『法務部門の実用知識』P220にて弊ブログをご紹介いただいていることを人づてに聞いて知り、早速購入。商事法務や西村あさひのメルマガと同列に並べて頂けて、大変光栄に存じます。

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同書は、司法書士資格を取得されてから数社の法務部門での業務経験を持つ著者が、その成功・失敗談を数多く紹介しながら、法務部門に求められる機能・役割を説明するというもの。類書として『企業法務のセオリー』がありますが、あちらが体系的にまとめられているのに対して、この本は「そこまで言ってしまって大丈夫なのでしょうか?」と読んでいるこちらの手に汗が滲むほどの生々しい描写が特徴です。
 

法務部門の実用知識法務部門の実用知識 [単行本]
著者:堀江 泰夫
出版:商事法務
(2013-05-08)


例えばこんな感じ。

他社株主総会を見学するために、S社では自社保有の他社株式だけでは足りず、N証券から議決権行使書を借りることがままあった。(略)ところが、受付では日本最大のN証券代表取締役社長名義の議決権行使書を当時30代の法務担当である私が持参したため、S社の法務担当である私の名刺を受付に渡したものの、「委任状はあるか?なければ入場させない」等といわれてしまい、私は「貴社の法務部門に聞いてごらんなさい。実際に入場する私の名刺があるから問題ないよ」といってそのまま入場した。
(中略)
M商事から議決権行使書面をS社に貸与したN証券に対してクレームが入り、N証券からS社(財務部)へ問い合わせがあったのである。瞬間クビを覚悟したが、少しやんちゃな行動であったものの、法的に誤った行動はとっていなかったことを理解してもらえ、特にお咎めはなかった。

このあと、「法的に誤った行動はとっていなかった」の証明として、田路至弘先生の『株主総会物語』の一節が引用され、株主総会の受付においては議決権行使書を持参する者を本人とみなしてわざわざ本人確認をしない慣行が認められている旨が紹介されているのですが・・・。うーん、とはいえ“株主本人ではないと明らかに分かっている人”を入場させて良いという慣行はないので、私が見学者だったら「あ、バレましたかw」で帰ってましたし、逆に受付の立場だったら入場させなかったかも。それにしても、社名も特定できるこのケースの記載はちょっと生々し過ぎるような気がしましたが(^^;。 
 
いずれにしましても、こんな風にアグレッシブな著者のアグレッシブな法務業務ぶりの数々がほぼ現実そのままのかたちで文字で拝見できるというのは、ある意味貴重な資料だと思います。このレベルで書いて頂ける著者は、なかなか出てこないでしょうしね。