ドイツでは、採用選考において候補者の個人情報をFacebookなどのSNSで検索することが法律で禁止される、という話。

▼German law bans Facebook research for hiring decisions(OUT-LAW.COM)
The law clarifies the questions that can be asked during a job application process. It is acceptable for an employer to request an applicant's name, address, telephone number and email address, according to the law; but certain internet searches are forbidden.
It specifies that social networks that are used for electronic communication may not be used for research, except for social networks that exist to represent the professional qualifications of their members.
個人情報は本人から提出させるのが原則であって、ネットで応募者を検索するのはものによって禁止される場合があると。特に、(Linkedinのようなプロフェッショナルネットワーキング目的のSNSではない)普段のコミュニケーションのために使われるFacebookのようなSNSをリサーチに使うことはまかりならん、とはっきり特定されています。さらにAP通信によれば、違反による罰金はなんと最大30万ユーロ(3,000万円超)にも。プライバシー保護には厳しいEUならではの発想です。
もちろん、応募者にとって採用選考でFacebookを見られるのは望ましいことではないでしょうが、私はFacebookの利便性を享受する以上、見られてしまうのはある程度は仕方のないものと考えはじめていましたし、それって業界の人脈を通じて「あの人ってどうなの?」と評判をチェックされるのと紙一重なんじゃないかと。実際、SNS先進国のアメリカではFacebookを採用に使う企業はごまんと存在し、採用企業の29%超が Facebookでバックグラウンドチェックしているという調査結果もあることは、以前も弊ブログでご紹介したとおり。
この法案が可決されれば、ドイツ国内にとどまらず、世界で採用選考におけるインターネット上のプライバシーの問題がしばらくホットな話題になることは間違いありません。
2010/8/29追記:
プライバシー侵害には厳しいスタンスのEUの中でも、特にドイツがこんなにも厳しいのはなぜか?丁度今発売されているニューズウィークにこんな記事があったので、引用しておきます。
『Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 9/1号 [雑誌]
▼グーグルが甦らせる「悪夢」 ナチスの記憶を呼び起こす「ストリートビュー」の年内開始に広がる波紋(Newsweek日本版)
自分たちの一挙手一投足を、この建物のどこかで誰かが1つ残らずメモしている――。ドイツのマンションの住民がそんな不安に怯えていたのは、それほど大昔のことではない。
ドイツ人はもともとプライバシーを重視する。ナチス時代(およびベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツ時代)、常に監視されていた結果、それまでになくプライバシーの問題に敏感になった。
確かに、近代日本は集会・結社の自由が部分的に奪われた時期はあったにせよ、国民全員がプライバシー監視に脅かされた経験まではありません。
プライバシーに対する意識の違いは、こんな歴史的な背景からも生まれるのでしょう。









