今月のBLJは、「人材流動化時代の法務キャリア」。キャリアで悩んでいない法務の方なんていないと思われ、皆さんのハートにグサっとささる記事ばかりのはず。

で実は、私も匿名で特集のどこかに登場させていただいてたりします。読んで分かったらすごい。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2010年 10月号


特に読んで即効性が高そうなのは、p39からの「採用担当者はここを見る!」(念のため、このコーナーには私tacは出ておりません)。BLJ編集部さんのネットワークでかき集めた生々しい“企業が法務担当者を採る時の目線”が描かれています。以下、記事中の採用担当者コメントを引用させていただきながら、私が特に大切と思う切り口に再整理して5つにまとめてみましたので、本誌と併せご参考になさって下さい。


ポイント1:転職回数は重ねるな

まずは転職回数について。
許容範囲は3回までです。(略)転職を繰り返す人は変な自信があったり協調性に欠けていたり、こらえ性がないのではと感じてしまいます。
これは現実。同感です。自分自身がそうならないように気をつけないと。


ポイント2:本流の法務たれ、そうでなければ語れる専門性を磨け

評価される「法務担当」とそうでない「法務担当」の範囲について。
法務部は別にあって、本人は事業部門の法務担当に過ぎないというパターンがよくあります。このような立場はやはり社内の主流ではなくあくまで“出城”なので(略)それなりの経験しか積んでいないという評価になります。
出城とは手厳しいですが確かに・・・。業務上そういう立場で法務をやらざるを得なかった方は、個人的に問題意識を持って研究した専門的法分野をアピールしないと、評価されにくいのは事実かもしれません。


ポイント3:関わった案件それ自体の大きさはアピールするな

続いて経験アピールの仕方についていくつか。まずはM&Aなど、関わった案件の大きさをアピールすると・・・
どのような関与か詳しく聞くと、実際は最初の簡単な秘密保持しか関わっていないことが分かったり(略)自分を大きく見せようとしているわけです。
自分がこういうアピールしたことがあるので身につまされます(汗)。だいたいM&Aなんて自分ひとりでできるわけもないですし、弁護士事務所を担ぐケースが殆どであって、冷静に考えれば自慢になりません。関わった案件のone of themとして職歴書にそっと書いておいて、面接官から聞かれたら「デューデリでどんな視点をもって相手企業をチェックしていたか」ということでも具体性をもって語れればそれで十分、むしろそれ位に留めておいた方が得策かと思います。


ポイント4:数・量よりも守備範囲の広さを語れ

では「契約件数年間◯百件」という数・量のアピールは?
稼働日数が年間200日として、私の感覚では打ち合わせや修正を含めて1日3件はきついはずです。どんな契約か聞くと、ひな形どおりで修正のない取引基本契約であったり(略)数字でこけおどしをしようとしているのだなと判断してしまいます。
数字のこけおどしにならないようにするためには、ひな形系とオーダーメイド系を分け、かつ契約種別を分けてアピールされてはどうかと思います。そうやって経験している範囲の広さは伝えておいたほうが、企業が求める専門性との重なりも見出しやすいというものです。


ポイント5:あえてノーガードで行け

さてさて、ありがちなパターンとはいえ、こんなにダメ出し・タブーばかり列挙されると、一体どうしたらいいのか困っちゃいますね(笑)。そんなあなたに私からのアドバイスがあるとすれば、アピールではなくあえてノーガードで行け、ということでしょうか。

ノーガードとはつまり、自己紹介や職務経歴において、わざと聞きたくなるところ、ツッコミどころを用意しておくということです。この特集の最後でも
法務に求められるのはあくまで代理人としての能力、つまり依頼者の業務をすぐに理解する感度とニーズを引き出すコミュニケーション能力だと思います
と述べられているように、面接官は(他の職種以上に)現場とのコミュニケーション能力を測ろうとします。その場に応じた当意即妙なやりとりができるかを見ようとしている相手に対して、質問の余地・隙がない自己紹介や職務アピールをしたのでは会話も弾みようもなく、「あの人、現場とうまくやれる感じがしないね」で選考脱落です。


蛇足ながら、法務の基礎知識を確かめる質問をクリアできるだけの勉強も、ちゃんとしておきましょう。私だったらいくらコミュニケーション能力高くても、民商法や会社法を身につけて無い人は、採用しませんから。