ビジネス法務の心得がある方が、「自分が講師になって社内でちょっとした法務勉強会を開きたい」と思っているなら、テキストにはこの本をお勧めしたいと思います。

最新ビジネス法務入門 (基礎シリーズ)



実際に、私も新任メンバーの勉強会の教材として使っていて、わかりやすいとの評判を得ていますので。

以下その理由を3つ。


理由その1 易し過ぎない

ビジネス法を語る以上、民法・商法はしっかり勉強したいところですが、法律をやさしく解説しようとすると、細かい知識が端折られがち。

しかし一方で、実務に必要な法律知識は細部にこそ宿る、というマーフィーの法則も。例えば、抵当権は不動産にしか設定することができないのが民法の原則…と、普通の民法の基本書ではここで終わってしまうのですが、実務では船舶、自動車、航空機、農業用動産、建設機械についてそれぞれ特別法が存在し登記・登録の制度があるため、抵当権をつけることが可能、ということぐらいは知っておきたいところ。

この本では、こういった実務に必要な知識が脚注や吹き出しできちんとフォローされているところが心憎いのです。


理由その2 カバー範囲が幅広い

ビジネス法といっても、法律をどこまで拾うかは、センスの見せどころだと思います。

この本では、民法・商法(手形小切手法含む)の他にも、
・経済法−独禁法・不競法・景表法
・消費者法−割賦販売法・特商法
・労働法−労基法・労組法・労調法
についても、まんべんなく触れられているところがよいと思います。

ただ1点、知的財産権については扱いがかなり軽い点はご容赦を。
もっとも、知財をきっちり説明しだすと、紙面がいくらあっても足りないですから、別の入門書で触れるぐらいの割り切りが適切なのかもしれません。


理由その3 挿絵や図版が豊富

法律関係を説明するときには、登場人物や権利義務の関係を図で表しながら説明するのが、聞き手にとって一番分かりやすいと思います。
その法律関係図を、教科書の挿絵のような親しみやすい絵で表現してくれているのが、この本を教材として推薦する最大の理由でしょうか。

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もちろん、説明しながらホワイトボードに絵を書いて説明するのがベストでしょうけれど、やっぱり予め絵があった方が早いんですよね。

加えて、手形や抵当権が設定された登記簿なんかの図版が盛りだくさんなのも、講師としては説明しやすくて助かります。

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この本使って勉強会やって、みんなでビジネス実務法務検定2級ぐらいを目指すといいんじゃないでしょうかね。