ついに、最高裁で更新料の特約が有効と判示されてしまいましたね。
(速報ベースの詳しい解説は町村先生のブログがお薦めです。)



そんなことになるだろうという予感はあり、約1年前にこんな記事を書いていました。たまには見立てが当たることもある、ということで。

更新料0円交渉成立 ― 改めてそのポイントまとめ(企業法務マンサバイバル)
さて、あくまで個人的な予想ですが、私は最高裁判決で更新料の“慣習”が全面的に否定される可能性は低いと考えています。そう仮定すると、せめて「自分の不動産賃貸借契約においては、更新料を支払うという“慣習”が無い状態」にしておくことが、次回以降の契約更新において非常に重要となるわけです。これから年末までに更新を迎える方は、多少月額賃料を上げてでも、更新料0円にすべく交渉を検討されてはと思います。

最高裁は、更新料は払うのが当たり前という“慣習”に従順すぎるほど従順でした。日本の不動産賃貸借契約の不明瞭さをすっきりさせる何十年に一度のチャンスも、これでしばらくは巡ってこなくなったわけです。当然の帰結として、不動産市場に増えはじめていた「更新料無物件」もめったにお目にかかれなくなるのでしょう。私個人としては、あの時大家と交渉して良かったという一言に尽きますが、借り手側の一人としては長期的に見ればやはり不幸な判決です。こうなったら、自分が貸し手側に回るしかないですか(笑)。

慣習をなぞってそれらしい文章を書いていれば給料を頂けるお仕事って、ラクでいいですね。