ケース

Xは、隣接するYから発生した火災の延焼で、工場が被害を受けた。Xの被害はXの所有物だけにとどまらず、Aから賃借していた高額の機械にも及んだ。さらにXが貯蔵していた石油に引火し、隣接するZにも被害が及んだ。幸い人身事故は発生しなかった。
Xは、保険会社Mに「自社工場に付保した火災保険(保険期間1年)は、Xの工場建物、設備、資材一式が対象となるものである」と主張した。
一方Mは「工場建物、設備、Xの所有資材については支払いの対象だが、賃借機械は契約時に申告されておらず、保険の対象には含まれない」と主張している。
Xはかつて保険会社Lに工場の火災保険を付保していたが、5年前に損害保険代理店Nを通じてMに切り替えている。その際、Nからは賃借物の取り扱いについては説明はなかった。その後、毎年同一条件で保険契約を更新しているものの、賃借物に関する契約書は作成していない。


問題

Xの法務担当として、Xの置かれた立場を分析するために、どんな事項について調査すべきか。


回答

・Yの失火について、失火責任法上の不法行為責任を負う重過失が
 認められるか。
・Aから賃借した機械に関する賃貸借契約において、危険負担特約
 がなかったか。
・Aから賃借した機械の時価および再調達価格。
・Aから賃借した機械の付保状況。
・Zへの延焼を招いたX保管の石油の保管態様について、過失が
 なかったか。
・Mの保険契約について、賃借機械に関する契約締結時の告知義務
 の有無、およびその内容。
・Nから賃借物の付保に関する説明がなかったことを明らかにする
 書面等の有無。


要復習ポイント(自分用メモ)

・失火責任法。なんだか懐かしい響き。


(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case17を基に検討)


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