日本のグローバル化という言葉の意味を、「日本人が今から英語を必死こいて勉強して世界にうって出て行くということ」と取り違えている人は多いと思います。さらには、「政府が人や企業の世界進出を支援しないのはおかしい」的な言説もツイッターで見かけたりするんですが、それもお門違いです。

国は、主権が及ぶところにある人と企業からしか税金をとることができないのですから、主権の及ばない外国に出て行く人や企業を支援するはずもありません。

もしあなたが最後は日本で幸せに死にたいと思っているなら、目指すべきグローバル化は、あなたが無理に背伸びをして外国で働けるようになることではなく、「日本に住む人と日本に本社を置く企業を強くして、日本が税金をたくさん徴収できるようにすること」なのだと思います。そしてそのために、国は、どうやったら優秀な外国人を日本によんで定住させるかを考えなければなりません(ゆくゆくは日本じゃないところで暮らしたいなら別ですが)。

ということで、今まで間違ったグローバル化を目指していた方は、この本を読んで方向転換しましょう。

人材獲得競争―世界の頭脳をどう生かすか!


シンガポール・インド・中国・韓国を中心に、各国がいかにして世界のエリートを自国に集めようと努力しているか、そしていかに日本がそういう努力を怠ってきたかを、さまざまな統計データで見つめることができます。

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遅れをとった日本がグローバル化で巻き返すにはどうしたらいいか。はっきりとは書かれていませんが、この本を読むと一つの答えが浮かび上がってきます。

それは、大学の公用語を英語にすること。

英語で質の高い授業を行うことで、留学生が流入しやすい環境をつくり、日本企業が優秀な留学生を雇って、卒業後数年間は日本に囲い込める環境をつくること。そしてあわよくば日本を好きになってもらい、永住してもらうこと。

大学が「英語で沢山の留学生とともに学問をする場」になれば、英語で供給される世界の最先端の研究成果もダイレクトに生かすことができますし、大卒者を雇う企業がわざわざ英語を公用語にしたり異文化コミュニケーションを教育したりする必要もなくなるという、副次的な効果も期待できます。

ハードルは高いことは承知の上で、少子化という不可避な現実を打開する意味でも、大学にはチャレンジをして欲しいと思います。