今月のBLJは、秘密保持契約(NDA)特集。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2010年 06月号


カッコだけじゃない実効性のあるNDAを目指して知恵を絞る

NDAといえば・・・。

2月の終わりに、秘密漏洩が起こっても損害の立証ができずに結局何も請求できずに終わる、そんな実効性のない秘密保持契約って、どうにか卒業できないものだろうかとふと思い、Twitter上でこんなideaを呟いてみたところ、

そこにeurosellerさんから鋭いコメントが。
うーんなるほど・・・としばし考えた挙句、苦し紛れに、
 なんてことをさらにつぶやいてはみたものの、お互いの秘密の評価額を契約時に見積もるなんて現実的じゃないよねー、という誰もが気づくオチで終了。とはいえ内心では、皆さんどうやってNDAの実効性を高めようとされてるのかな?と引きずっていた部分でした。

そこへきて、さすが本号はNDA特集というだけあり、この点にもう少し踏み込んだこんなideaが披露されていて、参考になりました。
いざ訴訟になった場合、X社がこの因果関係と損害額を立証することは困難を極める。そのため、X社の立場では、あらかじめ因果関係の存在と損害額を推定できるような条項を定めておくのがよい。そこで参考になるのが、特許法に定められている、特許権侵害を理由とした損害賠償請求でのみなし(推定)条項である。
1.X社は、自社の書面による承諾なしに、Y社が秘密情報を漏洩・開示・利用した場合には、Y社に対して、損害賠償請求することができる。
2.前項の場合において、X社が損害賠償として請求出来る損害は、X社の請求時の直前2期の事業年度末の売上高の◯%とみなす

秘密の評価額を契約時に確定させるものでもなく、かと言って、鉛筆ナメナメ思いつきのように数字を入れるのとも少し違う、ある程度考え方として受け入れやすいideaではないかと。
※「直前2期の事業年度末の売上高“平均値”の◯%」の誤植かも?

もちろん、これが完璧なideaではないことは承知していますが、法務パーソンそれぞれが様々な知恵を自ら絞って、こうして他者と交換しながらその知恵を磨き合っていくことで、契約書検討業務の質をだんだんと上げていきたいものですね。
 

2010.4.24追記
※について、著者浅見先生とBLJ編集部様から、以下補足をいただきました。有難うございます。
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<条項案6>
2. 前項の場合において、X社が損害賠償として請求できる損害は、X 社の請求時の直前2期の事業年度末の売上高の○%とみなす。

↓(第2項の「売上高」と「の◯%」の間に「平均値」を入れる。)

2. 前項の場合において、X社が損害賠償として請求できる損害は、X 社の請求時の直前2期の事業年度末の売上高平均値の○%とみなす。

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2年分の売上高(合計)の○%よりも、2年分の売上高平均値の△%としたほうが分かりやすいですね。
ご指摘くださった企業法務マンサバイバルさまありがとうございました。