品製造販売会社Yより部品を買い入れて小型機械を製造するメーカーである。
XはYから舞い月末締め翌月末全額手形払いの条件で部品を買い入れ、一方Yに対しても納入3ヵ月後振込決済を条件として製品を販売している。
そうした中、A銀行からYのXに対する売掛債権について1,000万円を限度とする仮差押通知が送達された。社長いわく、A銀行に追加担保を求められて交渉中になされたもので心外であり、営業に支障はないとのこと。
なお、仮差押決定受理時におけるXのYに対する未収金残高は600万円であった。
Xの小型機械製造にあたっては、Yの部品が不可欠である。


問題

設問(1)
Xとして、Yとの取引を継続すべきか否かを決定する判断材料として確認すべき事項は何か。

設問(2)
Xの対応選択肢を述べ、その判断にあたり考慮すべき事項を説明せよ。


回答

設問(1)
第一に、Y以外の部品調達先確保の可能性を確認することが必要である。
Yから買い入れている部品がXの機械製造に欠かせないものとなっていることから、Yとの取引が解消されても製造が継続できる代替品調達先を確保できなければ、Yとの取引を継続しないという選択肢は事実上選択できなくなる。
第二に、YのAに対する債務、およびYの財務状況を確認することが必要である。
A銀行が仮差押を実行するにいたったということは、YのAに対する債務について履行遅滞または履行不能となっている可能性が高く、さらにその他資産状況から任意弁済の可能性すらなくなっている可能性すらある。A銀行に対しどのような債務を負っているのか、履行状況その他財務状況を、調査機関による調査や社長、財務担当役員へのヒアリングによって確認すべきである。
第三に、XのYに対する債権債務を確認する。Yからの未収金もあることから、相殺適状にある債権債務の金額を確認しておく。

設問(2)
代替品調達先が無い場合は、Yに対する支援を検討する必要がある。
Yの財務状況を確認の上、A銀行に対する債務の代位弁済、運転資金の融資、新株引受等により、Yの営業を継続させXへの部品供給を確実にしておく。
代替品調達先が確保できる場合は、Yの財務状況により取引停止を検討する。相殺後の残債権額に応じ追加の担保権の設定交渉を行い、Yがこれに非協力的な場合には、仮差押を検討する。


要復習ポイント(自分用メモ)

・参考答案では、選択肢検討にあたり代替品調達先の確保は最優先
 事項とされていないが、自分の答案の方が自然かなと思う。


(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case33を基に検討)


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