以前ご紹介した『インターネット新時代の法律実務Q&A』の第2版が出ていました。時事ネタ中心の本だけに、1年でちゃんとアップデートされるのはうれしいですね。





初版とページ数はほとんど変わらず、構成上の変更も、第3章としてビッグデータ・ライフログ・マイナンバーの話題を独立させ、もともと独立していたドメインネームの章を9章に統合した点のみのようですが、スマホ・電子書籍・オンラインゲーム・ドメインネーム・ネット選挙・子どもとネット・・・といった時事の一つ一つについて、途中挟まれたコラムを含め最新の情報に更新されています。

この本の初版に対しては、値段の割に情報量が少ない・法律的な掘り下げが足りないのではという批評も多かったように記憶しています。確かに、Q&A形式という本の構成の限界もあり、そういった深みを求める方には向いていないかもしれません。しかし、法律論として興味深いか否かの前に、実務上よく相談されるがはっきりとした答えがなく現場にどう回答すべきか悩んでしまうエアポケット的な話題が網羅されているのは、やはりIT企業のインハウスローヤーが集まって書かれただけのことはある、と私は思います。

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年明けに出された消費者庁1/9コンプガチャQ&Aの“謎”も指摘。
これは業界通の仕事ですね。


この機会に改めて全ページ読みなおしてみると、初版と出会った1年前には咀嚼しきれていなかった実務的なポイントへの言及のありがたみが、この1年の経験を踏まえて身に沁みて理解できます。特にIT×エンタメ領域に居る私としては、オンラインゲームや子どもとネットの問題などは、これだけ具体的かつ的確に言及されている書籍が少ないだけに貴重な情報源。特に、未成年者が親のカードを使って決済した際の責任論など、実際にユーザーと紛争になっているウェブサービス事業者さんも多いと思われますが、企業側の法的理論武装の参考書としては、数あるIT法務本の中でこの本が一番なんじゃないかと思います。