ケース

宅配運送業者Xの従業員Yは、業務終了後X所有のトラックを運転して帰宅したが、その途中、前方不注意により小学生Zと接触事故を起こした。
Zは大けがをし、治療費として250万円の支出を余儀なくされたため、Zの両親はXおよびYを相手に訴訟提起を検討している。
なおXは、Yが通勤にトラックを利用していること知りながらも黙認していた。


問題

設問(1)
Zとその両親がX・Yに損害賠償請求する際に根拠とする条文を挙げよ。

設問(2)
Zとその両親の請求は認められるか。結論と理由を述べよ。

設問(3)
XがZとその両親に250万円を損害賠償として支払った場合、XはYにその全額を返還請求できるか。

設問(4)
事故の原因として、Zが道路にはみ出して遊んでいたことにもあるという事実が判明した。この場合、XおよびYの賠償責任はどうなるか。


回答

設問(1)
・民法 709条
・民法 715条
・自賠責法 3条

設問(2)
一般不法行為責任の判断ポイントとしては、
仝充造紡山欧発生していること
■戮旅坩戮搬山欧箸隆屬琉果関係
Yの行為に故意または過失の存在
ぃ戮旅坩戮琉稻\
の4点が挙げられる。
 ↓◆↓い砲弔い討狼掴世陵消呂なく、Z側の立証も容易と思われる。
一方についてはYの前方不注意という過失をどのように立証するかの問題が残るが、これについては運行供用者責任の問題として後述する。

次に、使用者責任についての判断ポイントとしては、
。戮防塰々坩拈嫻い認められるか
■悗硲戮忙愆命令関係が存在しているか
Yの行為がXの事業の執行としてなされたか否か
の3点が挙げられる。
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また△砲弔い討狼掴世陵消呂ない。
残るについて、社有トラックによる通勤がこれにあたるかどうか議論の余地はあるものの、Xがこれを黙認していたことから、使用者責任は成立すると考える。

最後に、運行供用者責任についてであるが、Xは自賠責法3条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」にあたるため、同上但書に定める「自己及び運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと」立証できなければ、無過失で不法行為責任を負う。一般不法行為責任の検討で述べたYの前方不注意の過失の有無についての立証責任も、この運行供用者責任でZからXに転嫁されることとなる。
従い、この点につき立証ができなければ、Zおよび両親の損害賠償請求は認められると考える。

設問(3)
全額は請求できないと考えるべきである。
自賠責法4条によっても適用されることが明記されている民法715条3項により、Xは行為者Yに求償することは可能である。しかし、使用者責任とは他人を使用して利益を得るものに応分の危険を負担させる主旨の責任である。XもYを使用することにより利益を得ている以上、Yの責により発生した損害全額を常にYが負担するのでは公平性を欠く。
従い、XがYに請求できる損害賠償額は一定限度に限られる。

設問(4)
被害者であるZにも過失があり、それが損害の発生・拡大の一因となっている場合には、過失相殺が認められる場合がある。
過失相殺において被害者Zの事理弁識能力の有無が検討対象となるが、小学生であれば一般に道路にはみ出して遊んでは危ないということが判断できる程度の事理弁識能力は認められると考える。
従い、XおよびYの賠償責任は過失相殺により減殺される。


要復習ポイント(自分用メモ)

・不法行為成立の4要件
・事理弁識能力
 小学校2年生について交通の危険に関する事理弁識能力有と
 認定された最高裁判例がありました。

(ビジネス実務法務検定試験1級公式テキスト Case24を基に検討)


10月28日から46日間に渡り毎日取り組んだこのビジ法ケーススタディも、ようやく本日をもって全caseを終えることができました。
長かったです・・・。

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