このエントリで伝えたいこと
- リクルートの強みは、マネジメントをマネジメントし、組織としての力を最大化する手法を確立しているところにある。
- そのリクルートが今苦しんでいるように見えるのは、営業力を育む仕組みはあってもクリエイティビティを育む仕組みがないからではないか。
マネジメントを本気でマネジメントする経営
すでにHot PepperのブランドもFOOMOOに変わってる今頃になってこの本を読むのも変な話ですが、人に勧められたので。『Hot Pepperミラクル・ストーリー
リクルートの経営についてその(元)内部者が語る本の中では、もっとも冷静に語られている本なのではないかと思います。あまりにも淡々としているので、拍子抜けしなかったと言えば嘘になるかも。
この本から伝わってくるリクルートの経営のポイントを一言で言えば、現場のマネジメント(マネージャー)を経営が本気でマネジメントしている、ということ。
普通の会社ならマネージャーに「権限」の名の元に与えられる自由・遊びの要素はそこになく、きっちりとメンバーの営業手法・プロセス・業績を管理させ、途中で得られた成果は一つ残らず組織全体にフィードバックさせるという仕組みと習慣が徹底されています。しかしそれを決して管理主義的に行うのではなく、「顧客のために何ができるか/すべきか」と常に問いかけることで自主的に行わせるのがリクルートらしさ。
これだけ事実ベースでリクルートの日々の経営の姿を記録した本も珍しいです。そのおかげで、一つ一つの経営マネジメントの手法は大したことはないけれど、それらを場当たり的でなくパッケージで、しかも徹底してやり抜くことがどれだけ組織の力を最大化させるのかということが、よく分かるのではと思います。
クリエイティビティを育む仕組みも必要では?
これだけ完成された経営スタイルを持つリクルートですが、最近どうも目立った新サービスが生まれていないような気がするのは、私だけでしょうか。私はその原因も、やはりリクルートの経営にあると思います。それは何かと言えば、組織としてクリエイティビティを育む仕組みが備わっていないこと。

リクルートの武器である営業・展開(実現)力を生かすも殺すも、最初の一歩は「顧客が求める何か」を発見しそれを実現するクリエイティブなアイデアがあってこそ。しかしこの本に限らず他のリクルート本を読んでいても、いわゆる「カイゼン」的な日々の工夫を育てて生かしている様子は垣間見えても、マネジメントとしてクリエイティブなアイデアを育む仕組みの存在が感じられないのです(R25などを生み出したNew-RINGという年に1度の社内公募制度はありますが、これは“育む仕組み”とは言えないかと)。
まあリクルートは「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を社是とするぐらい“育む”という意識は無い会社ですから、今はひたすら「自ら」生まれるの辛抱しているのかもしれませんが・・・。
色々紆余曲折はありながらも、日本の中でその存在感を発揮し続けてきたリクルート。クリエイティビティをスーパースター人材のひらめきに頼るのでなく、組織として育むなどということが果たしてできるのかといえば、相当困難なテーマかとは思いますが、私はリクルートだからこそ期待したいと思います。









