最近のBLJは評判良すぎで、他の法務ブロガーの皆さんが紹介記事をバンバン書かれるので、遅筆な私は遠慮がちになってました。今号はちょこっとだけ記事にご協力させていただいた御礼で献本までいただいたので、その御礼も兼ねこれまた遅ればせながら。


BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2010年 07月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2011年 07月号 [雑誌]
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(2011-05-21)
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見どころはやはり特集の「利用規約の作成・運用・変更」。
BLJの読者懇親会のアンケートでぜひこのような企画をと何度か希望していた記憶もあり、また他誌でもこれだけまとめた特集はなかなか無く、読む前から興味深い特集でしたが、

1)利用規約の条項例
2)作成・制定の手順
3)抜け漏れチェックリスト
4)企業法務部の規約苦労話×7
5)消費者団体視点からみた注意点×2

が、35ページにわたって纏められている素晴らしい特集。献本頂いたからということを抜きにして、お世辞抜きに良い特集だと思います。仕事柄日頃から利用規約・約款に関する資料・文献を血眼になって探していても、ここまで過不足なくまとまっているものは出会えませんでした。

特にNTTドコモ法務部坂下氏が作成されたという3)の利用規約の抜け漏れチェックリストは、お目にかかったことのない「大胆な」記事。契約書のチェックリストはあっても、利用規約に特化したものとなるとあまり他ではなかったのでは。

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ページ上部に「以下の規定をそのままつなぎ合わせて作っても適切な利用規約になりません」と利用上の注意が大きく書いてあるあたりに、このまとめに意味や価値があるのか・載せるにしてもどうまとめるかに悩まれたであろう編集部の皆さんの苦労が偲ばれますが、他ではやらないからこそ価値があるわけで、BLJ編集部Sさんの編集者魂を見た気がします。
実際のところ、BtoCで利用規約まみれになっている法務部の方だけでなく、弁護士の先生方にとっても、こういったチェックリストは忘れがちな視点に気づかせてくれ、相当心強い存在になるのではないでしょうか。

他にも4)に登場する1社、ヤフー法務部長古関さんによる「70本の規約一本化」の話は、規約の本数が増殖するとゆくゆくどうなるか/あらかじめ避けるにはどうすればいいかについての示唆が有用ですし、5)なんかも、企業法務部からは怖すぎて意見交換するにもアプローチが難しい消費者団体という存在から利用規約を見たときの視点を提供してくれ、大変ありがたい記事です。利用規約のあり方に課題を感じている方もそうでない方も、今後3年ぐらいは保存版になるでしょう。


それと今号はもう一つ、大寺正史弁護士による「債権償却のすすめ〜債権をうまく回収できないようなときは〜」と題する記事にある“無資力の判断/債権回収断念の事情を主張するにあたって確保しておくとよい資料”のまとめも、取引審査や与信管理系の実務をされている方も泣いて喜ぶお役立ち記事だと思います。

BLJという雑誌には、ただ単に法務部員のよもやま話を寄せ集めただけではない、けれど弁護士や学者先生の書きたいマニアックな論稿を寄せ集めただけでもない、雑誌としての価値を追及しようという編集部(者)の意志や意地が誌面に滲みでているように感じます。当たり前ですが私のような一介のブロガーにはやはりマネのできないプロの仕事だなと、あらためて敬服するとともに、感謝したいと思います。